珍種植物の宝庫!西伊豆・戸田地区の貴重な植物から花の見所

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珍種植物の宝庫!西伊豆・戸田地区の貴重な植物から花の見所

珍種植物の宝庫!西伊豆・戸田地区の貴重な植物から花の見所

更新日:2017/06/22 15:25

sachieのプロフィール写真 sachie 伊豆史女、伊豆専門ナビゲーター

伊豆半島の西海岸、最北部に位置する沼津市戸田地区は三方を山に囲まれ、多くの自然が残されています。明神池では、奇妙な形をした貴重な植物「ヤチボウズ」や、日本最大級の群生が見られるアブラギリ。北限に位置した希少な橘の木や、たった2週間しか咲かないスカシユリなど、独自の植物が点在しています。百聞は一見に如かず!さぁ、カメラを持って戸田の珍種植物を見に出掛けませんか?

聖なる木として神聖視された!戸田が北限の貴重な橘の果実

聖なる木として神聖視された!戸田が北限の貴重な橘の果実

写真:sachie

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まず初めにご紹介するのは、西伊豆の戸田地区。修善寺方面から戸田へ向かった県道18号線から山手に向かった「饗(もてなし)の里公園」から。

西伊豆・戸田地区は、橘(たちばな)の木が、日本で北限の自生地と言われています。修善寺方面から戸田へ向かった県道18号線から山手に向かった「饗(もてなし)の里公園」では、約2000平方メートルある公園の一角に、約80本の橘の木が植えられています。

橘は、日本固有のミカン科の植物で、環境省のレッドリストに記載されるなど、絶滅が危ぶまれている植物。日本書記では「不老不死の霊薬」として記載され、万葉集や古今和歌集などでも唄に詠まれているなど、古くから日本人にとってはなじみ深い存在。最も身近なところでは、500円硬貨の裏や、文化勲章の図柄に橘の花が採用されています。

高さ4mほどの常緑小高木に、毎年11月中旬頃から鮮やかな黄色果実を実らせます。実は、直径2cm〜3cmの小粒サイズで、思わずカメラを向けたくなってしまう程の可愛らしい大きさ。見た目は美味しそうですが、熟す手前は酸味と苦みが凄く、そのままでは食べられませんが、抗酸化性成分が多く含まれており発がん抑制効果の高い物質も他の柑橘類に比べて多く含まれています。熟す頃になると、皮も種も食べられるようになり体に良い果実です。

毎年5月中旬〜下旬には、橘の白い花が見頃になり、日本にミカン科の植物は、約1200種ありますが、その中でも貴重な種が見られるのはここならでは。

その昔は大活躍!山の緑に映える「二ホンアブラギリ」

その昔は大活躍!山の緑に映える「二ホンアブラギリ」

写真:sachie

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こちらは、戸田地区から井田地区に向かった県道17号線沿いにあるアブラギリの群生です。日本最大とも言われ、山肌の約650mほどの区間に無数の木があり、手付かずのままに生えるアブラギリを見ることができます。

このアブラギリは、トウダイグサ科アブラギリ属の「二ホンアブラギリ(別名:毒荏樹)」。中国原産の落葉高木で、樹高は約10mもあります。

その昔は大活躍!山の緑に映える「二ホンアブラギリ」

写真:sachie

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アブラギリは、漢字で「油桐」とも書き、種子から桐油(とうゆ)を採り、その昔は防水剤として利用していました。唐傘の防水油や、明治初期までは行燈の燈油などにも使用。また、静岡の伝統工芸品の「駿河漆器」の製作過程における研ぎ出し用研磨炭である「駿河炭」の原料として大変貴重な植物でした。

毎年5月中旬〜6月中旬にかけて、白い可憐な花を辺り一面に咲かせます。アブラギリの花は、一つの木から雄花・雌花が咲く、雌雄異花(しゆういか)という珍しい花で、開花期は独特な匂いも体感できますよ。群生が残されているのは、人の手が加わっていないからこそ。群生地に遊歩道が設けられていますが、手入れが間に合わず草が覆い茂っているところや、県道沿いに群生地があるため駐車スペースは、ほとんどありません。なので、のんびりドライブしながら楽しむのがお勧め。

艶やかで情熱的な美しい花!裏側に隠された儚い命の「スカシユリ」

艶やかで情熱的な美しい花!裏側に隠された儚い命の「スカシユリ」

写真:sachie

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ご紹介するのは、御浜(みはま)岬に咲く「スカシユリ」です。岬は、戸田港に腕のように湾曲した形が特徴の、全長約1kmの白砂青松が美しい海岸。その岬の松林の木の根元に凡そ数千本のスカシユリが自生し、毎年6月中旬から見頃を迎えます。

スカシユリは、ユリ科の多年草。高さ30cm程度で、濃いオレンジ色の艶やかな大輪の花を咲かせます。閑散とした松林で観る花は一際美しく、思わずカメラを持って近付きたくなるほど。花の寿命は2週間と短く、美しさの裏側では、受粉して子孫を残そうと懸命に花を咲いています。僅かな命ですが、健気に咲く見逃せない花の見所です。

県内で唯一!ユーモアに富んだ奇妙な「ヤチボウズ」

県内で唯一!ユーモアに富んだ奇妙な「ヤチボウズ」

写真:sachie

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こちらは、井田地区にある明神池です。ここでご紹介したいのが「ヤチボウズ」と言う植物。まるで動物のような名前ですが、カヤツリグサ科のヒトモトススキと言う歴とした植物です。谷地(ヤチ)の湿地に育つという意味から「ヤチボウズ」と名付けられ、池の周囲を覆うように生えています。

県内で唯一!ユーモアに富んだ奇妙な「ヤチボウズ」

写真:sachie

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ヤチボウズは、ヒトモトススキやアシ等から形成され、長い時間をかけて植物が積み重なり塊となった現象。ご覧のように玉のように固まりになっています。普通の池では育つことができず、県内ではここでしか見ることができない、全国的にも大変貴重なヤチボウズが見られます。

そして、ここはヤチボウズだけでなく、海から僅か50m程しか離れていないにもかかわらず、真水が湧く不思議で神秘的な池。池自体も見物ですよ。

素朴な町だからこそ!自然の魅力がたっぷり

如何でしたか? ご紹介した以外に、御浜岬では7月〜8月にかけて自生するハマユウや、10月下旬〜12月中旬はツワブキの花などが楽しめます。また、明神池の近くでは、日本の東限の自生地となったシダ科のテツホシダなど、貴重な植物も見られますよ。

道の駅「くるら戸田」では、絶滅の恐れがある橘を加工したジャムを使ったパンケーキやソフトクリームなど、珍しい果実を味わうこともできます。駅内にある「壱の湯」では、冬至には不老長寿を願って橘の実を浮かべた温泉も楽しめるので、併せて楽しまれてみては如何でしょうか?

戸田地区から井田地区へ向かう県道17号線は、コンビニなどの店はなく、所々車がすれ違いないような道幅が狭い道路なので、運転には十分お気を付け下さい。戸田地区では、植物の他、美味しい磯料理店・温泉宿や、富士山が見られるビュースポットなど、食べ処や見所温泉処もありますよ。さぁ、パワー漲る美しき戸田の植物に会いに出掛けませんか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/11/29−2017/06/09 訪問

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