USJに向かう観光客の多くはJRゆめ咲線(西九条〜桜島)の「ユニバーサルシティ」駅を利用している。しかしUSJの玄関口はここだけじゃない。なんとUSJには港があるのだ。
それはホテルユニバーサルポートの足元にある「ユニバーサルシティポート」。港といっても横浜の大桟橋や神戸のポートターミナルのような立派なものを想像してはいけない。安治川に簡単な浮き桟橋がある。これがユニバーサルシティポート。
名前の割には、そして天下のUSJの表玄関にしてはなんともシンプルで、その簡素さにビックリする人も少なくないとか。浮き桟橋上にある乗船券売り場も、画像のように質素なプレハブ。ここから本当に船が出るの? 不安感がますます募ってくる人もいるかもしれないが、心配ご無用。建物の内部にはチケットカウンターも待合室もある。
それでは海遊館までのチケットを買ってみよう。
正式には「海遊館西はとば」行きである。片道700円、往復すれば1300円。「10分間の船旅でこれは高いんじゃないの〜!」などと思うことなかれ。まず、安治川で隔てられた大阪ベイエリアの両施設を陸上ルートで行ったとしたら、10分ではとてもたどり着けない。そして乗船券には特典も付いているのだ。海遊館の割引券200円分(大人のみ)と海遊館のある天保山・大観覧車の100円割引利用券が付いているじゃないか!これは船で海遊館に行くしかあるまい。
そんなおトクな乗船券を手に川を眺めていたら、海遊館西はとば行きの「キャプテンライン」がやってきた。この日は初便が午前9時45分発。(※繁忙期になるとダイヤも変更になるので、キャプテンラインのホームページで確認のこと)ホテルユニバーサルポートに宿泊していた人たちが、朝イチで海遊館に向かうのに利用するためか、乗船を待つ行列ができているぞ・・・。
ちなみにこれから乗る「キャプテン・シルバー号」は総トン数60トン。トン数で言われてもピンとこない人も多いだろうから、定員で表すと146人まで乗船可能。小さな船体に似合わず、かなりの人数を運べるのだ。
さあ、いよいよ乗船! その前に海遊館西はとばからの乗客を下船させないとね。
画像を見てお気づきだろうか?
キャプテンラインは乗下船のサポート、チケット販売、そして船の運航全て女性によって行われているのだ。彼女たちのキビキビした動きによって、浮き桟橋で待っていた大勢の人たちもスムーズに乗船できる。そして、女性キャプテンの元気な声で出発。桟橋では笑顔の女性クルーが手を振って見送ってくれる。女性クルーの見事な運航で、キャプテン・シルバーは安治川を下っていく。
キャプテン・シルバー1階にはイス席がある。でも、このように天候のいい日には2階のデッキに出ることをオススメしたい。安治川をまたいで阪神高速5号湾岸線を対岸に通す天保山大橋をくぐる瞬間、その迫力は2階デッキでより感じることができるから。ちなみにこの天保山大橋、大型船舶が航行するため、海面からの高さは45メートル、主塔の高さは152メートルもある。つまり日本有数の斜帳橋(主塔から斜めに張ったケーブルで橋げたを吊っている)で、保守点検などのため、主塔にエレベータが設置されているという点では世界的にも珍しい橋である。
天保山大橋をくぐり終えると、この地域の一大ランドマーク・大観覧車が迫ってくる。さらに、運がよければ天保山客船ターミナルに停泊しているクルーズ客船を間近に見ることができるかも!?
最近は日本船だけでなく外国の客船も日本各地に寄港するようになっているが、大阪の天保山客船ターミナルもその例外ではない。2014年も数多くのクルーズ客船が大阪に寄港する予定なので、その日に合わせてキャプテンラインを利用するのも面白い。ちなみに、画像左は「ル・ソレアル」というフランスの高級客船。右は「シルバー・シャドー」という米国客船で、五つ星を超える六つ星のレーティングを与えられた超高級客船。キャプテンラインもいいけど、いつかはこういう客船にも乗ってみたいもんだねえ。
やがてキャプテン・シルバーは左に舵を取り、海遊館西はとばに到着。目の前が海遊館という、絶好のロケーションだ。女性クルーに見送られた乗客は、ウキウキとした足取りで海遊館に向かっていった。そして海遊館西はとばで待っていた人たちを乗せて、再びユニバーサルシティポートへと船出していった。
最初は「10分間で700円!」と心の中で渋い表情を作っていた筆者も、その中身の濃い船旅にすっかり満足していた。
筆者が乗船したのは午前中の第1便だったが、夕方や日没後の便に乗ると、今度は海遊館や大観覧車のライトアップを船上から眺められ、日中とはずいぶんと雰囲気を違ったクルーズを満喫できるだろう。
キャプテンラインはUSJと海遊館という2大スポットを結ぶ単なる渡し船ではない。大阪ベイエリアの魅力をコンパクトに体験できる、実は魅力たっぷりのミニ・クルーズ船なのである。USJや海遊館に入場しない人も、元気な女性たちが運航するキャプテンラインに乗ってみることをオススメ。きっと、いいベイエリア土産になるはずだから。
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