ロマンティック街道終着の町「フュッセン」で立ち寄りたい名所5選

ロマンティック街道終着の町「フュッセン」で立ち寄りたい名所5選

更新日:2017/06/28 15:43

浅井 みら野のプロフィール写真 浅井 みら野 総合旅行業務取扱管理者、全国通訳案内士(英語)、世界遺産検定2級、JSBA スノーボード バッジテスト 1級
ドイツ中央部から南部に続くロマンティック街道。おとぎ話に出てきそうな可愛らしい町ローテンブルクや、東京ディズニーランドのモデルになったノイシュヴァンシュタイン城を通る、日本でも人気の観光ルートです。全長約360kmにも及ぶ長い道のりですが、その街道の終着地をご存知でしょうか。オーストリアがすぐそこの町フュッセンは、まだまだ日本では知られてない、中世の雰囲気が色濃く残る魅力的な町なんですよ。

フュッセンってどんな町?

フュッセンってどんな町?

写真:浅井 みら野

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ロマンティック街道終着の町「フュッセン(Fussen)」が位置するのは、ドイツ南部の大都市ミュンヘンと同じバイエルン州。オーストリアとの国境に接しており、周辺は2000mを超える山脈アンマーガウアー アルペン(Ammergauer Alpen)や、フォルゲンゼー(Forggensee)など5つの湖が周りにある、自然が豊かな町です。

フュッセンからは、ドイツ観光で人気のノイシュヴァンシュタイン城行きのバスも出ており、約10分で到着するほどの近さ。ノイシュヴァンシュタイン城や、その近くにあるホーヘンシュヴァンガウ城を観光する際の拠点にもなります。

フュッセンってどんな町?

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ついついノイシュヴァンシュタイン城が近くにあるため、通り過ぎてしまうのがフュッセンの悲しい運命…。しかしこの町も既に5世紀にはローマ人が住み始めていた歴史があり、そのため古くて美しい建物も多く残っています。今回はフュッセンを訪れた際に立ち寄りたい、おすすめスポット5選をご紹介します。

1つめは、フュッセン東部にある“フランチスカーナー修道院(Franziskanerkloster)”です。すぐ近くにはレヒ川(Lech)が流れ、レヒ川にかかる橋からは、かわいい赤い三角帽子の屋根がよく見えます。

フュッセンってどんな町?

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併設しているフランチスカーナー教会も、ドーンとした堂々な佇まいからは威厳が感じられ、内部を見学したい好奇心に駆られますが、今回の主役は修道院の方。修道院のゲートには“ロマンチック街道の終着地(Ende der romantischen Strasse)”の文字があります。文字の左側にある3つの脚はフュッセン、右側の旗はヴュルツブルグと、ロマンチック街道の終着と起点の町の紋章が描かれています。長い長い街道も、ここで終わり。この町でしか見られない場面ですね。

立派な外観とは裏腹にいたずら心が感じられる中庭エリア

立派な外観とは裏腹にいたずら心が感じられる中庭エリア

写真:浅井 みら野

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2つめの見どころは、町のシンボルにもなっている“ホーエス シュロス(Hohes Schloss)”。旧市街の丘の上に君臨し、常に町を見守り続けてきたお城です。15世紀終わりに建設されたゴシック様式のお城は、強靭な壁が四方を巡り、奥には中庭エリアがあり、ここまでは無料で見学ができます。

現在も城郭からは、外からの敵を寄せ付けない高い防御力が感じられますが、それは今も城内にある宝物を守っているからなのかもしれません。現在、城内では2つのギャラリーがオープンしており、バイエルン州とフュッセンが保有する貴重な絵画を鑑賞することができます。

立派な外観とは裏腹にいたずら心が感じられる中庭エリア

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中庭エリアに入ると、思わず目をこすって確かめたくなるのが四方を巡る壁。壁から飛び出した出窓が均等に設けられているように見えますが、これは全てだまし絵。侵入者の目を惑わすためだったり、流行りのデザインだったりと諸説ありますが、今では訪れた人たちがシャッターを押したくなるユニークな場所として人気です。ぜひ訪れた際は、このだまし絵の壁を360度見渡しながら、独特な造形の世界を体感してみてはいかがでしょうか。

