東京には365日落語や寄席芸を楽しめる場所が四か所あります。新宿末広亭、池袋演芸場、浅草演芸ホール・・・そしてここ上野広小路にある「鈴本演芸場」です!大通りに面していて寄席の入り口に立てられたトリを飾る落語家の幟が目印です。鈴本演芸場の歴史は東京の寄席の中でもかなり古く、幕末の頃に上野広小路に造られた「軍談席本牧亭」が始まりと言われています。
寄席では落語だけでなく漫才や曲芸、マジック、紙切りなどバラエティ豊かな色物も楽しむことができます。午前12時30分から午後4時30分まで行われる昼の部と午後5時30分から午後8時40分までの夜の部があり、途中からの入場も可能です。料金は全席自由席で一般2800円、学生2500円、小人1500円です。会場では飲食持ち込み自由で、中に売店もあるのでビールを飲んだりお菓子を食べたりしながら落語を楽しめます。出演者は入り口の看板で見ることができます。
「鈴本演芸場」からすぐ近くにある「お江戸上野広小路亭」は、中央通りと春日通りの交差点の角にあります。会場は他の四大寄席と比べるとこじんまりしていますが、四大寄席には出演しない立川流の落語家さんや講談・浪曲・義太夫だけの席など、「通」好みの演芸を楽しむことができます。料金は公演内容によりますが、大体1500円から2000円くらいです。
上野駅から地下鉄銀座線田原町駅の方面に20分くらい歩くと、長瀧山本法寺という日蓮宗のお寺に着きます。壁に落語家や演芸関係者の名前が赤文字で彫られていることからもわかるように、ここは落語と非常に縁の深いお寺なのです。
戦争真っ只中の日本では人々の贅沢や娯楽が次々と制限されていきました。当時絶大な人気を誇っていた落語もその波から逃れることはできませんでした。昭和15年(1940)には時局にふさわしくない遊郭の噺や酒の噺などが自主規制という形で「禁演落語」と制定されました。そして翌年、禁演落語とされた「明烏」や「品川心中」といった名作の台本が扇子、先輩落語家の霊とともに本法寺に祀られ、この「はなし塚」が建立されたのです。
戦後、「禁演落語復活祭」がこのはなし塚の前で行われて、それまで禁演に指定されていた落語が復活されました。
台東区の根岸にある「ねぎし三平堂」には昭和の爆笑王・初代林家三平のコレクションが展示されています。三平師匠が実際に使っていた台本やネタ帳も保存されていて、当時のテレビ界を知る上でも貴重な資料です!
午前11時から午後5時まで開いていて入館料は600円です。開館日は土曜日・水曜日・日曜日と週に3日なのですが、これは林家三平の口癖「ドー(土)もスイ(水)ません」からきているそうです。さらに毎月第三土曜日には中に設けられた高座で落語会が開かれます。木戸銭が1000円と格安なので気軽に楽しむことができます。
寺町として有名な台東区谷中の三崎坂沿いに全生庵という寺院があります。ここでは幕末から明治にかけて活躍した落語家の三遊亭圓朝が眠っています。圓朝は幽霊画のコレクターとしても有名で、毎年8月には「幽霊画展」が開かれ、500円で肝まで冷える幽霊画を拝観することができます。
本堂の裏手に三遊亭圓朝の墓があります。圓朝は「真景累が淵」や「怪談牡丹灯籠」「怪談乳房榎」などの怪談噺、「死神」や「名人長二」などの海外作品を落語にアレンジした翻案物など、現代でも演じられる噺を数多く生み出していて「江戸落語の完成者」とも「近代落語の祖」とも呼ばれています。
三遊亭圓朝に因んで全生庵では毎年8月に「圓朝まつり」が開催され、本堂に三遊亭の落語家を招く「圓朝寄席」が行われます。
台東区上野周辺には鈴本演芸場をはじめとして落語を楽しめるスポットが数多くあります!さらに本法寺の「はなし塚」や三遊亭圓朝の墓がある「全生庵」など、落語の歴史や文化についても学ぶことができます。最近は落語ブームの影響もあって寄席でも若いお客さんが多く見受けられます。初めてだと少し敷居が高いかも・・・と思ってしまうかもしれませんが、365日いつでも気軽に落語が楽しめる場所が寄席なので、あなたも是非上野で「落語デビュー」してみてはいかがでしょうか。
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