裏燧林道の散策も!尾瀬ヶ原から足を延ばして名瀑「三条の滝」へ

裏燧林道の散策も!尾瀬ヶ原から足を延ばして名瀑「三条の滝」へ

更新日:2018/10/16 11:56

2009年に日光国立公園から独立新設された29番目の尾瀬国立公園は、福島・栃木・群馬・新潟の4県にまたがる自然の宝庫です。尾瀬は、高層湿原の尾瀬ケ原や尾瀬沼、日本百名山の燧ケ岳や至仏山など見所豊富ですが、今回ご紹介するのが、三条の滝。尾瀬ケ原を水源とする只見川の上流、尾瀬ケ原の北側に位置し、湿原の花々とは違った豪快な絶景が楽しめます。裏燧林道を通るコース、平滑ノ滝の魅力も含めてご紹介します。

三条の滝と平滑ノ滝

三条の滝と平滑ノ滝
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こちらの写真が、目的地となる三条の滝。高さ約100メートル、幅30メートルあり、水量が少ない時には、3筋に分かれて落ちることから、名付けられています。一番近くの展望台へ行くには、最後にくさり付きのハシゴを通りますが、10月下旬から5月下旬頃は、くさりが外され、通行できなくなるので注意してください。雪解け水が集まる6月頃が一番水量が多く、大迫力で豪快な姿を見られますが、滝壺など水流近くまでは近づけません。やや離れた展望台から真横に眺めるようになります。

アプローチは、尾瀬ケ原の見晴から、または福島県側の御池駐車場からになります。

三条の滝と平滑ノ滝
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三条の滝の上流にあるのが、平滑ノ滝です。三条の滝展望台から急坂を上り、約1時間弱で平滑ノ滝展望台に到着します。全長約300メートル、幅20〜80メートル、傾斜約25度で、三条の滝は豪快に流れ落ちる男性的な滝なのに対し、巨大な岩の上を滑り落ちるような女性的な滝です。尾瀬が原方面から向かうと、手前側の少し高くなった平滑ノ滝展望台から見下ろすようになります。

尾瀬ケ原の見晴から三条の滝へ

尾瀬ケ原の見晴から三条の滝へ
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尾瀬ケ原の東側にあり、どの入山口からも便利なのが、見晴地区です。見晴から尾瀬ケ原を一望すると、広大な湿原の風景の先に、写真では雲に隠れていますが、至仏山がそびえています。

尾瀬ケ原の見晴から三条の滝へ
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見晴には、宿泊できる山小屋が6軒とテントサイトがあり、多くの尾瀬ハイカーが宿泊に利用します。山小屋の建物越しには、東北最高峰の燧ケ岳がその姿をを現しています。

三条の滝方面に向かうには、見晴の山小屋を正面に見て、左側(方角は北)へ、温泉小屋・元湯山荘がある赤田代方面へ向かいます。三条の滝までは約3.6キロメートル、行きは下りで約1時間半、帰りは上りで2時間位の所要時間ですので、夕方出発は避け、時間に余裕をもって向かいましょう。

尾瀬ケ原の見晴から三条の滝へ
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赤田代にある2軒の山小屋、温泉小屋と元湯山荘。どちらも冷泉の沸かしですが、天然温泉に浸かれ、宿泊できます。

なだらかに下って、最後は急坂

なだらかに下って、最後は急坂
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温泉小屋の近くに、公衆トイレ、その隣に無料休憩所があり、ドリンク類や軽食を購入可能で、また大きな荷物を無料で預けることができます。

なだらかに下って、最後は急坂
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無料休憩所の先に分岐があり、右が段吉新道で、滝を経由せずに、御池方面へブナ林の中を進む道です。平滑ノ滝、三条の滝には、左へ進み、緩やかに下って行きます。分岐から三条の滝までは約1.5キロメートル。やがて木道が途切れ、岩場や平滑ノ滝展望台の手前には、急な階段もあります。

なだらかに下って、最後は急坂
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平滑ノ滝展望台を過ぎると、さらに道は厳しくなります。写真のように荒れた道や、急な下り坂もあります。御池駐車場方面への分岐点まで行くと、残りは約200メートルです。

絶景の展望台へのアクセスは、最後に鎖が付いたハシゴ

絶景の展望台へのアクセスは、最後に鎖が付いたハシゴ
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滝の轟が聞こえてきて、展望台に向かうと、手すり付きの細い木道を進みます。すると、木々の間から滝の姿が見えてきます。こちらは旧展望台です。

絶景の展望台へのアクセスは、最後に鎖が付いたハシゴ
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さらに先へ進み、写真の、くさり付きのハシゴを下って、広々とした三条の滝展望台に到着できます。

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到着する展望台からは、遮るものがなく、轟音や飛び散るしぶきを感じ、滝の全貌を間近に見ることができます。崖上から垂直に落下する迫力ある三条の滝の映像がこちらです。

福島県檜枝岐村の御池駐車場から三条の滝へ

福島県檜枝岐村の御池駐車場から三条の滝へ
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もう一つのルートは、福島県側の御池駐車場からスタートします。三条の滝まで約6.6キロメートル、約3時間弱。三条の滝から平滑ノ滝を経て、温泉小屋のある赤田代まで行って、段吉新道、裏燧林道を通り御池駐車場へ戻ると、約18キロメートル、7〜8時間のルートです。

出発後すぐに、燧ケ岳方面との分岐点があり、尾瀬ケ原(見晴)方面へ、真っ直ぐ裏燧林道を進みます。

福島県檜枝岐村の御池駐車場から三条の滝へ
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天気が良ければ、東北最高峰の燧ケ岳を左手に見ながら、整備された木道を進みます。御池田代、姫田代、上田代、横田代、天神田代という田代と名のついた湿原帯を数カ所通ります。大木が姿を消し、視界が開けて、池塘が点在し植物が多く顔を出しています。

なお、渋沢温泉小屋は、休業中で、天神田代から渋沢温泉小屋のルートは通行できなくなっています。

福島県檜枝岐村の御池駐車場から三条の滝へ
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沢を渡る裏燧橋の吊り橋を渡ります。橋の近くから、沢沿いに下りられる場所があります。しかし、注意書きで、「この沢は、雨が降って急に鉄砲水が出ますから充分注意してください。」とあり、大雨時、沢に近づくのは危険ですから注意しましょう。

吊橋を渡りしばらく行くと、兔田代の分岐点です。尾瀬ケ原(見晴)方面の段吉新道でなく、三条の滝方面へ向かいます。急な下り坂の道になり、三条の滝まで残り約1.2キロメートルです。帰り道は急な上りになりますので、ご注意を。

おわりに

尾瀬の絶景の中でも、尾瀬ケ原や尾瀬沼のイメージとは全く異なる2つの滝、三条の滝と平滑ノ滝。尾瀬ケ原や福島県檜枝岐村から足を延ばして、ぜひ訪れてみたい風景です。山小屋に宿泊して、余裕をもって散策してみましょう。お薦めのルートは、群馬県側の鳩待峠から、尾瀬ケ原を散策し、見晴で一泊、翌日三条の滝経由で、御池駐車場へ。その逆ルートも可能です。

燧ケ岳と尾瀬沼のトレッキング情報については、関連MEMOの別のLINEトラベルjp 旅行ガイド記事「福島県檜枝岐村から行く!東北最高峰・燧ケ岳と尾瀬沼トレッキング」をご参照してください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/10/01 訪問

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