写真:吉川 なお
地図を見る「品茶集」の最寄り駅は台北市のMRT松江南京駅。そこから歩いて約10分ほど、住宅街の右手に見えてくる小さな白い看板が目印です。少し奥まったシンプルな店は気をつけていないと通り過ぎてしまうほど、周りの住宅に溶け込んでさりげなくたたずんでいます。
写真:吉川 なお
地図を見る店内は奥行きがあり、とても落ち着いた雰囲気。茶芸館とは全く違ったスタイリッシュな内装で、天井はコンクリート打ちっぱなし、壁にはモダンアートの絵が飾られています。
木の温もりを感じるテーブルは6卓。全てにコンセントがついています。
写真:吉川 なお
地図を見るテーブル席以外にソファ席が1卓、その横には畳の部屋もあります。靴を脱いでくつろげる和のスペースはまるで我が家のよう。和洋がマッチした店内はインテリアひとつにも存在感があり、センスのよさを感じさせます。
外からの光と間接照明が居心地の良さを演出し、好みの席でゆったりと過ごせます。
写真:吉川 なお
地図を見る「品茶集」のオーナーは2児の母のケリーさん。祖父が茶葉の輸出を手掛け、母親が茶道の師匠という環境で育った彼女は、自身のオーストラリアでの生活経験をきっかけに「もっと外国人や台湾の若い世代にお茶を身近に感じてもらいたい」と一念発起。その集大成として誕生したのが、2014年12月にオープンしたこの伊通店です。
店のコンセプトは『Tea,Good Life,Give&Share(お茶・豊かな生活・与え分かち合う)』。日常生活の中でお茶が媒体となって潤いと安らぎが生まれ、それが活力となるようにとの思いが込められています。
写真:吉川 なお
地図を見る2017年7月には台湾の大手書籍チェーン誠品書店の誘致を受け、MRT中山駅地下街にオープンした「誠品R76」に2号店を出店。ドリンクスタンド形式、6種類の台湾茶が一度に飲み比べられる利き茶セットという新しい試みに挑戦し、こちらも好評です。
今後、香港やオーストラリアへの茶葉の輸出に力を入れる計画で、「品茶集」ブランドが世界デビューする日も間近です。
写真:吉川 なお
地図を見る店で使用されている茶葉は全てケリーさんが直接茶農家を訪問して厳選したもの。茶農園から直送される良質で安全な茶葉は、30年以上のキャリアを持つ鑑定家によって品質チェックされています。
台湾茶は熱茶、冷茶ともに、烏龍茶が5種類(四季春烏龍:200元、阿里山金萱茶:200元、阿里山高山茶:220元、東方美人:220元、鹿野紅烏龍:200元)、緑茶が1種類(三峽碧螺春:200元)、紅茶が2種類(阿里山小葉紅茶:220元、日月潭紅茶紅玉:220元)、この他にお店の推薦茶があります。
1人1オーダー制で、日本語メニューにはそれぞれのお茶の味の特徴が書かれているのでそれを参考にされるか、スタッフに好みの味や身体の状況を伝えればお薦めのお茶をアドバイスしてもらえます。
写真:吉川 なお
地図を見る「品茶集」のお茶の淹れ方は、茶芸館でよく見る工夫茶という茶具をたくさん使う作法ではなく、茶壷(チャフウ)という急須と茶海(チャーハイ)というピッチャーと茶杯(チャーペイ)のみのカジュアル作法。茶器は熱茶は白、冷茶は黒で統一され、世界の数々のデザイン賞を受賞している刻印入りのオリジナル品です。
写真:吉川 なお
地図を見るお茶の味は渋み(カテキン)旨味(テアニン)苦味(カフェイン)の3つの成分で決まり、茶葉それぞれの風味と香りを引き出すにはその特性を知ることが重要です。せっかくいい茶葉であっても「茶葉の量」「お湯の量」「お湯の温度」「蒸らし時間」のどれかが不充分だとおいしく味わうことができません。
1杯目は熟練スタッフが手際よく淹れてくれます。茶壺の中の茶葉の香りをかいだ後、熱茶は茶壺の8分目、冷茶は半分だけお湯を注ぎます。冷茶の茶海には氷が入っており、溶けるとちょうどよい濃さに。茶葉の量と氷の量、溶け具合と濃度、全てが計算されたプロの技です。
写真:吉川 なお
地図を見る2杯目からはテーブルの日本語の説明も参考にしながら、自分でお湯を注ぎます。そこで登場するのが独自開発された携帯アプリです。
「品茶集計時器(Pinchajii Tea Timer )」をダウンロードすると、それぞれの茶葉の蒸らし時間が即座に画面に現れるという優れもので、茶壺にお湯を入れたらすぐ表示時間の横をタッチ。するとストップウォッチが動き出し、あとどのくらい待てばいいのか表示されます。スマホが手元にない時はお店が貸してくれます。
1杯目が終わると、同じように2、3、4杯目までの最適時間が表示されます。4杯飲んでも「品茶集」のお茶は風味がかなり持続するのでまだまだ飲むことができます。
このアイデアのすごいところは、一度ダウンロードすると帰国後も使える点。自宅や職場でお茶を飲む時もこれを利用すれば、店で飲んだ味が簡単に再現できちゃいます♪
写真:吉川 なお
地図を見るお茶と一緒につまみたいお茶請けは、7種類の中から4種類選べる盛り合わせがお薦め。台湾名産のミルクヌガー、ピーナッツヌガー、黒ごまヌガー、パイナップルケーキと伝統餅菓子、オーナーの友人手作りのレモンタルト、紅茶クッキーがあり、サービスで阿里山高山茶ゼリーがつきます。
写真:吉川 なお
地図を見るお茶を楽しんだら、店内にあるお土産コーナーも要チェック!オリジナル茶器と一緒に並んでいるのは、こちらもドイツの国際デザイン賞受賞のパッケージに包まれた自慢の茶葉の数々。中にはひとさじ3グラムのエコ茶さじが入っているのも嬉しい心遣いです。
他ではあまり見かけない鹿野紅烏龍は、烏龍茶が持つ深みと紅茶の芳醇な香りを併せ持ち、清らかでフルーティーな後味が残ります。黒豆や生姜などをブレンドした変わり種のティーパックなどもあり、自宅用にお土産に充実のラインアップです。
お茶の宝庫、台湾ならではの極上茶が一番おいしい状態で味わえる「品茶集」。その1杯1杯にきっとあなたの心も癒やされるはず。
月曜日は定休日となっているので、訪台のご予定が合えば「品茶集」で癒やしのひとときを過ごされてみてはいかがでしょうか。
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この記事を書いたナビゲーター
吉川 なお
台湾の台北市に住む専業主婦の吉川なおです。台湾生活はもう8年ですが、常に新しい発見のあるこの国が大好きです。在住者だからこそ知っている生情報やお薦めのレストランなど、台湾の旅がより思い出深いものになる…
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