写真:沢木 慎太郎
地図を見る「ワット・パークナム」はタイの首都、バンコクにある寺院です。正式名称は「ワット・パークナム・パシーチャルン」(Wat Paknam Phasicharoen)。ブッダの生涯を描いた天井画(仏伝図)と、エメラルドの仏塔が美しく、SNS・Instagramで注目。フォトジェニックなスポットとして最近、女子旅にとても人気のあるタイの寺院です。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るタイ・バンコクへの観光旅行で、外国人観光客に人気の寺院といえば、「王宮&ワット・プラケオ(エメラルド寺院)」「ワット・ポー(涅槃仏寺院)」「ワット・アルン(暁の寺)」の三大寺院。
これに対して、「ワット・パークナム」はローカル色が強く、参拝に訪れるのはほとんどタイ人。しかし、タイ観光大使に就任した乃木坂46が巡ったことで話題にあがり、フォトジェニックな場所として日本人にも知られるようになりました。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る「ワット・パークナム」は、バンコクの中心部から離れた場所にあります。最寄り駅は、BTS(スカイトレイン)シーロム線のウタカート(Wuttakat)駅、またはタラートプルー駅(Talat Phulu)。それぞれの駅から徒歩で20分ほど。細い運河が多く、道は入り組んでいますが、スマホのグーグルの地図(Google マップ)を見ながら行けばよいでしょう。暑い時期には女性にはつらく、最寄り駅からメータータクシーを使って向かうのがおすすめです。
また、バンコク三大寺院から比較的に近く、渋滞がなければタクシーで約20分(料金は約100バーツ)の距離。観光ツアーでなく、個人でも簡単に行くことができます。バンコク三大寺院めぐりとあわせて、ワット・パークナムを参拝されてはいかがでしょうか?
※トゥクトゥクはボッタくりが多いので注意しましょう。タクシーに乗る時は、運転手さんにタイ語の寺院名を見せることをおすすめします。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るワット・パークナムは、バンコクの観光スポットとして日本のガイドブックに紹介されていますが、地元のタイ人にとって大切な祈りの場所です。肌の露出を控えた服装で訪れ、“神聖な場所に行く”という気持ちを持たれた方が良いでしょう。また、女性の方は僧侶との距離を保つようにしましょう。僧侶が女性に触れると、それまでの修行が台無しになってしまうからです。
※参拝の服装やマナー、参拝時間、住所、拝観料金、行き方・アクセスなどは、本文の最後に記した「ワット・パークナムの基本情報」をご覧ください。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るワット・パークナムは、“河口にあるお寺”という意味で、アユタヤ王朝の中期(1488年〜1629年)に建てられました。現王朝(チャクリー王朝)のタイ王室寺院に指定されたこともある寺院です。
寺院の敷地は広く、本堂など20以上の建物が並びます。このうちエメラルド色の仏塔と天井画があるのは、写真の「白亜の大仏塔」(マハーラチャモンコン)。高さは80メートルで、「ワット・アルン」(暁の寺)よりも高く、塔の先端には100キログラムの黄金で作られた宝珠が供えられています。
大仏塔の完成は2012年と新しく、故プミポン国王(ラーマ9世)と、シリキット王太后の生誕72年をお祝いするために建てられました。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る大仏塔はすべて大理石で作られ、土足厳禁。袋に靴を入れて参拝します。2階は、1956年に亡くなった住職のルアン・ポーソット高僧の金製仏像が安置され、宗教儀式や瞑想などの集会所として使われています。ポーソット高僧は、タイで新しい瞑想を生み出した師でもあり、多くのタイ人が瞑想の修行のためにワット・パークナム寺院を参拝。白装束(しろしょうぞく)に身を包んだタイ人女性の姿を多く見かけます。また、本堂では、ポーソット師をかたどったお守りもあり、タイ土産にもおすすめです。
大仏塔の3階は、仏像を展示。最上階(5階)にあるのが、エメラルド色の仏塔と天井画(仏伝図)です。
