日本統治時代の豪邸がスタバに変身!台北に残る古き良き時代の面影

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日本統治時代の豪邸がスタバに変身!台北に残る古き良き時代の面影

日本統治時代の豪邸がスタバに変身!台北に残る古き良き時代の面影

更新日:2017/09/20 18:19

吉川 なおのプロフィール写真 吉川 なお 台湾在住ライター、元旅行会社勤務の旅行マニア

台北市の西部に位置する最も古い問屋街、迪化街が通る大同区と、龍山寺がある万華区は、清の時代に淡水河の港町として発展した地域です。繁栄は日本統治時代も続き、商いで財を成した富豪の邸宅をスターバックスがあっと驚くクラシカル空間にリノベーションしました。
壮麗なバロック建築の「保安店」、市指定古蹟の「バンカ店」、趣ある2カ所の歴史的建造物でステキなティータイムはいかが?

小さな漁村から台湾北部の中心地に

小さな漁村から台湾北部の中心地に

写真:吉川 なお

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かつて大同区は大稲テイ、万華区は台湾語でバンカと呼ばれた小さな漁村でした。1860年に結ばれた天津条約によって淡水港が開港されると、淡水河の水運拠点として各国の貿易商人が交易に訪れるようになり、清代末からその後の日本統治時代にかけて台湾北部の商業、貿易の中心地となりました。

今回ご紹介するスターバックス2店もその黄金時代の富豪の邸宅を改装したもので、外観はそのままに往時の雰囲気を踏襲した内装となっています。

パイナップル王の遺産「保安店」

パイナップル王の遺産「保安店」

写真:吉川 なお

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「保安店」はMRT中和新盧線の大橋頭駅から徒歩約10分、重慶北路沿いに位置しています。ガイドブックでおなじみの乾物や漢方薬の問屋街、迪化街からも徒歩圏内で、買い物後の休憩スポットとしてお薦めです。

重厚な赤レンガの建物は「鳳梨王(パイナップル王)」と呼ばれた葉金塗氏の邸宅だったところで、1926年から3年かけて建てられました。彼は海産物を扱う「金泰享商行」を立ち上げた後、パイナップルの缶詰業に転身して「泰芳商会」を設立。高雄に缶詰工場を建てて大きな富を手にしました。3階建ての美しいバロック建築の建物には、会社のロゴである泰の文字やパイナップルの装飾など当時の栄華の跡が残されています。

葉氏亡き後はキャバレー、新聞社、商店、出版社などに姿を変えましたが、1997年にオフィスビルに再生されることが決まり、その保存方法について台北市と協議が行われました。その結果、今ある建物を修繕しその上にホテルを建てる案が採用され、日本統治時代の歴史的建築物の上に花崗石を用いた現代建築物が建て増しされました。この斬新な手法は新旧の建物を共存させた成功例としても注目されています。

パイナップル王の遺産「保安店」

写真:吉川 なお

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店舗は1〜3階で、1階は35席、2階は64席、3階は73席あり、毎日7:00から22:30まで営業しています。ここ保安店は「★/R」のマークを掲げる「スターバックスリザーブ(R)」店のひとつで、個性豊かで質が高く、非常に少量しか手に入らないコーヒー豆を扱う限定店舗となっています。カウンター左側の3席はその専用席で、注文が入るとその希少な豆を挽き1杯ずつ抽出してくれます。限定豆の挽きたてが飲めるなんてコーヒー好きにはたまらないですね。

パイナップル王の遺産「保安店」

写真:吉川 なお

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この店舗にはドリップコーヒー以外にもさりげないサービスがあります。日本人だとわかると、カップに日本語で一言言葉を書き込んでくれます。この日は「ありがとうございます」と「楽しんでね」。ちょっとした心遣いが心を和ませてくれますね。

優雅な雰囲気漂う店内

優雅な雰囲気漂う店内

写真:吉川 なお

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1階でオーダー後、2、3階に行くにはいったん外に出て、右側にある扉を開けてらせん階段を上ります。中2階はお手洗いで、その先にあるのは天井にシャンデリアが輝くステキな空間。大きな窓ガラスからは光が差し込み、フローリングの床、外に見える円柱がクラシカルな雰囲気を醸し出しています。
中央のガラス窓にはスタバのロゴである、ギリシャ神話に登場する2つの尾を持つ人魚「サイレン」が描かれており、お茶を飲む人たちをやさしく見守っています。

