写真:bow
地図を見る岡崎エリアといえば京都の人気観光エリアのひとつ。南禅寺や京都市動物園、琵琶湖疎水や蹴上インクラインなど、比較的小さなエリアに観光スポットが集中していて季節を問わず多くの観光客が訪れます。
蹴上インクラインと呼ばれる傾斜鉄道は琵琶湖疎水を通る船による輸送ルートの一区間で、明治から昭和20年代まで活躍していました。そのインクラインをくぐるように歩行者用のトンネルがあるのですが、それがねじりまんぽと呼ばれています。
写真:bow
地図を見る京都市営地下鉄「蹴上」駅を下車するとすぐに見えてくるレンガ造りのトンネル、これが「ねじりまんぽ」と呼ばれるものです。南禅寺へ向かう近道にもなっていて、地元民だけでなく観光客の利用も多いトンネルです。そしてこのトンネルがただのトンネルではないことが入ってみるとわかります。
写真:bow
地図を見るトンネルに入ってみると、何やら変な感覚に陥ります。レンガが歪んで積まれているのです!「ねじりまんぽ」とはレンガのアーチが螺旋状に積まれたトンネルを指していますが、斜拱渠(しゃきょうきょ)と呼ぶのが正式なのだとか。
拱渠とは土手を築いて線路を敷く際、その下に道路や川を通すためのアーチ状の橋梁のことで、掘ったトンネルとは意味合いが違うのです。多くが明治時代に鉄道網が広がった際に出来たのですが、線路と道路がある角度以上に斜めに交差する場合、強度を保つためこの特殊な技法であるねじりまんぽが採用されたのです。
写真:bow
地図を見るとにかくこのねじれが見事で、美しさすらも覚えるほど。歩いているとまるでワープゾーンを通過しているような感覚にも陥ります。ねじれは入口からすでに始まっていて、かなり緻密な計算の元に積み上げられたレンガは芸術品の域にも見えます。
写真:bow
地図を見るなお「まんぽ」とは諸説がありますが、鉄道線路の盛土の下を貫くトンネル状の構造物を総称する方言といわれていて、関西を中心に「まんぼ」「まんぷう」「まんぼり」「まんぼう」など様々な呼び方があるとされています。
<インクラインのねじりまんぽ(粟田口隧道)の基本情報>
住所:京都府京都市左京区南禅寺福地町
アクセス:地下鉄東西線「蹴上」駅下車徒歩約3分
写真:bow
地図を見るねじりまんぽといえば前述の蹴上のものを指すようにいわれますが、実は京都にはここ以外にも貴重なねじりまんぽが現存しています。ちなみに日本に現存するねじれまんぽは約30か所といわれています。そしてその内の約7割が近畿地方に、特に旧東海道本線にねじりまんぽが数多く現存しています。
もう一件ご紹介するねじりまんぽは大山崎町、JR京都線(東海道本線)の長岡京駅〜山崎駅の間にあり、正式名称は「円明寺架道橋」と呼ばれるものです。
写真:bow
地図を見るこの大山崎町のねじりまんぽ、行けばわかりますがめっちゃ低い!現役の生活道路として利用されているのですが、身長180cm超えの筆者では立ったままでの通過は不可能!それどころか普通の大人なら確実に腰をかがめながらの通過となってしまうため、ここが日本一小さなねじりまんぽなのではと言われています。
ちなみに同じく大山崎町にはサントリー山崎蒸留所近くなどに「ねじれていないまんぽ」も存在しています。違いを見比べてみるのも面白いかもしれませんね。
<円明寺架道橋の基本情報>
住所:京都府乙訓郡大山崎町円明寺海道16
アクセス:阪急電鉄「西山天王山」駅下車徒歩約15分、大山崎ICから車で5分
写真:bow
地図を見る普段に人通りのあるねじりまんぽは広く認知されていますが、実は人が通らない水路にもねじりまんぽは存在しています。桂離宮からほど近い住宅街に、ひっそりと隠れるようにあるねじりまんぽもご紹介しましょう。JR京都線(東海道本線)をくぐるように小さな水路があり、そこにもねじりまんぽがあるのです!
写真:bow
地図を見る小さな祠が目印。その脇にある小さなトンネル。人が通るものではありませんが、臆せず行ってみましょう。人が通るものではないので高さは120cmほどでしょうか、そして5mくらいはコンクリートのトンネルが続きます。
写真:bow
地図を見るその奥に・・・!ありました、ねじりまんぽです。先のコンクリートのトンネルはJRの拡幅によるもので、ねじりまんぽの区間が当初の線路幅だったことを物語っています。
こうした普段は人が通らないような場所にあるねじりまんぽは、京都府下では南山城村、木津川市、南丹市にそれぞれ確認されていて、いずれも鉄道路線に関連しているもの。インクラインのねじりまんぽは鉄道業者以外が築いた唯一のものとされています。
<馬場丁川橋梁の基本情報>
住所:京都府京都市西京区牛ケ瀬奥ノ防町
アクセス:市バス「下津林大般若町」下車徒歩約5分、京都南ICから車で約15分
全国にあるねじりまんぽの数は正確には把握されていませんが、もともとの数が少ないうえに老朽化や廃線で撤去されてしまった結果、全国に30か所程しか残っていないそうです。そしてこのねじりまんぽ、存在自体は指摘されていたものの、技法などの詳細に言及した例がなく全貌は解明されていなかったのです。
そんなロマン溢れるねじりまんぽは見た目もワープゾーンですが、明治時代へのワープゾーンでもあるのかもしれませんね。そして京都はねじりまんぽをめぐるのに格好の舞台、ぜひめぐってみてください。
2020年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索