5階のフロアでは、エメラルド色の仏塔が中央にそびえ、天井には無数の星や瞑想するブッダの姿が描かれています。吸い込まれそうになるくらいに美しく、音もなく無限に広がりゆく宇宙が感じられる天井画です。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る「ワット・パークナム」の見どころや観光のポイントをご紹介しましょう。まずは、エメラルド色の仏塔(仏舎利奉安塔)。仏塔の高さは8メートル。実は、厚さ1センチのガラス800枚を精巧に積みあげて作られ、まるで天井画の一部のように見えます。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るエメラルド色の仏塔の先端には、黄金に輝く仏像が安置されています。参拝に訪れたタイ人たちは、お経を唱えながら仏塔のまわりを右回りに3周歩いてお参りしています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るエメラルド仏塔の土台には、80頭の「パヤー ナーク」(竜王)がずらり。こちらも薄いガラスを積みあげて作られ、まるで氷のように透き通っています。仏塔を作るうえで「8」という数字が並ぶのは、仏教の開祖である釈迦(ブッダ)が80歳で入滅(涅槃)したからです。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るエメラルド仏塔の土台には薄いガラスで作られた蓮の花があり、エメラルド色の静かな光を放っています。蓮の花は、極楽へと生まれ変わる人の心を表しています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る天井画(仏伝図)には、ブッダの生涯を表した「二十八仏」が描かれ、ブッダが悟りを得た菩提樹も見えます。ブッダの瞑想を妨げようとする煩悩の悪魔「マーラ」も描かれています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る壁面には、天人(てんにん)も描かれています。淡雪ほどに儚い生の時間。誰も死から逃れることができないと諭し、音楽を奏で、天華を降らし、虚空を飛び回ります。
天人は、あらゆる迷いを捨てきってはいませんが、苦しみが少なく、歓びの多い境地にあるため、自由に空を飛んだり、音楽を奏でたりすることができます。壁面に描かれた天人は、すべて異なっています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る天井の中心には、仏教の教えとなる「法輪」(ほうりん)のような模様が描かれています。人は迷い、苦しみながら生きていく存在。その迷いや悪を追い払うのを、古代インドの戦車のような武器(輪)にたとえたのが法輪です。
強力な武器で邪悪なものを破壊し、仏の教えがあらゆる人々に行き渡るよう、車輪のように回り続けることを表しています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る万物の創造主である「神」に対し、「仏」というのは、“悟った人”のこと。何を悟るのかというと、大宇宙の真理です。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る平安時代の歌人、西行は放浪の旅の果てに「桜の下で死にたい」という和歌を詠み、ブッダの命日と同じ日に入滅することを願いました。
ブッダも西行も家族や自分の生き方、若いころに恋や人生に悩み、生きることに苦しみ、家族を捨て出家。エリートコースから道を外れて独り、放浪の旅を続けました。より深く孤独と救いを見つめ、涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)の姿を求めます。
生命は宇宙からやって来て、宇宙へと帰っていきます。いのちは星のかけら。タイの旅で、ワット・パークナムの天井画を見あげ、タイならではの仏教の世界観を感じ、静かに祈りをささげ、身も心も休めてみてはいかがでしょうか?
正式名称:Wat Paknam Phasi Charoen
住所:300 Ratchamongkhon Prasat Alley, Khwaeng Pak Khlong Phasi Charoen, Khet Phasi Charoen, Krung Thep Maha Nakhon 10160 タイ
電話番号:+66-2-467-0811
アクセス: BTSシーロム線(Silom Line)のウタカート駅またはウタカート駅が最寄り駅。ワット・パークナムまでの行き方は徒歩で約20分、タクシーで約5分
拝観時間:8時〜18時(無休)
拝観料:無料
注意事項(服装・マナー):天井壁画がある白い大仏塔内や本堂では土足は厳禁。ワットプラケオのように服装チェックはありませんが、ノースリーブやショートパンツなど露出度の高い服装を避けましょう。帽子やサングラスも外した方が良いです。金の支柱には触らないことや、エメラルド色の仏塔にコインを投げ入れないこと。ワット・パークナムは観光スポットではなく、タイ人にとって祈りの場所。参拝者のお祈りを妨げないよう、静かに参拝しましょう。
2018年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/1/22更新)
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