クジラに逢える町、カツオのたたきで知られる高知県西部に位置する黒潮町は南海トラフ巨大地震の被害想定で日本一高い津波が来ると報道された事でも話題になった町。もしもの時は絶望的とまで言われるも、‟あきらめない”を合言葉に現在は訓練や避難経路など見事な対策を施しています。
そんな黒潮町伊田の海沿いにある「民宿たかはま」は、穏やかな空気の流れる漁師町の小さなお宿。お遍路さんが気軽に泊まれる事で知られ、海釣りが好きな人、サーファー、また足摺岬方面まで足を延ばす旅行の宿泊にピッタリです。
写真:旅人間
地図を見る正面玄関から上に続く階段をのぼると、共有施設のお風呂やトイレがあります。そして部屋は至ってシンプルですが、清潔感があって快適。どことなく学生時代の合宿を思い出させてくれる雰囲気も妙に心地よい。
そしてガラス戸の向こうにはベランダがあり、目の前には心躍る海景色が広がっています。
写真:旅人間
地図を見る部屋から見える美しい海岸は思わず散歩したくなる景色。外に出て民宿の脇から砂浜まで徒歩1分。少し歩くと小さな蟹がチョコチョコと走って逃げ隠れる姿が可愛らしい。
天気の良い夜は満点の星空、そしてザブーン、ザブーンと波の音が心地よく聞こえてきます。窓から見える海景色も素敵ですが、夜に部屋の灯を消した時、波の音は際立ち大きく聞こえ、深い眠りを誘ってくれ記憶に残る癒しを与えてくれます。
写真:旅人間
地図を見る食事は棟続きの「ふれあいレストランたかはま」に移動します。ここは近所の人々が憩いの場として集う喫茶店にもなっており、気が付けば地元の方々と会話が弾む事も多い。
街中のホテルでは考えられませんが、飾らない風情と言うか、人情味ある雰囲気は旅情を駆り立て、田舎の実家に帰省したような気分も味わえます。
写真:旅人間
地図を見るこの「民宿たかはま」の料理はボリュームも味も抜群。近所の港から水揚げされる魚の収穫によって、その日の料理は異なりますが、新鮮な魚介類を中心に大皿料理がドン!ドン!ドン!と運ばれてきます。写真は4人で利用した時の一例ですが、小皿に野菜や煮物があり、刺身、カツオのたたき、天婦羅、煮魚、そして他に鯛飯と言った感じです。
写真:旅人間
地図を見る刺身とカツオのたたきは大皿に一緒にやってくる豪快っぷり。伊田の定置網で捕れた旬な魚はイサキ(その日によって異なります)。見ているだけで弾けそうなほど鮮度抜群、そして少し甘みのある四万十川の伏流水を使用したと言う醤油にチョンとつけて食べると、プリッとした歯ごたえ、脂ののった旨みは感動的。
そして土佐佐賀のカツオのタタキはこの宿自慢の一品。自家製タレは甘みがあって優しく、カツオの旨みを限界まで引き出してくれ、一口でファンになるほど美味しい。玉ねぎ、シソと一緒に食べると箸が止りません。
写真:旅人間
地図を見る海老天を中心に野菜やかき揚げなど数種類の天ぷらの存在感もスゴイ!「思う存分食べて」と言わんばかりに、大皿に山のように盛られて、揚げ方もサクッとした触感で実に美味しい。
写真:旅人間
地図を見るこの宿に宿泊した翌朝の朝食は和食とパンが選べます。ここは和食と行きたいところですが、トーストを注文してみましょう。喫茶店も経営する「民宿たかはま」のモーニングは、あの有名な名古屋モーニングに負けないほど個性的なんですよ。
コーヒーに、トースト、ゆで卵、サラダ、そして味噌汁。「えっトーストに味噌汁?」とビックリですが、この地域のモーニングでは特に珍しいことではないそうです。味噌汁は貝のダシがしっかりして驚くほど美味しい。さすがは漁師町。
またトーストは下に砂糖が敷き詰められ、パンに砂糖を付けて食べるんだとか。この地域の日常的な食文化に触れるのも旅の醍醐味の一つと言えるでしょう。
写真:旅人間
地図を見るこの「民宿たかはま」から徒歩10分ほどの場所に港があり、タイミングが良ければ早朝に伊田の定置網のセリが見られます。興味のある方は宿の方にご確認ください。
尚、宿の料理はとても美味しいですが、内容は漁の収穫や季節、また宿泊プランによって異なります。もし色々食べたい場合は、予約時にリクエストしておきましょう。いずれにせよコストパフォーマンスは最高ですよ。
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この記事を書いたナビゲーター
旅人間
レンタカーでアメリカの国立公園を中心に3ヵ月ほど旅した時、ガイドブックにのっていない大自然の魅力に出会い、これらを紹介したいと感じたのがライターになったキッカケ。その後、シンガポールに長期滞在し、東南…
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