写真:乾口 達司
地図を見る「六道まいり(ろくどうまいり)」とは、お盆の時期に帰って来るとされる先祖の霊や精霊たちをお迎えする行事。「お精霊さん迎え(おしょうらいさんむかえ)」とも呼ばれており、毎年8月7日から10日にかけてとりおこなわれます。
「六道まいり」の舞台となるのは、東山区六波羅地区に点在する複数の寺院。その代表的な寺院である六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)の門前には、六道まいりの期間中、ご覧のような横断幕も貼られています。「六道まいり」を拝観・体験するには、まず六道珍皇寺を目指しましょう。
写真:乾口 達司
地図を見る六波羅地区から東側一帯はかつて「鳥辺山(とりべの)」と呼ばれる一大葬送地でした。「六波羅」の名前自体がそもそも「髑髏原(どくろはら)」がなまったものであるとのこと。
実際、写真のように、あの世とこの世との境界を示す「六道之辻」の石標も建てられており、鳥辺山に葬られた精霊たちは六波羅地区を通ってこの世に戻って来るとされています。六波羅地区で六道まいりがおこなわれるのには、こういう背景があったわけですね。
写真:乾口 達司
地図を見るでは、六道まいりのしきたりをお教えしましょう。今回、おもに紹介するのは六道珍皇寺の六道まいりですが、そのやり方は他の寺院でも変わりません。
まずは高野槇を求めましょう。古来、精霊は槇の葉に乗ってあの世から戻って来るとされており、その意味でも高野槇は六道まいりに欠かせないアイテム。高野槇は六道珍皇寺の参道両側に並ぶ花屋で販売されています。
写真:乾口 達司
地図を見る高野槇を求めた後は本堂に向かいましょう。本堂前にはお寺の関係者が多数控えており、ここで「水塔婆(みずとうば)」に先祖の戒名などを書いてもらいます。
写真:乾口 達司
地図を見る水塔婆をいただいた後は、写真のように「迎え鐘」をつきます。「迎え鐘」は、その名のとおり、精霊たちを迎える合図となる鐘。鐘楼から出ている紐を引くと鐘が鳴る仕組みとなっています。
写真:乾口 達司
地図を見る迎え鐘をついた後は水塔婆を線香で浄めます。線香の煙のなかを泳ぐように動かすのがコツです。
写真:乾口 達司
地図を見るその後、線香台の裏手にあるお地蔵さまの前で水回向をおこないます。水回向とは、塔婆を水で浄めること。ご覧のように、水に濡らした高野槙で水塔婆を綺麗に浄めます。これで六道まいりはおしまいです。
写真:乾口 達司
地図を見るせっかくですから、六道珍皇寺以外のお寺の六道まいりも拝観しましょう。写真は六道の辻のかたわらに位置する西福寺の迎え鐘。西福寺では、六道まいりの期間中、さまざまな寺宝も特別に公開されています。
なかでも、亡くなった壇林皇后が腐敗し、白骨化していく過程を9つの絵によって表した『壇林皇后九想図』(九相図)は必見。六道まいりにふさわしい絵画に衝撃を受ける方も多いのではないでしょうか。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらは空也上人像や国宝・十一面観音菩薩立像などを安置する寺院として知られる六波羅蜜寺の六道まいり。それぞれの興味関心に従って、六道まいりをとりおこなう寺院を選んでみるのも一計ですよ。
写真:乾口 達司
地図を見る六道まいりで六波羅地区を訪れた際は、是非、写真のお店をのぞいてみて下さい。写真のお店は上で紹介した西福寺の向かいに位置していますが、良く見ると「幽霊子育飴」という文字が目に入って来るではないですか!そう、こちらの「みなとや幽霊子育飴本舗」では、なんと「幽霊子育飴」なるものが販売されているのです。
写真:乾口 達司
地図を見る写真はその幽霊子育飴。その由来は、かつて幽霊がみなとやに飴を買いに来ていたというエピソードにちなんでいます。幽霊は墓のなかで生まれた我が子のために夜な夜な飴を買い求めていたのでした。いわゆる「飴買い幽霊」の話は全国各地に残されていますが、六道まいりの本場であるからこそ、当店の幽霊子育飴には生々しいほどのリアリティが感じられませんか?
<みなとや幽霊子育飴本舗の基本情報>
住所:京都市東山区松原通大和大路東入2丁目轆轤町80-1
電話番号:075-561-0321
アクセス:京阪本線「清水五条駅」より徒歩約10分
京都・六波羅地区の六道まいり、いかがでしたか?六道まいりのやり方について、もしもわからない点があれば、近くにいるお寺の関係者に訊ねてみましょう。親切に教えていただけますよ。京都のお盆を満喫するため、六波羅地区の六道まいりに足を運んでみてください。
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