写真:塚本 隆司
地図を見るJR姫路駅から北に7kmほどのところにある広嶺山(広峰山)に建つ廣峯神社。登山コースとしても人気で休日には多くの登山を楽しむ人達に出会える。
今より二千有余年前、崇神天皇の御代(弥生時代)素盞嗚尊(すさのうのみこと)を白幣山(はくへいさん)に祀ったのがはじまりという。廣峯神社と称するようになったのは奈良時代、遣唐使であった吉備真備(きびのまきび)が素盞嗚尊を牛頭天王(ごずてんのう)とし、現在の奥の院(白幣山)に社殿を建立してからだ。そして平安時代には京都の八坂神社も廣峯神社から分霊されたと伝わっている。
吉備真備は陰陽道の祖ともいわれ陰陽道の聖地としても崇拝されていたという。姫路には陰陽道と深く関わりがある地で多くのパワースポットが点在するがここもそのひとつだ。
階段途中の脇に建つ宝篋印塔(ほうきょういんとう)は国指定重要文化財に指定されている室町時代初期のもの。また表門(随神門)は元禄十年(1697年)のものだ。
写真:塚本 隆司
地図を見る現在の本殿は室町中期のもので神殿と仏間を交互においた神仏習合の珍しい建物になっている。その規模は入母屋造の桧皮葺きで桁行11間。
正面の拝殿(写真)は桃山時代の再建だが桁行10間あり、本殿とあわせ国内でも最大級という。国指定重要文化財に指定されている。
祭神である牛頭天王は災厄・病気・厄難を祓う神として信仰されており、節分や厄除大祭となると盛大に執り行われ多くの参拝者で賑わう。
写真:塚本 隆司
地図を見る本殿の裏にまわると「九つの穴」がある。ここには「こよみ」の神様がおられ穴深くにはそれぞれ守り神が鎮まっておられるという。九星占いでおなじみの一白水星から九紫火星までの九星に該当するのだ。
自分の星の穴に願い事を書いた「願い札」と賽銭を入れ二礼二拍手してから、穴に小言で神様に願い事を伝える。古来から残っている風習が今もなお続いているのだから、きっと多くの人の願いをかなえてきたに違いない。
写真:塚本 隆司
地図を見る昔は廣峯神社への参拝は神社の周辺に点在する社家(御師)屋敷に寄って一息ついたあと、社家の主に案内されて本殿に参るのが一般的だったという。
社家は「廣峯三十四家」といわれたが、今は二軒だけが残っている。荒廃が進んでいるが奥の院へと続く道とあわせ趣むきのある風景であり散策にはちょうどよい。
官兵衛の祖父も仕官先を探しながら社家たちと交わり、黒田家秘伝の目薬を神社のお札と一緒に売ってもらい財をなしたという。官兵衛も御師達と深く関わり他国の情報を耳にしたようだ。廣峯神社の信仰圏は京都から広島・島根あたりまでと広く多くの情報が入ってきたことは間違いない。
写真:塚本 隆司
地図を見る神社からの眺望は姫路市街地や播磨灘まで一望できる。姫路城はもちろん天気が良い日には淡路島や四国まで見える。表門からまっすぐ正面に見える小島は上島(神島)という。古くは大鳥居が瀬戸内海に浮かんでいたとも云われているので、あの辺りではないだろうかと想像をしてしまうほど眺めが良い。
山の中腹にあるホテル「セトレ・ハイランドヴィラ」も絶景が見られる宿として人気だ。街の喧噪から離れ街の夜景を見ながら閑かに夜を過ごすのもいいだろう。運がよければ稀に雲海が広がることもあるのだ。
廣峯神社へは車なら鳥居前に駐車場(無料)がある。そこから徒歩10分程度で本殿に着く。
公共交通機関なら神姫バス「広峰」バスを停を下車し徒歩40分。「競馬場前」で下車してタクシーで向かえば10分ほどだ。もしくは姫路駅から観光タクシーで他のスポットとあわせて観光しながら行くのもいいだろう。
拝観料は無料でいつでも参拝できる。
大河ドラマ「軍師官兵衛」のはじまりの地である廣峯神社。太古からの歴史と姫路中心市街地を一望できる眺望スポットは旅気分を十分に満たしてくれるはずだ。静寂に包まれた神社で大河ドラマの舞台に思いを馳せながら旅のひと時を過ごしてみるのはいかがだろうか?
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この記事を書いたナビゲーター
塚本 隆司
好むと好まざるとにかかわらず、一人旅がやたら多い。姫路城が見えるところで育ったためか、城や歴史が大好き。歴史ミステリーを追い求め、現実逃避。新スポット・人気スポットと聞けば、行ってみる。郷土料理と聞け…
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