写真:Hiroko Oji
地図を見るイタリア中部に位置する「アッシジ」は、丘の頂にどっしり聳える大城塞が見下ろす、中世の趣を今に伝える素敵な石造りの町。フランチェスコ会を創設した聖フランチェスコの出身地として知られており、キリスト教の巡礼地としてたくさんの人々が訪れる世界遺産の町です。
鉄道で到着し、駅から緑で覆われた丘の上を見上げると、ここで掘り出される淡いピンク色がかった白っぽい石材で造られた建物が、斜面に沿って段々に建ち並ぶアッシジの姿が目に飛び込んできます。その町の西端に突き出すように横たわるのが、サン・フランチェスコ聖堂と付属修道院の建物。修道院の建物のアーチがいくつも並ぶ様子がまた美しい!
写真:Hiroko Oji
地図を見るサン・フランチェスコ聖堂は、アッシジで生まれ、彼の死後、聖人に列せられたフランチェスコの功績を称えるために建設されました。
丘の頂に聳える大城塞からは、オリーブ畑の中に浮かぶような大聖堂の姿と訪れる人々で埋め尽くされる様子が見下ろせます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る昼間は大聖堂を訪れる観光客や巡礼者で埋め尽くされるほどの込み具合でも、早朝や夜はひっそり静まり返っているアッシジ。運が良ければ、早朝の雲海に浮かび上がる大聖堂の姿を見ることもできます。また、夜のライトアップされた姿も幻想的ですので、是非この町に宿泊してご覧になってください。
写真:Hiroko Oji
地図を見るサン・フランチェスコ聖堂は、丘の斜面に建っているため、この斜面を有効に利用した結果、珍しく上下2層になった聖堂です。1228年に教皇グレゴリウス9世によって建築が始まり、1253年に完成したのですが、その後、何度も改修が繰り返されています。
イタリアも日本と同じく地震の多いお国柄。これまで幾度となく地震に見舞われて来ました。中でも、1997年9月、中部ウンブリア地方で発生した地震によって、大きな被害が生じ、ドーム天井や屋根が崩落してしまいました。たまたま、テレビの撮影隊がその場にいたことから、崩落の瞬間を映像にも残されています。この時に、ジョット、チマブーエらによる貴重なフレスコ画も天井から崩落、さらには4人の死者が出たほど。その後、フレスコ画の無数の破片が持ち出され、数年にわたるジグソーパズルのような作業がボランティアによって根気よく続けられたおかげで、現在、蘇った美しい聖堂内を見ることができるようになっています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る緩い坂になったサン・フランチェスコ広場から入れる下層の部分は、ロマネスク様式での建築です。天井が低く荘厳な雰囲気が漂う内部では、チマブーエの「聖母と天使と聖フランチェスコ」、シモーネ・マルティーニの「聖マルティーノの生涯」、ロレンツェッティの「夕日の聖母」などの中世の名画を見ることができます。
階段を下ると、聖フランチェスコのお墓がある地下室へと続きます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る上層部分はゴシック様式で建てられており、内部は明るい雰囲気です。「小鳥に説教する聖フランチェスコ」を代表とする、ジョットによる28枚の壁面を埋め尽くすフレスコ画「聖フランチェスコの生涯」が大変素晴らしい!残念ながら、聖堂内は撮影禁止ですので、しっかりと目に焼き付けてきてくださいね。
写真:Hiroko Oji
地図を見る上部聖堂前には、気持ちのいい緑の芝生が広がっています。ここからの眺めもなかなかのものです。
写真:Hiroko Oji
地図を見るまた上部聖堂の美しい回廊も見逃せません。石で覆われた中庭のまわりを美しいアーチが二段重ねで並び、中央には古い井戸が残されています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る教会前に広がる石畳で覆われたサン・フランチェスコ広場は、周りに素晴らしい回廊が巡らされています。広場から見上げる石造りの建物が斜面に建ち並ぶ風景にも圧倒されるほど。
写真:Hiroko Oji
地図を見る広場を囲む回廊の壁は、石を積み上げた素朴なもので、所々にベンチが置かれ一休みする人々の姿が見られます。また一部の壁には窓が取り付けられたり、青銅のレリーフが掛けられていたりします。
今では、このように一息つける明るい回廊ですが、地震後の数年は、前の広場は運び出された瓦礫置き場となっており、この回廊が聖堂への唯一の通路としてシートで囲われ、暗いばかりの通路だったのです。
写真:Hiroko Oji
地図を見る広場の平原側の回廊にある窓からの眺めがこれ!ウンブリア平原の長閑な田園風景の中に、大きくうねる道路が続き、遠くにサンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会が小さく見えています。
いかがでしたか?世界遺産のアッシジ観光の一大スポットともいえるサン・フランチェスコ聖堂。ここを見るだけでも充分満足できるスポットですが、せっかくこの町に来たのなら、ここだけで終わってはとてももったいない!町中には素敵な見所が満載です。サンタ・キアーラ聖堂はじめ教会の数々、大城塞、コムーネ広場周辺の建物群、郊外まで足を延ばせば「カルチェリの庵」などなどです。
これらをしっかり見るには、日帰りではあわただしく、見残すスポットが続出のはず。少なくとも1泊はして、この町をたっぷり楽しんでくださいね。宿泊すると、昼間は満員列車のような込みようの町中が、ウソのように静まり返って、ステキな中世の町並みを独占できますよ。
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