古都・京都の歴史に守られた「送り火」おすすめ5選

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古都・京都の歴史に守られた「送り火」おすすめ5選

古都・京都の歴史に守られた「送り火」おすすめ5選

更新日:2017/07/05 14:58

島野 佳幸のプロフィール写真 島野 佳幸 京都写真家、フリーライター

「送り火」は、お盆の行事の一つで、お盆にお迎えした精霊を現世からふたたびあの世へと送り出す行事です。家の玄関先で行われるものから、行事として行われるものまで、日本の真夏の風物詩になっています。

京都では、地域、お寺などで様々な「送り火」の行事が行われていますが、古都を代表する5つの行事、花背松上げ、五山送り火、大覚寺嵯峨の送り火、化野念仏寺千灯供養、広河原松上げを日程順にご紹介します。

花背松上げ(8月15日)

花背松上げ(8月15日)

写真:島野 佳幸

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花背の松上げは、鞍馬寺から山道をずっと北に進んだ洛北の山村「花背」に伝わる送り火の祭で、毎年8月15日に行われます。400年以上前から受け継がれている愛宕信仰に基づく地域の伝統行事で、精霊送りと火災予防、五穀豊穣祈願の火の祭典です。「花背山村都市交流の森」の看板が立つ橋の袂の河原が、松上げ場所です。

20時半頃から河原一帯の約千本の松明が徐々に点火されます。

花背松上げ(8月15日)

写真:島野 佳幸

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21時頃から、千本の松明の中に聳え立つ大傘に向かって、火のついた松明が投げ込まれ始めます。縄につながれた火のついた松明が、ハンマー投げの要領で投げ込まれますが、高さが届かないものや、方向が定まらないものもあり、すぐには大傘のバスケットに入りません。はじめの一つが入ったときには大きな歓声と拍手が起こります。その後うまく入るたびに拍手が送られ、大傘が燃え盛るころは祭りの最高潮になる迫力満点の行事です。

目の前に千本の松明が広がる炎の祭は、投げ込みの開始から約30分ほどで真っ赤に燃え盛った大傘が引き倒されて、終了します。

花背松上げ(8月15日)

写真:島野 佳幸

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翌朝の朝もやの中、大傘が横たわっている姿を見ると、昨夜の炎の祭の余韻を感じることができます。

五山送り火(8月16日)

五山送り火(8月16日)

写真:島野 佳幸

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五山送り火は、数百年間ずっと受け継がれている京都を代表するお盆の精霊を送る行事で、毎年8月16日に行われます。

東山如意ヶ嶽の「大文字」、松ヶ崎西山・東山の「妙・法」、西賀茂船山の「船形」、金閣寺付近大北山の「左大文字」、嵯峨野曼荼羅山の「鳥居形」が相前後して点火され、京都の夏を彩る風物詩です。20時にまず如意ケ嶽の「大文字」(右大文字)が点火され、20時5分:妙法、20時10分:船形、20時15分:左大文字、20時20分:鳥居形の順番で点火されます。東山「大文字」は、のんびり見るなら鴨川の河原から、火の勢いを感じるなら吉田山の山頂から見るのがおすすめです。

上の写真は、吉田山の山頂から撮影した写真です。山頂の展望台の真正面に「大文字」が見えます。

五山送り火(8月16日)

写真:島野 佳幸

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西賀茂船山の「船形」は、賀茂川の上賀茂神社近くの御園橋あたりの河原から見るのがおすすめです、河原が広いので、人が多くてもゆっくり見学ができます。

上の写真は、賀茂川の御園橋の少し北の川岸(東側)から撮影した写真です。目の前に船形が浮かんで見えます。

五山送り火(8月16日)

写真:島野 佳幸

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嵯峨野曼荼羅山の「鳥居形」は、広沢の池端からと渡月橋の近くの河原から見るのがおすすめです。どちらも灯篭流しを行っています。

上の写真は、広沢の池の東端から、池越しに池に浮かぶ灯篭を見ながら撮影した写真です。

大覚寺嵯峨の送り火(8月20日)

大覚寺嵯峨の送り火(8月20日)

写真:島野 佳幸

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大覚寺は、弘法大師空海を宗祖とする真言宗大覚寺派の本山。京都嵯峨野の北端に位置する、広大な敷地を持つお寺です。毎年8月20日の夜には、「宵弘法」(嵯峨の送り火)がしめやかに執り行われます。「宵弘法」は、開祖弘法大師空海の命日の前日、ご先祖の菩提と家族の健康を祈願して行われる法会です。

夕方18時頃から、境内ではコンサートも開かれて、お護摩焚きの行事が始まります。「送り火」の行われる大沢の池では、徐々にせまる日暮れとともに、池に浮かんだ灯篭の火が輝き始めます。夕焼けが池面に反射して、色とりどりの灯篭が織りなず風景は幻想的です。

大覚寺嵯峨の送り火(8月20日)

