せせらぎが巡る水の廻廊都市「静岡三島」水辺のスポット5選

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せせらぎが巡る水の廻廊都市「静岡三島」水辺のスポット5選

せせらぎが巡る水の廻廊都市「静岡三島」水辺のスポット5選

更新日:2017/08/13 12:19

今村 裕紀のプロフィール写真 今村 裕紀 旅先案内人

富士山の雪解け水は、三島の地に湧き出て、街を巡り、街を潤し、幾筋かのせせらぎを作り出しています。そうして街中を廻廊のように廻り回る湧水は、いたるところに美しい水辺の光景を生み出しています。それは、時に、時代の流れとともに減りつつある湧水を絶やさぬための三島の人々の工夫とともにあります。そうした三島の街の、水に潤う光景をそれらを支えるスポットとともにご紹介いたします。

駅近くの自然豊かな水の公園「白滝公園」

駅近くの自然豊かな水の公園「白滝公園」

写真:今村 裕紀

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JR三島駅南口「楽寿園」正門の向かいにある「白滝公園」。鬱蒼とした木々に覆われ、足元には溶岩が露出した公園で、いたるところから富士山の雪解け水が湧き出ています。幾筋ものせせらぎを小さな橋が跨ぎ、公園いちめんが水びたしの感があります。駅のすぐそばに残された自然豊かな公園で、夏には水遊びをする子供たちでにぎわいます。

かつては、三島でも湧き上がる水量が滝のように多かったことが、公園の名前の由来になっています。駅すぐの立地にありながら、まるで森の中にいるような気分になります。木陰でせせらぎの音に耳を澄まし、涼やかな空気に包まれるやすらぎの公園です。

駅近くの自然豊かな水の公園「白滝公園」

写真:今村 裕紀

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公園の南にある、からくり人形「めぐみの子」。筒に手を差し出すと、「三島のおいしい水をどうぞ」と言って「よいしょ、よいしょ、さあ、どうぞ」と言いながら湧き水を汲み上げて、訪れた人をもてなしてくれます。衣裳が季節ごとに変わるのもポイントです。

同じように下田街道沿いの三島市役所大社町別館の東側でも「つるべっ子」の名称で親しまれているからくり人形の男の子と女の子が、湧水を汲み上げて出迎えてくれます。

桜川沿いの文学碑散歩へ

桜川沿いの文学碑散歩へ

写真:今村 裕紀

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「白滝公園」の湧き水は、北に少し離れた「菰池公園(こもいけこうえん)」の菰池を水源とする湧水と合流して桜川となります。桜川は、人家の前を流れる川でありながらカモたちが遊ぶ清流です。清らかな川の流れは、つい、覗き込んでしまう何かがありますよね。

桜川沿いの文学碑散歩へ

写真:今村 裕紀

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桜川沿いの道は「水上通り」と呼ばれ、「三嶋大社」に続く道で、歩道には三島にゆかりのある作家、詩人たちの文学碑「水辺の文学碑」が立ち並びます。三島市出身の大岡信に始まり、宗祇、正岡子規、十返舎一九、松尾芭蕉、若山牧水、窪田空穂、太宰治、井上靖、そうして写真の司馬遼太郎をはじめとした文学者たちです。この水辺の文学碑のひとつひとつに目を通して、先人たちがこの三島とどのように関わり、どのように捉えていたのかを見ていくのも一興です。

文学碑を辿り、清流を眺めながら、およそ1キロの散策は、あっという間に「三嶋大社」へと導いてくれます。

宮さんの川「蓮沼川」沿いを散策

宮さんの川「蓮沼川」沿いを散策

写真:今村 裕紀

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「楽寿園」の南門を出たところから始まる「蓮沼川」。かつてその「楽寿園」に宮家の小松宮別邸があったことから「宮さんの川」の愛称で親しまれています。

以前は周辺の人々の生活用水であり、子供たちの夏の遊び場でもあったこの川は、ひととき環境悪化に見舞われましたが、地元の方々の活動により、美しい流れを取り戻しました。水辺には写真の水車をはじめ、地元彫刻家によるブロンズ像やガス燈、花壇などが配されていて、美しい水辺景観が「三島広小路」駅付近まで続きます。鯉の群れがみなもを揺らし、しっとりと落ち着いた、気持ちのいい散策路になっています。

