金沢・大樋美術館「大樋焼歴代長左衛門」の世界と美に浸る風雅な時間

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金沢・大樋美術館「大樋焼歴代長左衛門」の世界と美に浸る風雅な時間

金沢・大樋美術館「大樋焼歴代長左衛門」の世界と美に浸る風雅な時間

更新日:2017/07/28 10:16

なおぢ はるみのプロフィール写真 なおぢ はるみ 旅するデザイナー

金沢は“茶の湯”が盛んであるのは周知のこと。今回ご紹介するのは、江戸時代初期に加賀藩五代藩主・前田綱紀に認められた大樋長左衛門から始まり、以来350年以上、卓越した技術と伝統を守る楽焼・大樋焼窯です。歴代・大樋長左衛門の作品をゆったりと拝観し、金沢市指定建造物であるお屋敷で茶をいただける、金沢“茶の湯”旅をご紹介しましょう。

大樋焼の歴史を語る美術館

大樋焼の歴史を語る美術館

写真:なおぢ はるみ

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「大樋長左衛門窯・大樋美術館・大樋ギャラリー」は、金沢駅からもアクセスの良い橋場町のバス停から徒歩1分。観光名所の東茶屋街や近江町市場、兼六園からは徒歩15分という金沢散策の王道エリアにあります。
隈研吾氏設計による歴史的建造物と調和するように建てられた、黒い鉄骨とガラスが今様なギャラリーを横目に、石路のエントランスを進んで、中程から左の建物へ。まずは、美術館の入館受付を済ませましょう。(拝観一般700円・お茶付きは1,500円/2017年7月8日現在)

十代長左衛門作(陶冶斎)の陶壁と勅使河原宏氏が監修した前庭「風庭」をゆったりと眺めながら、敷地の奥にある大樋美術館へ。館の中に入ると、1F・2F・3Fに陳列室があります。
まずは1F、初代・長左衛門と裏千家四世仙叟宗室の作品から観ていきましょう。

大樋焼の歴史を語る美術館

写真:なおぢ はるみ

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大樋焼の歴史を語る美術館

写真:なおぢ はるみ

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初代・長左衛門は、一見質素でありながら、人の心を惹きつけて離さない豪快で斬新な作品を数多く残しています。

中でも、ぜひ観ておきたいのが、黒釉鳥香炉。これが本当に江戸時代のものなのかと驚くほど、モダンで創意に満ちた作品です。他に類を見ない独自性と、堂々とした佇まいのその香炉は、石川県立美術館とこの大樋美術館でしか観ることができません。

(ご注意:大樋美術館は全館撮影禁止です。今回特別に許可を得て撮影しています。拝観の折は、ご注意ください。)

ミシュラン観光ガイド一つ星の見ごたえ

ミシュラン観光ガイド一つ星の見ごたえ

写真:なおぢ はるみ

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2Fは、代々受け継がれてきた大樋焼の歴史を一堂に観ることができます。それぞれの作品に、技術の創意工夫があり、個性があり、美しさがあります。茶道や楽焼に詳しくなくても十分に見ごたえがあり、「私は、三代の作品が好きだな」など、楽しく観ることができるでしょう。

ミシュラン観光ガイド一つ星の見ごたえ

写真:なおぢ はるみ

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大樋焼の素晴らしさはさることながら、一緒に飾られた掛け軸も、ぜひ合わせて観賞してください。例えば、三代の茶碗と十代の掛軸。大樋焼を守り継いできた二人の作品が、時代を超えて調和する空気感を味わえます。

ミシュラン観光ガイド一つ星の見ごたえ

写真:なおぢ はるみ

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3Fは、大樋家に所縁のある文化人や芸術家の作品と、奥の陳列室には作陶の道具なども展示してあります。ここまで観てきた錚々たる大樋焼。それを生み出す道具にも、きっと興味津々です。

個人美術館では例のない、ミシュラン観光ガイド一つ星をとったという大樋美術館。さすがの見ごたえです! 館内を巡り終わる頃には、すっかり大樋焼に魅了され、茶を一服飲みたい気分になりますよ。

大樋焼でいただく贅沢な茶の時間

大樋焼でいただく贅沢な茶の時間

写真:なおぢ はるみ

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拝観とお茶のセット券を選んだ人は、拝観後に受付の建物に戻ると、薄茶とお菓子がいただけます(絶対、このセット券をお勧めします!)。もちろん、最初は拝観だけと思ったけれど、やっぱり一服したいという人も、1,000円でいただくことができますよ。

そしてここでは、なんと、お茶をいただく器を選べるのです。なんて贅沢な!

