写真:いしい ひい
地図を見るニューヨークの公立図書館は、ブライアント公園の東側、お洒落な五番街と42丁目の角にあります。ボザール建築という古典的な様式の建物は堂々として、存在そのものがアートのよう。白く輝く大理石が印象的な建物の正面には2頭の大きなライオンの像があり、記念撮影する観光客の姿が絶えません。
そして館内に入ると、その重厚な作りや豊富な蔵書に圧倒されるはず。絵画の展示などもあり、まるでミュージアムにいるような雰囲気です。
写真:いしい ひい
地図を見るそして是非のぞいてみてほしいのが、この図書館のチルドレン・ルーム。ここにはくまのプーさん(Winnie-the-Pooh)とその仲間たちのぬいぐるみのオリジナルが展示されているのです。
1921年、A.A.ミルン氏はロンドンのハロッズ・デパートでテディベアのぬいぐるみを購入し、息子クリストファー・ロビン君の一歳の誕生日にプレゼントしました。その後もクリストファー君は、クリスマスや誕生日のたびにぬいぐるみを贈られ、ピグレットなど仲間が増えていきました。
1926年ミルン氏が発表した童話「くまのプーさん」は、このぬいぐるみたちとクリストファー君がモデルなのです。
写真:いしい ひい
地図を見るたくさんの個性豊かな動物が登場する童話は、全世界で愛され、ディズニー・アニメにもなり、ぬいぐるみたちは長年の間、各地で巡回展示されていました。
そして1987年からニューヨーク公立図書館で保管されることになったのです。プーさんだけでなくその仲間たち、ピグレット、イーヨー、ティガー、カンガも一緒です。カンガの子供「ルー」は、残念ながらずっと昔に紛失してしまったそうです。
ぬいぐるみたちを生まれ故郷のイギリスに帰すべき、という議論もあったそうですが、最終的にニューヨークに残ることに決定。そして2016年には、慎重な修復作業を経て、昔のままの愛らしい姿で再公開が始まりました。
子供たちでにぎわう部屋には、クマのプーさんの舞台である森の絵や、クリストファー君とぬいぐるみが一緒に写っている写真などもあります。今も子供たちに読み継がれている童話の主人公たち、これからも大切に守っていきたいですね。
写真:いしい ひい
地図を見るニューヨーク公立図書館では無料のWiFiが使用でき、カフェや売店も併設されているので、市民のみならず旅行者にとってもありがたい場所。
無料の館内ツアーも毎日実施されています。事前予約不要なので、ツアーの予定時間に1階の受付に行って申し込みましょう。広い図書館の中を歩きながら、ニューヨークの歴史なども知ることができますよ。
全米で最も美しい読書室のひとつとして有名なRose Reading Roomも、是非足を運んでみてください。静寂に包まれた部屋で、市民や学生は静かに読書や調べものをしています。天井にある青い空と雲の絵もお見逃しなく。こんな読書室で勉強してみたい!
100年も愛されている童話「くまのプーさん」、そのモデルになったぬいぐるみの現物がいまも大切に保管されているなんて、とてもステキなことですね。レトロで素朴で愛らしいぬいぐるみたちに、是非会いに来てください!
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この記事を書いたナビゲーター
いしい ひい
2008年、夫の転職にともなって始まった、アメリカ生活。最初はニューヨーク、続いてヒューストン、サンノゼ、シアトルと、西へ西へと移動して、2017年からニュージャージー州に住んでいます。転勤族はけっこ…
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