立派な外観とは裏腹にいたずら心が感じられる中庭エリア

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時間がある際は、ホーエス シュロスに隣接している公園(Baumgarten)で、のんびりされるのもおすすめです。すぐ目の前には川が流れ、緑豊かな雰囲気は住民も訪れる憩いの場所なんですよ。

町一番の賑わいを見せる目抜き通りを散策

町一番の賑わいを見せる目抜き通りを散策

写真:浅井 みら野

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3つめのおすすめスポットは旧市街を通る大通り“ライヒェン通り(Reichen Strasse)”です。黄色やピンク、それに水色など淡い色に染まった町並みは、まるでおとぎ話に登場しそうなほど可愛らしい雰囲気を楽しめます。

町一番の賑わいを見せる目抜き通りを散策

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通りは歩行者天国なので、安心して歩けるのも嬉しいですよね。道の両側にはお土産屋さんや雑貨屋さん、それにセレクトショップなどが並び、観光客だけでなく地元の人もショッピングを楽しむ場所です。

レストランも数軒ありますので、オープンエアの開放感を存分に堪能しましょう。町歩きで少し疲れた際に休憩するのにぴったりなカフェもありますよ。

町一番の賑わいを見せる目抜き通りを散策

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出窓のだまし絵に圧倒されたホーエス シュロスと同じように、このライヒェン通りに立ち並ぶ建物の壁もかなり派手な装飾。特に町の薬局(Stadt Apotheke)は、壁前面に柱のだまし絵が描かれていて、本物の窓が地味に感じられるほど。店内にはハーブが入ったハンドクリームなどコスメグッズなども販売しているので、覗いてみるのも楽しいですよ。

清涼な空間で過ごす、至極のひととき

清涼な空間で過ごす、至極のひととき

写真:浅井 みら野

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こちらまで迫ってきそうなほど迫力ある装飾を見られるのが、4つめのおすすめスポット。旧市街にある“精霊シュピタール教会(Heilig-Geist-Spitalkirche)”は、フュッセンにある他の教会に比べると、小さめな教会です。しかし、一歩足を踏み入れてみると、建物との距離が近いため、装飾の豪華さが間近で感じることができます。

清涼な空間で過ごす、至極のひととき

写真:浅井 みら野

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1733年の火災により、以前あった教会は焼失。その後、1749年に今の教会が完成します。透き通るほど純白な白壁に描かれた色鮮やかな天井画は、細部まで見続けたくなる美しさです。

清涼な空間で過ごす、至極のひととき

写真:浅井 みら野

輝く白さが目立つ教会内部に対して、精霊シュピタール教会の正面は渋いレンガ色のフレスコ画が目印。上部にキリスト教の三位一体、両側には水に関する聖人が描かれています。

時の権力と財力が集まった修道院で歴史を逆戻り

時の権力と財力が集まった修道院で歴史を逆戻り

写真:浅井 みら野

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かつてフュッセンの文化や経済の中心地として活躍した建物が、5つめのおすすめスポットです。精霊シュピタール教会の斜め前に建つ“聖マング修道院(Kloster St.Mang)”は、9世紀から1802年まで修道院として、町の繁栄を支えてきました。バロック様式が残る部分は18世紀に造られ、ヴェネツィアの影響を受けたデザインだと聞きます。

現在も豪華な装飾が残る大広間は、タウンホールとして活躍。フュッセンにまつわる博物館も入っていて、町の歴史を見るだけでなく、修道院が保有していた豪華な部屋や礼拝堂も見学できます。

有名になる前に訪れたい町

ロマンティック街道が終着する町フュッセン。起点となるヴュルツブルグや途中のローテンブルグ、それに一番人気のノイシュヴァンシュタイン城が有名で、訪れる機会がなかなか少ない町かもしれません。しかし、始まりがあれば終わりがあるように、フランチスカーナー教会に書かれた“ロマンチック街道の終着地”の文字を見ると、感慨深い気持ちになります。

鉄道も通っていて、ミュンヘンからは約2時間なので日帰りもできます。ぜひノイシュヴァンシュタイン城だけでなく、もう一歩奥に踏み込んで、中世の文化が色濃く残るフュッセンを訪れてみてはいかがでしょうか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/06/08−2017/06/09 訪問

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