写真:乾口 達司
地図を見る千葉真一主演の『影の軍団』シリーズなど、伊賀流忍者といえば、江戸時代に活躍した隠密たちであると思い込んでいる人も多いのではないでしょうか。しかし、その発祥は、鎌倉時代にまでさかのぼります。農耕に適さない土地柄であった伊賀盆地では、中世以来、食い扶持を求めて、他国の傭兵となって活躍するものがたくさんいました。彼らは、いくさに関わる諜報活動など、傭兵として活躍する過程で培われたさまざまな兵法を体得し、やがてそれらを「忍術」として大成していきます。これが忍者のはじまりです。
もちろん、隠密の活動をモットーとする忍者の場合、自分が忍者であることを他人に知られてはなりません。したがって、平時は、農民として、ごくごく普通の暮らしを送っていました。そのことがわかるものとして、伊賀市高山地区から実際に移築された、写真の忍者屋敷をあげることができます。一見、どこにでも見られる茅葺屋根の農家のように錯覚してしまいがちですが、ひとたび、その内部に立ち入ると、忍者の住処ならではの仕掛けがたくさんほどこされており、見るものを圧倒します。世を忍ぶ仮の姿。忍者屋敷は、そんな忍者の本質を表した建物であるといえるでしょう。
写真:乾口 達司
地図を見る屋敷に一歩足を踏み入れると、そこは忍者の世界!内部にほどこされた数々の仕掛けを、黒ずくめの男性忍者や赤い装束を身にまとった女性忍者(くノ一)が、スタッフとして、丁寧に解説をしてくれます。写真は「どんでん返し」のありかを教えてくれているシーンですが、場所によっては、目の前で実演もしてくれるので、観客サイドの臨場感は否応なく高まります。
写真:乾口 達司
地図を見る写真の下方、長押(柱と柱を繋ぐ横木)の下部に、木の枠のようなものが水平に吊り下げられているのが、おわかりになるでしょう。実は、これは隠し階段なのです。普段はこのような状態で吊り下げられていますが、緊急時には階段へ早変わりをし、障子欄間の奥に設けられた中二階の隠し部屋へとつながっていました。あれ?誰かに見られているように感じませんか?欄間の奥をよくご覧ください。赤い装束を身にまとったくノ一が、隠し部屋から、みなさんをじいーっと監視していますよ!
写真:乾口 達司
地図を見る忍者屋敷では、突然の襲撃に対応するため、武器や武具の類も、敵に気取られないところに隠されていました。写真の床板をご覧ください。中央の一枚だけ、他のものと少し色合いが異なっていますよね。この床板の下には、何と手裏剣が隠されているのです!案内役のスタッフは、次の瞬間、板をはずして手裏剣を取り出し、あらかじめ設置されている的に向かって、すばやく手裏剣を投げつけます。その動きは目にも止まらぬ速さで、見るものを驚かせます。こういった隠し場所はほかにも設けられており、ささいなスペースも決して無駄にはしない、忍者の豊かな発想力をうかがうことができます。
写真:乾口 達司
地図を見る忍者屋敷の地下には、忍者体験館が設置されています。忍者体験館には、当時、実際に使われていた武器や武具類、復元された忍者の装束などが、数多く展示されています。忍者といえば、やっぱり、手裏剣!写真は手裏剣の展示コーナーですが、一口に手裏剣といっても、その投げ方もふくめて、こんなに種類があるのです。ちなみに、伊賀流忍者博物館では、希望者を対象に、実際に手裏剣打ち体験もさせてもらえます。
伊賀流忍者博物館がいかに魅力的なスポットであるか、おわかりになったのではないでしょうか。ほかにも、忍者の知恵を現代に活かした忍者伝承館の一角では、手裏剣をはじめとした忍者グッズの販売もおこなわれており、小さいお子さんたちには喜ばれること、請け合いです。観客を案内してくれたスタッフの面々がおこなう忍者ショーも定期的に催されており、忍者の魅力をさらに実践的に堪能することもできます。あなたも伊賀流忍者博物館を訪れ、忍者の世界にどっぷりつかってみてはいかがですか?
入館料:大人 700円/小人 400円/手裏剣打ち体験・忍者ショーは別料金
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(2024/9/9更新)
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