茶碗を選んだら、茶室へ。「作法がわからないのですが…」と伝えると、「構いませんよ。かしこまらず、ゆっくりお庭の松を眺めながらお茶をお楽しみください」と、やさしく応対してくれますので、茶を知らぬ旅人も、どうぞご安心を。茶室・松濤間には椅子が用意されているので、カジュアルに一服できます。

大樋焼でいただく贅沢な茶の時間

写真:なおぢ はるみ

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大樋焼でいただく贅沢な茶の時間

写真:なおぢ はるみ

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リラックスして茶をいただけるとはいえ、目の前の茶碗は大樋焼。心の襟を正し、静かに茶をいただこうという気になります。

観るものすべて見事なり

観るものすべて見事なり

写真:なおぢ はるみ

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縁側の窓越しからは、松濤庭の「折鶴の松」が、堂々たる姿を見せてくれます。
「折鶴の松」は、この屋敷の元主人である加賀藩の名医・森快安が、折鶴の形をしているということから名付けたもの。樹齢500年の赤松で、金沢指定樹木、金沢三名松と言われるものの一つです。その神々しい姿を眺めながら茶をいただく時間は、金沢に旅したからこその貴重な一時。存分に味わってください。

観るものすべて見事なり

写真:なおぢ はるみ

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「折鶴の松」は、注連縄が張られ、この地の守り神のごとく珍重されています。縁側には、「折鶴の松」へのお供えとして、お酒と濃茶、菓子があります。大樋長左衛門が自ら、その日の朝に供えたものです。

観るものすべて見事なり

写真:なおぢ はるみ

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床にはフクロウの掛軸。昔、「折鶴の松」によくフクロウがとまっていたことから、描かれたものだそうです。床飾りの一つひとつ、風炉先屏風も見事なしつらい。茶が総合芸術とされ、日本人の美意識の礎になっているということを、実感できます。

建築家・隈研吾氏が設計したギャラリー

建築家・隈研吾氏が設計したギャラリー

写真:なおぢ はるみ

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茶を楽しんだ後は、2014年の春に新築された大樋ギャラリーと茶室「年々庵」へ。いずれも建築家・隈研吾氏が設計し、黒床の落ち着き、格子から表情豊かに入る光、高く抜ける天井が、開放感のある空間を生み出しています。

上の画像は、奥に茶室「年々庵」のある側。手前には大樋焼の書籍が並んでいます。「年々庵」でも、歴代茶碗で抹茶をいただくことができますよ(有料)。

建築家・隈研吾氏が設計したギャラリー

写真:なおぢ はるみ

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ギャラリーでは、大樋陶治斎と十一代大樋長左衛門の作品が並べられています。気軽に購入できる湯呑などから高価な茶碗まで幅が広いのですが、茶の湯好きならば、いつかひとつは…と思うでしょう。
金沢に旅したからこその一品をここで買って帰るかどうか、手に取ってゆっくりご検討を! 旅先での大きな買い物、それもまた、醍醐味です。

見て・触れて・味わえる大樋長左衛門窯

「大樋長左衛門窯・大樋美術館・大樋ギャラリー」は、同じ敷地内にあるので、コンパクトに歩き楽しむことができます。美術館で“見て学び”、茶室で“触れて味わう”ここの体験スタイルは、金沢の伝統工芸の奥深さを五感で知れる、類稀な施設です。本物と対峙することで磨かれる美意識を、金沢旅で感じてくださいね。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/07/08 訪問

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