愛媛にある「宇和島城」はひと味違う!築350年の天守って?

愛媛にある「宇和島城」はひと味違う!築350年の天守って?

更新日:2017/06/27 12:22

いなもと かおりのプロフィール写真 いなもと かおり 城マニア・観光ライター
愛媛県宇和島市は、天赦園や樺崎砲台、私立伊達博物館など、伊達家ゆかりの歴史スポットが点在するエリアです。なかでも市のシンボルともいえる「宇和島城」は、とくに宇和島観光には見逃せない人気スポット!城の見どころをはじめ、残された遺構の数々をわかりやすくご紹介していきます。はじめて城巡りする方でも楽しめる、おすすめルートを辿って宇和島城を隅々まで散策しましょう!

宇和島城はどんな城?

宇和島城はどんな城?

写真:いなもと かおり

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愛媛県の南部に位置する宇和島市は、伊達家ゆかりの歴史名所が点在する地域!伊達家といえば仙台のイメージが強いですが、実は宇和島にもその血が受け継がれているのです。江戸時代のはじめ頃、仙台藩を継いだのは伊達政宗の正室が産んだ子でした。一方で政宗の側室が産んだ子・秀宗が入封した地が宇和島です。いわゆる分家のような形で宇和島藩が誕生し、幕末に至るまで伊達家が治めています!

宇和島城はどんな城?

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現在みる宇和島城は、藤堂高虎が築き、その後伊達家が改修したもの。高虎は、当時売れっ子の築城名手であり、彼の縄張が楽しめるお城でもあるのです。カリスマ藤堂高虎と「伊達者(粋でオシャレという意味)」の血を受け継ぐ伊達家による見事なコラボレーションが見どころです!

宇和島城はどんな城?

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おすすめは、「上り立ち門」から入って石垣を観察しながら天守へと向かっていく散策ルートです。途中で現存する長屋や倉庫を見学しましょう!天守に登ったら再び石垣を愛でながら、長屋門へ向かいゴールとなります。

「上り立ち門」は最古であり最大の門!?

「上り立ち門」は最古であり最大の門!?

写真:いなもと かおり

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宇和島城は、陸地にポッコリと現れる丘の上にありますが、当時は北側が海に面した難攻不落のお城でした。しかも外郭を五角形に設計する工夫が見られます。これは、だいたいのお城が四角形だという心理をついて一面多く設けたためです。戦になった際は、攻めてきた兵はさぞや驚くことでしょうね。

「上り立ち門」は最古であり最大の門!?

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その外郭の南側の面には「上り立ち門」という城門があります。上り立ち門は現存している遺構!それも、薬医門という形式の城門では最大級の大きさといわれています。また、築かれた年代は慶長年間(1596〜1615)の初期頃と考えられおり、現存する薬医門で最古クラスです。

宇和島藩の痕跡!現存の数々

宇和島藩の痕跡!現存の数々

写真:いなもと かおり

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立ち上がり門から続く道を進むと、建物がでてきます。現存遺構といえば、これらも忘れてはなりませんよ!

「山里倉庫」は伊達家が城内で保有していた武器庫。江戸時代の武器庫の現存例は非常に少なく貴重な遺産です。もともと三の丸にあったものが移築され、現在は市の所有する城山郷土館となっています。

宇和島藩の痕跡!現存の数々

写真:いなもと かおり

また、隣接して建っているのが「穂積兄弟生家長屋門」です。幕末から明治にかけて生きた兄弟学者の生家が、昭和になって移築されたもの。旧宇和島藩士の遺構を見学することができます。

宇和島藩の痕跡!現存の数々

写真:いなもと かおり

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さらに、城の北登城口にあるのが「藩老桑折氏武家長屋門」です。正確な建造時期は不明ですが、江戸時代の中期頃のと考えられています。桑折氏の屋敷にあった長屋門が城山の峰に移築されたもの。

江戸時代の面影を残す3つのスポットを巡りましょう!

宇和島城のシンボル、白亜の天守

宇和島城のシンボル、白亜の天守

写真:いなもと かおり

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宇和島城は、日本で12例しか残っていない現存天守のあるお城!1666年に完成したとされる天守は、他の現存天守とは異なる特徴が見られます。お城は戦うために築かれ、その容姿は防衛機能を兼ね備えた武骨なデザインが通例です。しかし宇和島城の天守入口には歓迎するかのように大きな玄関が!

また壁には反撃時に銃を撃つ穴(狭間)が空いているのが通常ですが、宇和島城にはありません。華麗な外観はまさに鎧を脱いだ武士のよう!武装を外し、シンボルとして築かれた天守からは平和の象徴としての面が見られます。

宇和島城のシンボル、白亜の天守

写真:いなもと かおり

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天守の階段は急勾配な点が醍醐味!宇和島城の階段も急ではありますが、手すりが他の天守とことなります。欄干には細かい飾り細工が施され、軍事要素よりもオシャレ要素が高い造り。これも平和な時代に築かれたゆえと考えられます。

さらに天守のなかには、1860年の天守修理時に作成された貴重な雛形も展示されていますよ。

宇和島城のシンボル、白亜の天守

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そして、最上階からの景色も美しいですが、ここでは屋根に注目してみてください。南西の角には桃の瓦が!よく見ると、亀の甲羅の形をした瓦の上に乗っているのがわかります。これは飾り瓦と呼ばれ、桃と亀には魔除けや長寿を願う意味があるそうです。

筆者が知っているだけで、桃瓦はほかに愛知県の犬山城や岡山県の岡山城でも見られます。珍しい桃の瓦見つけてみてくださいね!

旅のグルメは道の駅へ

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写真:いなもと かおり

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宇和島城周辺のグルメをお探しの方は、車で5分ほどの距離にある「道の駅みなとオアシス うわじまきさいや広場」がおすすめ!お腹もいっぱいになり、併せてお土産探しもできますよ。

とくにフードコートの「ほづみ亭」にて食べられる太刀魚のちりめん丼は絶品!脂ののった太刀魚が竹に巻かれ、甘辛いタレがベストマッチ!かぶりつきたくなる一品です。

愛媛の旅は南予が面白い!

いかがだったでしょうか?愛媛県の歴史観光地といえば、松山城や今治城などが有名ですが、宇和島城だってアツイ歴史スポットです!大手口コミサイト・トリップアドバイザーの「行ってよかった城ランキング」にも、たびたびランクインする常連の観光名所。歴史を感じる旅をするならば、宇和島城がおすすめです!

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/05/25 訪問

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