宮さんの川「蓮沼川」沿いを散策

写真:今村 裕紀

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昭和初期に地元「小中島商店街」の有志によって建設された「小中島中央水道」の貯水槽が街中にそびえます。街中に貯水槽とは、水の都三島ならではの施設です。高さ10m直径5.7mの塔に汲み上げられた地下水が、上水道に切り替わる平成15年まで周辺の世帯に供給されていました。

広瀬橋下で「源兵衛川」から分岐する小さな川「四の宮川」は、いつしか枯れ果てていました。そこで、街中のせせらぎを復活させようと、水の供給を終えた後も撤去されずに保存されていたこの「小中島中央水道」の井戸水源を利用して「四の宮川」は甦りました。「蓮沼川」同様、復活しました。このノスタルジックな建物は、街中に貴重な清流を甦らせて、今なお、現役で活躍し続けているのです。

三島梅花藻再生の公園「三島梅花藻の里」へ

三島梅花藻再生の公園「三島梅花藻の里」へ

写真:今村 裕紀

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三島梅花藻(みしまばいかも)は、「楽寿園」の小浜池で発見された梅の花に似た白い花を咲かせる多年草の水中花で、梅の花に似た小さな白い花を水面に持ち上げて咲かせます。かつては三島市内の川のいたるところで見られましたが、水質の悪化とともに三島の街から消えてしまいました。この梅花藻を復活させようと地元NPOが中心となって、現存する隣町の柿田川から譲り受けて、この「三島梅花藻の里」で育てているのです。現在では自然増殖するようになり、ここから「源兵衛川」などに移植して、原風景の再生を進めています。

この「三島梅花藻の里」は、そうした梅花藻繁殖の基地であるとともに、水鳥たちがやって来る憩いの湧水公園でもあります。三島梅花藻を眺めて、カモやシラサギたちと一緒にのんびりとしたひとときを過ごしてみませんか?

三島梅花藻再生の公園「三島梅花藻の里」へ

写真:今村 裕紀

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三島市南本町付近では、かつて湧水が多数存在して「南本町湧水群」と呼ばれていましたが、
現在では人家の奥まったところにある写真の「雷井戸(かみなりいど)」に唯一その面影が残ります。この井戸は1年を通じて湧き出ている市内最大の井戸です。かつては地域住民に飲料水を供給する水源でしたが、役割を終えた後は放置されていました。現在では地元NPOらによって整備、維持されている貴重な自噴井戸なのです。

井戸のまわりでは、三島梅花藻がびっしりと育っています。そうして「三島梅花藻の里」の湧水が涸渇する2月ごろには、この「雷井戸」から水を汲み上げ、水を絶やさないように管理されています。生活水として利用されなくなった後も梅花藻を育て上げる一翼をしっかりと担っているのです。

境川・清澄緑地は「朝比奈トンボの里」

境川・清澄緑地は「朝比奈トンボの里」

写真:今村 裕紀

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市街地を少し離れて、市の西の端まで足を延ばしてみましょう。清住町に「清住緑地」があります。境川流域の緑地で、そこには小川が流れ、湿地、水田、草地がひろがり、いくつかの湧水口が点在します。ここには多くの樹木や湿地植物が繁り、カワセミやセキレイなどが生息して、ビオトープ(生物が棲みやすい環境)ゾーンが形成されています。緑地のなかを木道が通り、美しい自然のなかを散策することが出来ます。

境川・清澄緑地は「朝比奈トンボの里」

写真:今村 裕紀

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「清住緑地」は「朝比奈トンボの里」とも言われます。それはトンボ博士として世界的に有名な朝比奈正二郎博士が昭和25年頃まで、この地に別荘を所有して、トンボの調査をしていたことにあります。

今でも希少種のアオハダトンボをはじめ、ハグロトンボやコオニヤンマなどの多くの種のトンボが飛び交う里になっています。遠い日に帰って、水辺でトンボと戯れてみませんか?

まとめ

三島の街は水とともにあります。水は街に彩りを添え、豊かな自然を育み、美しい水辺の景観を作り出して、訪れる人たちに安らぎをもたらしてくれます。水の湧き出る公園。せせらぎの散策路。水中花や水辺の生き物たち。そんな清らかな水に潤う街三島で、水辺の光景を辿って、ひととき水に癒されてみませんか。

また、筆者が別にご紹介しました三島の「源兵衛川」の記事もご参照下さると、三島の街のせせらぎの魅力がいっそうひろがります。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/06/03 訪問

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