三溪園は明治〜大正時代にかけて製糸・生糸の貿易で財をなした横浜の実業家・原三溪が造り上げた、広さ53,000坪の広大な日本庭園です。
1906年に一般に開放された外苑と、私庭としていた内苑のふたつの庭園からなり、京都や鎌倉などから集められた歴史的建造物と四季折々の自然が織りなす素晴らしい景観が見どころです。
園内には四季折々の花が咲き乱れます。
春はサクラやフジ、ツツジなど。初夏にはアジサイやハナショウブ、ハス。秋には紅葉はもちろんヒガンバナやハギ、そして冬にはサザンカやスイセン、ウメなど、どの季節に訪れても美しい花を見ることができます。
外苑エリアのランドマークとして配されたのが「旧燈明寺三重塔(きゅうとうみょうじさんじゅうのとう)」。1457年、室町時代に京都木津川市の燈明寺で建築され、1914年に移築された三重塔。関東地方にある木造の塔では最古のものだそう。
高台に建てられているため三溪園のどの場所からも見えます。坂道を上った先にある三重塔からの眺めも素晴らしく、遠くにはベイブリッジまで望むことができます。
三重塔と合わせて観たいのが「旧燈明寺本堂」。
室町時代の1457年に建てられ、1987年に三重塔と同じ京都・燈明寺から移築されたもの。5年がかりで移築・保存作業が行われ、中世密教寺院の姿をよみがえらせました。
本堂内に安置されている「十一面観音像」も必見です。
飛騨の白川郷で江戸時代後期に建てられ、ダム建設により1960年に移築された合掌造りの旧矢箆原家住宅(きゅうやのはらけじゅうたく)。園内にある歴史的建造物の中で唯一内部を見学できる建物で、現存する合掌造りでは最大級の民家です。
飛騨の三長者の一人と言われた矢箆原家。農家でありながら式台玄関や書院造の座敷などの立派な接客の空間や寺院に用いられる火灯窓がつけられるなど、その豪勢な暮らしぶりを垣間見ることができます。
屋根の妻側にある火灯窓や、扇が彫られた美しい欄間はお見逃しなく!
囲炉裏では今でも毎日薪がくべられ、黒光りした柱や煙の匂い、そして飛騨地方で使われていた民具の展示などが昔の生活を垣間見せてくれます。
2階に上がると見ることのできる太い丸太を組んだ合掌造り屋根の構造は迫力満点。また、そこに展示されている矢箆原家と飛騨地方の民具約1000点も見応えありです。
建築家・大江宏の設計による展示施設「三溪記念館」内には茶席「塔望亭」があります。10時〜16時の間、500円で本格的なお点前での抹茶を楽しむことができます。美しい庭園を眺めながら、旧燈明寺三重塔を大池から見上げた絵柄を型押しした餡入り落雁とともにお抹茶を楽しんでみませんか?
その他にも三溪園茶寮、雁ヶ音茶屋、待春軒と3軒の飲食処があり、甘味やおそば、ラーメン、おでんなどを楽しむことができます。
中でも待春軒でいただける「三溪そば」は三溪園の創設者である原三溪が考案した汁なし麺で、こちらの名物になっているそうです。
三溪園は公共の交通機関なら横浜駅・桜木町駅・元町中華街駅・根岸駅からバスが出ています。また駐車場も併設されていますので車での来園も可能。
都心からもアクセスがよく、四季折々の日本の美しさを実感できるスポットとしておすすめです。
入場料は大人ひとりワンコインの500円。
お得な回数券や年間パスポートもありますので、季節ごとに訪れてみるのもいいかもしれません。
開園時間は9時〜17時(入場は16時半まで)です。
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(2024/4/20更新)
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