通常、皇居内の見学(皇居一般参観)をするには、まずは事前の申込み手続きが必要となりますので簡単に紹介します。見学可能な日は平日の午前・午後各1回に限られ、土曜・日曜日は設定がありません。手続きはインターネットからも可能で、参観可能な日と予約状況を確認して、希望日の4日前まで(インターネットの場合)に申込みをします。(詳細は関連メモの「皇居参観申込要領(宮内庁)」を参照下さい。)
当日は皇居桔梗門前で受付後、敷地内に入り見学に関するビデオ説明の後、係員が付いて団体での見学がスタートする流れとなります。尚、コースは徒歩で約2kmを約75分かけて巡る内容で、すべて建物の外観の見学となります。
さて、その皇居の見学では宮殿や宮内庁庁舎等だけではなく、江戸城の面影を随所で目にすることができることもお勧めするポイントです。写真はその一つ、1659年に建てられた富士見櫓で、見学コースの最初の方で目にすることができます。石垣の上に建つ時代を感じさせる立派な櫓は見応えがあり、背後の近代的なビルとの対比もここでしか出会えない面白い光景となっています。
写真:高橋 しゅう
地図を見る宮内庁庁舎は、戦前に建てられたもので重厚な雰囲気を感じさせる建築です。戦後、現在の宮殿が建てられるまでの間の昭和27年〜昭和44年まで、3階を仮宮殿として使われた時期もありました。現在の天皇陛下がご成婚された時は、この庁舎が仮宮殿として利用されていたことになり、建物の玄関前で撮影されたご成婚時のお二人の写真を、当時の報道写真等を探していると、見かけることがあります。
皇室の国家事務を担う宮内庁は、普段はゆかりの無い何か特別な存在に感じますが、ここでは目の前でその庁舎を見ることができます。
写真:高橋 しゅう
地図を見る皇居見学のメインとなるのが、皇室の儀式・行事や、天皇陛下が御公務をされる場所となっている宮殿の建物です。宮殿は複数の建物で構成されておりますが、見学コースでは広場となっている宮殿東庭と、そこに面した長和殿の建物をメインで見ることができます。
この長和殿は新年や天皇誕生日の一般参賀の際に、天皇皇后両陛下や皇族方がお立ちになる建物で、テレビ報道等で一度は目にしたことがあると思います。この建物は南北の長さ163mにもおよぶ長大なもので、その長さと立派な造りは目を見張るものがあります。また隣接する建物や手入れがされた庭園も、塀に囲まれた垣間からとはなりますが目にすることができ、ここに来ると皇居ならではの荘厳な雰囲気を感じることができると思います。
新年や天皇誕生日に天皇皇后両陛下や皇族方が、国民の前で長和殿中央のガラスで囲まれたバルコニーでお立ちになるスペースは、実はその時期にあわせて新たに設置されるものなのです。テレビのニュース映像ではいつもこの場所が映りますので、建物の一部と思っていましたが、係員の方の説明によると、普段は設置されていないとのことです。
この写真にあるガラスで囲まれたバルコニーのある光景は、12月と1月の一般参賀に参加される方と、その前後の時期に皇居見学される方が見ることのできる、期間限定のものなっているのです。
一般的な皇居の観光写真でよく紹介されているのが、皇居正門付近から見た二重橋とその奥に見える伏見櫓の絵になる写真です。
もちろん通常の観光では、皇居敷地内にある二重橋(正式名称:正門鉄橋)を渡ることはできませんが、見学コースではこの橋も見学スポットになっています。橋そのものも素晴らしいのですが、その上から見る光景も特別なものです。一方には皇居前広場とその向こうにそびえる丸の内の近代的なビル群をのぞみ、もう一方には江戸城の遺構の一つ伏見櫓を眺めることができます。
その中でも特に印象的なのが、ここからしか見ることのできない、深い掘割と石垣の上に建つ伏見櫓の全景です。この櫓は江戸時代、三代将軍徳川家光公により京都伏見城から移築したと伝えられています。その姿は実に美しく、周囲を草や木々に囲まれていることもあり、まるで江戸時代にタイムスリップしたような素晴らしい光景を、目にすることができるのです。
皇居見学に関して、コース内のいくつかの見どころポイントを紹介しましたが、他にも見学コース上には、大正時代に建てられ国会議事堂のモデルともなった元枢密院庁舎、江戸城の面影を残す大名の印が刻まれた石垣、富士見多聞と称される櫓等々興味深いみどころが、まだまだあります。
そして、隣接する皇居東御苑の敷地内には、江戸城の天守台跡や当時の番所の建物、皇室から国へ寄贈された美術・工芸品を展示した三の丸尚蔵館等があり、皇居とその周辺一帯には、たくさんの観光スポットがあるのです。尚、皇居東御苑内は休園日はありますが、普段は一般に公開され、こちらは予約無しで見学することができます。
尚、皇居の敷地内を見学する方法としましては、ここまで紹介しました他に、本文で少し触れましたが、天皇誕生日と新年の一般参賀で皇居を訪れる方法もあります。※詳細は宮内庁のホームページを参照下さい。
皆さんも東京へお出かけの際に、一度は皇居見学へ出掛けてみませんか。きっとより印象深い、東京観光になると思いますよ。
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(2024/11/2更新)
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