優雅な雰囲気漂う店内

写真:吉川 なお

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窓側にはゆったりしたソファー、壁側には柱で仕切られたテーブル席が並び、その突き当りにはシックなムード漂う個室があります。どこかの豪邸の特別な部屋に招かれたような雰囲気で、腰を下ろすと静かに時が流れていきます。

優雅な雰囲気漂う店内

写真:吉川 なお

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3階は天井が高く開放的。温かみのあるフローリングの床、窓辺に連なる木製の窓、天井の照明のトーン全てがエレガントな空間を演出しています。ただそこにいるだけで優雅な気持ちになってきます。

野菜・果物商の遺産「バンカ店」

野菜・果物商の遺産「バンカ店」

写真:吉川 なお

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台湾屈指のパワースポット「龍山寺」の最寄り駅であるMRT板南線龍山駅から徒歩約5分、西園路とバンカ大道の交差点に建つ4階建ての赤レンガの建物は台北市指定古蹟の「萬華林宅」です。日本統治時代の1932年に地元の名士であった林細保氏が万華駅にほど近いこの地を購入。野菜と果物の商いで富を得た4人の息子が設計、建築したもので、台湾と西洋、日本の折衷建築というハイカラ構造になっています。

使用されている赤レンガは日本統治時代に「台湾煉瓦株式会社」が生産した一級品で、4階の公媽庁(仏壇)の屋根には黒瓦が用いられています。左右対称に設置された窓枠やアーチ型の庇、バロック様式の彫刻や柳葉や菱形などの装飾が施されたバルコニーなど華美で耐久性に優れた造りで、2016年4月に2年のリノベーションを経てスターバックスに生まれ変わりました。

野菜・果物商の遺産「バンカ店」

写真:吉川 なお

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店舗は1、2階で、野菜の保管倉庫や応接室、食堂、居間、寝室だった場所がオーダーカウンターやテーブル席に変身しました。艋舺店は台湾のスタバで初めてコーヒーサイフォンを導入した店で、バリスタがハンドドリップで抽出するプアオーバーやコーヒーオイルまで抽出するコーヒープレスなども揃え、豆本来の風味が味わえるおいしいコーヒーを提供しています。

中庭にはテラス席もあり、天気の良い日には先人が築いた歴史的建築を眺めながら、こだわりのコーヒーを飲むことができます。

野菜・果物商の遺産「バンカ店」

写真:吉川 なお

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年季の入った石造りの階段を上がると、2階は頑丈な造りのカフェスペース。壁に額が飾られたシンプルな内装で、小さなテーブルがゆったりと配置されています。
上がってすぐの左の壁に飾られているのは、スタバのロゴ、セイレンをモチーフに台湾の著名アーティストが制作した刺繍の額で、林家の娘さんの趣味が刺繍だったことに因んでいます。部屋の一角には「萬華林宅」を紹介するビデオ室もあり、細部にまでこだわった建築の様子がわかります。

歴史的建造物で飲む台湾茶も乙なもの

歴史的建造物で飲む台湾茶も乙なもの

写真:吉川 なお

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お茶大国台湾のスタバでは、コーヒー以外に本格的な台湾茶もいただけます。
芳醇な香りと豊かな余韻が楽しめる阿里山烏龍茶、ウンカという虫が作り出す上品な味と芳しい香りの東方美人茶、ハッカのような爽やかな味わいの紅玉紅茶があり、台湾を代表するお茶も気軽に味わえます。歴史的建造物で台湾茶、日本では体験できない組み合わせです。

歴史的建造物で飲む台湾茶も乙なもの

写真:吉川 なお

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スタバといえばマグカップ。台湾各地の風景が描かれた観光地バージョンの他に、ここバンカ店限定のものもあり、タンブラーも充実しています。自宅用にお土産に、すてきな旅の記念品もゲットできます。

古き良き時代に思いを馳せて

富豪が残した邸宅がこうして現代に蘇り、居心地の良いくつろぎ空間へ生まれ変わりました。ノスタルジックな雰囲気漂うこの場所は日本統治時代に賑わった街の記憶と当時の面影を今に伝える貴重な場所でもあります。
台湾にスタバは数あれど、これほど趣がある店はなかなかないもの。台北を訪れたら「保安店」「バンカ店」で古き良き時代の台湾に触れてみてはいかがでしょうか。

※文中の「バンカ」は、いずれもふねへん(舟)に孟、甲です。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/07/30−2017/07/31 訪問

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