写真:木村 優光
地図を見る新横浜駅から路線バスに乗ること約20分、鶴見区では名の知れたショッピングモール「トレッサ横浜」の近くで下車。そこから数分歩くと「みその公園」があります。獅子ヶ谷市民の森の一部となる「みその公園」には、今となっては非常に貴重な「横溝屋敷」と呼ばれる古民家があります。
元々、「横溝屋敷」は江戸時代から獅子ヶ谷周辺の名主を務めてきた横溝家が住んだ住宅で、「みその公園」はこの辺でも一等地!というのも、谷戸に位置する「横溝屋敷」は北を獅子ヶ谷の裏山、東には竹林が広がるため、夏は涼しく冬は木枯らしを遮り陽射しが暖かいのです。
そしてなんといっても、大概は移設が多い古民家ですが、創建当時からこの地に存在したことが非常に貴重!現在は横浜市の手に渡り、所々改修し復元はされたものの、長屋門、主屋、文庫蔵、穀蔵、蚕小屋がまとまって現存することすら大変貴重なのです!
写真:木村 優光
地図を見るさて、敷地内へ入るためにはゲートをくぐらなければなりませんが、「横溝屋敷」のゲートは長屋門!非常に重圧な造りで、敷地前を通る一般道に平行する位置で長屋門が設けられています。一見、非常に立派な農家のお宅にも見えますね。江戸時代から昭和時代初期までは、このような立派な門構えの民家がたくさん存在しました。
築は1847年で、江戸時代末期にまでも遡るというから一見の価値には変わりありません。屋根は合掌造りで、屋根を支える梁も存在感抜群!大きな門扉の左右には板床の上長屋と土間の下長屋が加えられていて、屋根裏には昭和40年代まで買い物などに実際に使用されていた駕籠があります。
写真:木村 優光
地図を見る長屋門と向き合う形で建つ築1896年の主屋。2階建ての非常に立派な構造で、内部へ入れば太い柱には驚かされるでしょう。1階は主に住居用で6つの部屋に分かれています。2階は養蚕を行う蚕室が3つあり、すべて廊下によって囲まれた変わった構造!まるで大きな櫓のようで、廊下沿いには通風や採光を行って温度管理ができるように窓がたくさん並んでいます。
写真:木村 優光
地図を見る長屋門の隣にある穀蔵(こくぐら)は1841年に建てられたもの。内部は2つに区切られており、養蚕や脱穀などの展示が行われています。外観は奥屋根両妻かぶと造という構造で、非常に珍しい造りです。
写真:木村 優光
地図を見る2月に入ると、横浜市内にある各古民家ではひな人形が飾られます。この「横溝屋敷」でもたくさんのひな人形が、主屋の1階に所狭しと並びます。どれも立派で見入ってしまうほど!
写真:木村 優光
地図を見るひな人形を見終えたら、2階にアクセスしてみましょう。2階へは写真のような貫禄ある階段でアクセスできます。階段を手前にして2階を見上げてみると、階段の角度が非常に急で意外と狭い!古い家に住んだことがある方はお判りでしょうけど、若い方にとってはこの急な階段は初体験かもしれませんね。
実際に階段を上ってみると、このような階段を上ったことがある人でも非常に怖いでしょう。そのため、手摺を持ちながら1段ずつゆっくりと上りましょう。転倒したら元も子もありません。
写真:木村 優光
地図を見る蚕室が3つある2階には現在、大量の資料が展示されています。江戸時代の名主は食器を百客揃いといった数で複数持っていて、村人の冠婚葬祭にも貸し出したと言われています。「横溝屋敷」では、名主である横溝家が持っていた食器の数々などが所狭しと並んでいます。
写真:木村 優光
地図を見る「みその公園横溝屋敷」の敷地から一歩外に出ると、世界観がガラッと変わるというわけではありません。周囲は自然が多く、北側には獅子ヶ谷市民の森、南側には田園地帯が広がっています。そのため、背景の獅子ヶ谷市民の森の木々を入れつつ、「横溝屋敷」にピントを合わせて、田園に咲く葉の花をぼかしてみると写真のようになります。
写真:木村 優光
地図を見る「横溝屋敷」では季節ごとに周囲の田畑で採れたものを、主屋や蔵の窓際などで干していたりします。写真は赤トウガラシを干している様子。このように、現代ではあまりお目にかかることができない光景を「横溝屋敷」では日常茶飯事的に見ることができるため、とても貴重!カメラに収めて記録しておくことを忘れないようにしましょう。
住所:神奈川県横浜市鶴見区獅子ケ谷3-10-2
電話番号:045-574-1987
アクセス:新横浜駅より横浜市営バス104系統、または川崎鶴見臨港バス02系統で「表谷戸バス停」下車、徒歩約5分
2020年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/29更新)
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