写真:フルリーナ YOC
地図を見る58年ぶりに東武鉄道鬼怒川線の下今市ー鬼怒川温泉駅で復活するSLの名は「大樹」。徳川将軍の家紋「三つ葉葵」をイメージさせるヘッドマークも凛々しいC11形207号機の蒸気機関車です。
このC11形207号機はJR北海道から借り受けたもので、太平洋戦争がはじまった1941年に日立製作所にて製造。現役期間中は北海道で使用され、1974年の現役引退後は静態保存。2000年からJR北海道が動態保存機として使用を開始、「SLニセコ号」「SL冬の湿原号」「SL函館大沼号」として活躍してきました。2つ前照灯が印象的なその姿から「カニ目」という愛称でも親しまれてきたSLです。
写真:フルリーナ YOC
地図を見るSL「大樹」は往復約25キロ約1時間の走行で石炭を約700キロ使います。スコップで石炭をくべる機関士さんたちは大変な重労働。真夏の運転室は50度を超すことも。坂道や走行状態に合わせ石炭の投入を調節をするのはまさに職人技!機関士さんの腕の見せ所です。
写真:フルリーナ YOC
地図を見るこちらの車掌車・ヨ8634はJR貨物から譲受されたもの(もう一台のヨ8709はJR西日本から譲受)。この下3ケタの634は何とスカイツリーの高さ。偶然とはいえ印象的な車掌車です。車掌車には列車運転に必要なATS(保安装置)を搭載。列車を運転するにはATSが必要ですが、蒸気機関車にATSを搭載するスペースがとれないため、車掌車に搭載されています。
写真:フルリーナ YOC
地図を見るマリンブルーの美しい客車は、昭和40〜50年に製造されJR四国で使われていた14系客車を譲受。SL「大樹」の客車は1号車から6号車(スハフ14-1,14-5、オハフ15-1、オハ14-1、オロ12-5,12-10)のうち3両が連結され、客車の総座席は200席ほどを予定。昭和レトロな美しい外観・内観はそのままに、トイレ・座席シート・カーテン等をリニューアルしました。
写真:フルリーナ YOC
地図を見るこちらはSL「大樹」の後ろに連結されるディーゼル機関車。1971年に愛知県・日本車輌製造で作られた DE10形1099号機。福知山・米子など関西で活躍の後、JRになってからは関東で使われていました。この機関車は走行の途中、急勾配の坂道の時に後ろから押してSL「大樹」をアシスト。黒のSL+マリンブルーの14系客車+赤いDE10形ディーゼルのコラボは、緑が広がる東武鬼怒川線の車窓に美しく映えます。
写真:フルリーナ YOC
地図を見るSL「大樹」には、車椅子でも乗り降りできるよう車椅子用のケアスロープも搭載。ちゃんと「大樹」のロゴが入ったスロープなんですよ。
写真:フルリーナ YOC
地図を見るマリンブルーの客車の中はレトロ感いっぱい!窓の下の小さなテーブルもで可愛い。昔はこのテーブルの下に灰皿も取り付けられていましたが、灰皿は取り払われています。灰皿の跡が残っているのもまた“鉄ちゃん”には堪らないポイント。
写真:フルリーナ YOC
地図を見るSL「大樹」に乗ると各列車で<SL「大樹」3D記念乗車証>が配布され、アテンダントが記念スタンプを押してくれます。この記念乗車証はSL「大樹」の客車1号〜6号によってそれぞれ異なり、異なる記念乗車証を複数集めるとSL「大樹」のオリジナルグッズがプレゼントされます。
2列車賞(異なる記念乗車証2枚)は、今市報徳二宮神社SL「大樹」御守り。4列車賞(異なる記念乗車証4枚)は、SL「大樹」乗車記念ピンバッチ。完全乗車賞(異なる記念乗車証6枚)は、完全乗車証明書付きSL「大樹」完全乗車記念ブックがもらえます。
写真:フルリーナ YOC
地図を見るまた、車内では様々なSL「大樹」の記念グッズも販売。キーホルダー・秩父鉄道のSL「パレオエクスプレス」とSL「大樹」がコラボしたプラバッチ、手ぬぐい、アイスクリーム(黒いアイスクリームも!)、SL石炭あられ等を販売。また、上記写真のプレートを持ったところを専門のカメラマンが記念撮影し、SL「大樹」オリジナルフォトフレームに入れての販売も行います。
車内のお世話をしてくれるのは7名のSL観光アテンダント。1車両につき1名のアテンダントが乗車し、SL「大樹」の旅を盛り上げてくれます。お出迎え・お見送り・車内販売の他、日光・鬼怒川の観光案内・グルメ案内等もしてくれますので、お気軽にご質問くださいね。
