即成院の創立は平安時代にさかのぼります。恵心僧都が伏見に建立した光明院がはじまりとされています。関白・藤原頼通の子、橘俊綱が1087年、父にならって伏見桃山に広大な山荘を造り、光明院をその阿弥陀堂として移設、その後さまざまな変遷をたどり、明治時代に現在の場所に移りました。
内陣にいらっしゃるこの寺のご本尊・阿弥陀如来坐像と二十五菩薩坐像が圧巻。阿弥陀如来坐像の高さは5.5m、二十五菩薩も1.5mあります。そのお姿は、極楽浄土の世界を立体的に描いたもので、国の重要文化財に指定されています。寛治8年(1094)年に、恵心僧都により造られたと伝わっていますが、近年は平安時代の代表仏師・定朝とその弟子による優品とされています。観音・勢至をはじめ、歌舞音曲のすべてがそろい、阿弥陀来迎の喜びを目の当たりに思わせる姿の仏像で、近年は「仏様のオーケストラ」と呼ばれ、音楽家が自分の音楽を仏像に奉納演奏することでも有名です。
写真:磯本 歌見
地図を見る即成院は泉涌寺の塔頭の一つですが、「泉涌寺七福神」は、京都の新春の風物詩「京都泉山七福神巡り」として、毎年成人の日に泉涌寺山内の塔頭を巡る恒例行事で知られています。
即成院は、その七福神巡りの1番、福禄寿神を祀る寺。本堂右側の厨子に祀られているので長寿・幸福を願ってお参りするといいでしょう。
写真:磯本 歌見
地図を見る即成院では、お正月の「泉山七福神めぐり」の第一番・福禄寿の御朱印にはじまり、4月花まつり、5月採燈護摩法要、8月那須与一公祥月命日忌法要など、年に7回ほど、特別拝観や法要に合わせて季節限定御朱印を授与しています。これがとってもきれいで、御朱印マニアの間で大人気。
こちら「那須与一公祥月命日法要」の御朱印です。色は「水海空色」、つまりブルーです。夏らしくて爽やかですよね〜!こちら文字色は青ですが、黒字も選べます。与一が屋島の合戦で射落とした扇の印も印象的な見開き仕様で、8月8日の一日限り、1枚1,000円での授与となります。
写真:磯本 歌見
地図を見るこちら、お正月1月1日〜15日に授与される「泉山七福神巡り」の第一番、福禄寿神の御朱印です。お正月らしく、「開運招福」と朱色の文字で書かれ、鶴が舞うおめでたい図柄で、こちらも見開き仕様で1,000円です。
1月には他に、その年の福運金色鳳凰の朱書きの御朱印もあり、こちらは1日〜末日までの授与になります。
写真:磯本 歌見
地図を見る他にもありますよ。右見開きの御朱印は、4月1日〜8日の期間授与される御朱印です。京都の春を彩る桜花爛漫・花祭りの御朱印です。桃薄桜色のベースで、お釈迦様生誕祭にちなんで、「現世極楽」と書かれています。春らしく華やかでしょう。
左見開きの御朱印は、5月の第4日曜日に開催される「採燈大護摩供法要」の御朱印です。赤炎勢色をベースに、右側には「願いが的へ 大願成就」と金色で書かれ、左側には不動明王の絵柄が描かれ、不動明王と力強く書かれています。こちらは当日のみの授与です。
写真:磯本 歌見
地図を見るこちらの御朱印帳にご注目を。現世来世極楽浄土手形付の特別限定御朱印帳です。表紙は、この現世で極楽な時間や場所をいっぱいいただけるように祈願された現世極楽浄土の手形が付いていて、こちら着脱可能です。
この特別限定御朱印帳の表紙下の部分を見てください。プレミアムナンバーが焼印されているでしょう。記載の文字は、古代インドのサンスクリット文字で「極楽」を意味する言葉なんです。
価格は、本堂内陣での新春開運特別御祈祷込みで30,000円です。
写真:磯本 歌見
地図を見る裏表紙は来世極楽にいざなっていただけるように祈願された来世極楽浄土への通行手形となっていて、こちらもほら、着脱可能です。即成院は「現世でも極楽。来世でも極楽。」を、願い叶えるお寺です。
中身ですが、即成院で年6回授与される特別限定御朱印をいただけるページが最初から設けられています。また、年間で即成院内陣特別拝観が許可されたり、10月の二十五菩薩お練り供養法会に特別信徒散華師として法要に参加できるなどの特典が多数付いています。
即成院は、実は鎌倉時代の武将、那須与一ゆかりの寺院ってご存知でした?
与一は17歳の時、源義経に従い、屋島(香川県高松市)の合戦に加わります。義経の奇襲を受けた平氏は、海に逃げたもののよっぽど悔しかったのか、軍船を一艘出し、船首の竿に日輪の扇を付け、義経にこれを射よというそぶりを見せたそうです。義経に命じられた与一は、見事にその扇の要を射落としました。これを境に源氏は平氏を打ち破ることができたと伝えられています。
与一は、病に伏し、伏見で療養していた時、熱心に即成院の阿弥陀様を信仰しました。その霊験で病も癒え、屋島の戦いで武勲を立てました。阿弥陀様の仏徳を感じた与一は、即成院に庵を結び没したと伝えられているのです。
こちらはその墓といわれる供養塔です。現在は改修中でお堂のない状態になっていますがお参りはできますので、お参りしていきましょう。
写真:磯本 歌見
地図を見る「与一のように的を射ることができますように」と、弓道やアーチェリーをするアスリートのお参りが多いそうですが、ゴールの的ということで、サッカー選手からも信仰されているそうです。
また、武功を願う人たちが、扇子を石碑に奉納したことから始まった「願い扇」もあります。朱で願いを扇に託し、与一公の石碑に奉納します。
写真:磯本 歌見
地図を見る与一が見事に扇の要を射ることができたのは、阿弥陀様にご祈願し、体調を万全にして精神を集中したからと伝えられています。
このお寺では、大事な場面で、与一のように体調万全で臨めるようにと、着るお守り、お守りTシャツや絵馬などを授与しています。
写真:磯本 歌見
地図を見るお寺や神社にある手水舎ですが、こちらのは少し変わっていてご利益アップの面白い仕掛けがあります。
「与一の手洗い所」と名付けた手水舎では、祈願された紙石鹸がガチャガチャカプセルの中に入っていて、それで丁寧に手を清めることで、与一の功徳にあやかることができるとされています。
写真:磯本 歌見
地図を見るこちらがそのガチャガチャ。
祈願料200円を入れてつまみを回すとカプセルが出てきます。
写真:磯本 歌見
地図を見るカプセルの中には、その紙石鹸、「願いが的へ」のミニステッカー、おみくじが入っていてなんだか得した気分になり、ご利益がアップします。
住所:京都市東山区泉涌寺山内町28
電話番号:075-561-3443
拝観時間:9:00〜17:00(最終受付は16:30、12〜2月は〜16:30、最終受付は16:00)
特別拝観料:大人500円、学生300円、小学生以下は保護者同伴で無料(拝観できない日、時間があるのでHPで要チェック)
アクセス:JR奈良線・京阪電車東福寺駅より徒歩10分
2018年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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