写真:島野 佳幸

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日暮れと共に、大覚寺の僧侶の方々が大沢の池に設えられた祭壇の前に座られて、大太鼓の連打と共に般若心経の読経が始まります。池の周囲からも見学者がお経を唱和する声が聞こえてきます。厳かな雰囲気に包まれる瞬間です。

大覚寺嵯峨の送り火(8月20日)

写真:島野 佳幸

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読経の最中に護摩符を積んだ舟が大沢の池に漕ぎ出して、池の中に組み上げられた祭壇の大きな松明への点火が始まります。炎はあっという間に燃え盛ります。燃え上がる炎が、夏の終わりを告げるように池の周りを明るく照らし出します。パチパチと組み上げられた松明の燃える音も聞こえるほど、近くで見ることができます。

化野念仏寺千灯供養(8月23日、24日)

化野念仏寺千灯供養(8月23日、24日)

写真:島野 佳幸

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京都嵯峨野化野(あだしの)念仏寺の千灯供養が毎年8月23日、24日に行われています。念仏寺境内の西院の河原にまつられている数千体の無縁仏にろうそくを灯し、供養する宗教行事です。

嵯峨鳥居本化野は、東の鳥部野、北の連台野、と共に西の化野(あだしの)として京都の風葬の地であったと云われています。五山送り火のひとつ「鳥居形」はこの付近の曼茶羅山の斜面に灯されます。嵯峨鳥居本は昔の町並みが残り、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。町並みの中ほどに化野念仏寺があります。

化野念仏寺千灯供養(8月23日、24日)

写真:島野 佳幸

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数千体のろうそくの炎がゆらゆらと揺れる様は、神秘的です。

広河原松上げ(8月24日)

広河原松上げ(8月24日)

写真:島野 佳幸

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毎年8月24日夜に行われる広河原の松上げは、洛北の山村に伝わる古い行事で、「花背の松上げ」同様、400年以上前から受け継がれている愛宕信仰に基づく地域の伝統行事の火の祭典です。

京都市左京区広河原は、京阪本線終点の出町柳から京都バスに乗って約2時間ほどの場所にあります。京都市内を抜けて、山間部に入り、鞍馬、花背を通り過ぎて行きます。

「松場」と呼ばれる広場に差し込んだ「地松」と呼ばれる約千本の松明に点火した後で、高さ約20メートル の「燈籠木」と呼ばれる大傘へ、「放り上げ松」と呼ばれる松明を投げ上げ、火をつける幻想的で勇壮なお祭りです。

広河原松上げ(8月24日)

写真:島野 佳幸

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漆黒の闇の中、火の灯された「地松」が引き倒されて、お祭りが終わります。

広河原松上げ(8月24日)

写真:島野 佳幸

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松上げが終わると、「松場」に近い会所では、地元の女性たちが、木製の床上に下駄でリズムを取りながら「やっさ踊り」(京都無形文化財)を踊ります。広河原に残るヤッサ踊・ヤッサコサイは、古い盆踊りの形態を今に伝える貴重な文化遺産です。「松上げ」を終えた男たちも加わり、老いも若きも男女が一緒になってヤッサコサイを踊ります。

京都の真夏の夜の行事

京都の夏の夜には、様々な行事が行われています。

(1)貴船神社七夕笹飾りライトアップ
7月1日から8月15日の間、貴船神社では、願いごとが書かれた短冊が結ばれた笹飾りが飾られ、ライトアップも催されていて、境内が神秘的に照らされます。

(2)市内各所で行われる「京の七夕」
8月上旬に、全国からさまざまな願いを募り、竹と光の演出などによる京都ならではの現代版七夕が開催されています。友禅流し、舞妓茶屋、夜店、コンサート、午後7時からのライトアップ、など、様々な催しが市内各会場で行われています。
堀川会場(御池通〜一条戻橋付近)周辺、鴨川会場(仏光寺通〜御池通)周辺、二条城会場、梅小路公園会場、北野天満宮・北野紙屋川会場、岡崎会場です。

(3)醍醐山万灯供養会(醍醐寺)
毎年8月5日に「醍醐寺万灯会」が営まれます。多くの置き灯篭や提灯が参道を照らす中 で「精霊供養法要」や「お施餓鬼(せがき)供養が執り行なわれます。

(4)伏見万灯流し
8月上旬の土曜日に、寺田屋浜に幾つもの灯篭が並べられ、祝詞と共に濠川・宇治川派流に流されます。

(5)松ヶ崎題目踊
毎年8月15日、16日に、大文字五山送り火「妙」「法」の送り火の山のふもとで行われている行事で、日本最古の盆踊りといわれています。

(6)「雲ヶ畑松上げ」
雲ヶ畑松上げは、8月24日に、雲ヶ畑出谷町と中畑町の2か所で行われ、花背や広河原の松上げの形態とは異なり、約4メートル四方の櫓を組んで松明を文字の形に取付け点火するものです。

夏休み、京都の真夏の夜を、古都の夜を彩る「夜の行事」や、しめやかな「送り火」行事で過ごしてみませんか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2010/08/16−2016/08/24 訪問

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