写真:フルリーナ YOC
地図を見るSL「大樹」が走るのは下今市-鬼怒川温泉間12.4キロ。シュッシュと元気な音を出しながらモクモクと煙を出して、緑豊かな大地を走ります。下今市を出るとすぐに大谷川橋梁を渡ります。橋を渡ると急カーブがありスピードを落として運転。このあたりは撮影ポイントで撮り鉄さん達で賑わっています。また鬼怒川ライン下りの下船場そばの大瀞ドライブインでは、茶屋の広い縁側で大樹の走行を眺められます。
写真:フルリーナ YOC
地図を見る東武鉄道は、SL復活運転をきっかけに日光・鬼怒川エリアの魅力を伝えるため、また地元地域では地域活性化などを目指して「いっしょにロコモーション協議会」を設立。日光市観光協会が中心となりキャンペーンやイベント等、様々な活動をしています。
合言葉は「いっしょに、ロコモーション」!ロコモーションとは、蒸気機関車が走り出すときのようにだんだんと勢いを増していく「力強い運動」という意味。その活動の一つが<SL「大樹」に手を振ろう>です。
写真:フルリーナ YOC
地図を見るSLの音が聞こえてくると、沿線の住民の方々が家の外に出て、農作業している方が仕事の手を休め、踏切待ちしている人たちが・・・みんな笑顔でSL「大樹」に向かって手を振ってくれます。車内のアテンダントも乗客も思わず窓の外の人たちに手を振って応えます。
これは、ゆっくり走るSLならではのハートフルな体験、SL「大樹」の大きな魅力の一つです。夏休みには大勢の子どもたちが沿線から、車内から笑顔を交わしながら手を振り合う・・・そんな素敵な光景も見られることでしょう。
写真:フルリーナ YOC
地図を見る東武鉄道・下今市駅には7月23日(日)正午にSL展示館と転車台広場もオープン。展示館には日光・鬼怒川エリアをモデルとしたジオラマ・SLの車体と運転室の実物大写真・SLの仕組み解説・東武線でかつて活躍していたSLの写真などを展示。
展示館&転車台広場はSL運転日は8:00から19:00、運転日以外は10:00から19:00会館(転車台広場は2017年8月9日10:00から8月10日15:00まで閉館。SL展示館は8月10日は、13:00 以降の営業・開館)。転車台広場および展示館は、下今市からの乗車券または150円の入場券で見学することができます。展示館・転車台広場は展示品の入替、機器保守等により休館となる場合があります。
写真:フルリーナ YOC
地図を見る下今市駅の転車台広場の入り口にはこんなかわいいゲート!機関車庫を真ん中に人気の撮影スポットとなりそうですね。また転車台広場に面して建つ展示館の一階は休憩室になっているので、ちょっと一休みや駅弁を食べるのにも便利。
動画:フルリーナ YOC
地図を見るまた、この広場は線路・転車台・今市SL機関庫に面しているので、SL運転日には転車台を使った作業を目の前で見ることができます。下今市駅の転車台は山口県長門市駅から、鬼怒川温泉駅の転車台は広島県三次駅から譲受されたもので、共にJR西日本の所有だったもの。
運転日以外の時間帯によっては、SL機関庫内で点検・準備中のSL「大樹」をガラス越しに見学することも可能。夕方から夜にかけてはライトアップも行われるのでSNS映えする写真も期待できますね!
北海道から日光市へと移ってきたSLC11形207号機。太平洋戦争開戦の年に生まれ、戦中・戦後・そして現代と歴史を見つめてきたSL、そして全国各地で活躍していた車掌車・客車・ディーゼルは、一つに繋がれ、新天地・日光を走ります。SL「大樹」は、これからの日々、たくさんの人々に喜びを与え、たくさんの笑顔と共に輝いていくことでしょう。
また、東武鬼怒川線では、SL「大樹」走行に先立ち「東武ワールドスクウェア駅」も開業。今市は蕎麦・カフェ・天然氷かき氷の名店も犇めく町。そして鬼怒川温泉は温泉・渓谷アウトドア・龍王峡・テーマパークなど見どころの多い場所ですので、ぜひゆっくりと観光もお楽しみくださいね。
それでは皆さん、楽しい旅を!
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