写真:伊都 をかし
地図を見る「知林ヶ島」は鹿児島県薩摩半島の南端に浮かぶ周囲3kmの無人島です。砂蒸し風呂で有名な、あの指宿市の沖合800mにあります。一見どこにでもあるごく普通の島のように見えますが、実は世界でも珍しい特別な島なんですよ。毎年3月から10月までの干潮の時だけ、海が割れて、何と海底から砂の道が現れるんです。海が割れるなんて、まるでモーゼの十戒のようですね。そして、普段は海に浮かんでいる知林ヶ島まで、この砂の道を通って、歩いて渡ることができるようになるんです。
この砂の道には「ちりりんロード」という愛称がついてるんですけど、鈴の音が聞こえてきそうなかわいらしい名前ですね。
写真:伊都 をかし
地図を見る砂の道が現れる時間帯は干潮のときだけですので、日によって異なります。ですから、知林ヶ島に出かけるときは、前もって指宿市観光協会の「知林ヶ島砂州情報」で、砂の道が現れる時間帯を確認することをお勧めします。砂の道を歩いて島に渡れる時間は、1日のうちのほんの数時間ですので、砂の道ができる時間、消える時間の確認は最重要チェック項目です。
島にはトイレも自動販売機もありませんので、島に渡る前にしっかりと準備してくださいね。この時期、島まで歩いて渡ると、暑いです。汗だくになります。日を遮るものは一切ありませんので、日焼け止めクリームをたっぷり塗って、飲み物の準備もくれぐれもお忘れなく。
写真:伊都 をかし
地図を見る対岸の田良浜から知林ヶ島までは約800m。砂の道を歩いて渡るのに、片道約20分くらいかかります。普段は海底であるところを歩くわけですから、足元の砂はかなり柔らかく湿っています。サンダルだと砂が入って歩きにくいので、スニーカーがお勧めですが、濡れる覚悟はしてくださいね。
砂の道には、たくさん貝殻が落ちています。その中に、2つ合わせるとハートの形になる貝殻があるので、ぜひ探してみてください。モクハチアオイという真っ白な小さな貝殻ですが、実はこの貝、すでに絶滅してしまっているので、砂の道で見かける貝殻は、数千年前の化石だそうです。数千年前の恋人たちも、ハートの貝殻を拾って楽しんだりしたんでしょうか?
写真:伊都 をかし
地図を見る縁結びの島として恋人たちに人気の知林ヶ島ですが、実はロケ地マニアの聖地でもあります。1997年のTBSドラマ「青い鳥」や2008年の大河ドラマ「篤姫」を覚えていますか?「青い鳥」の最終回に豊川悦司がやって来たのが、ここなんです。「篤姫」が養女に行く前に貝殻を拾っていたのが、ここなんです。今でもロケ地巡礼で、多くのファンがこの地を訪れています。
最後に、指宿の町や知林ヶ島を一望できる展望台もご紹介しましょう。島の対岸にある標高215mの魚見岳の上にある展望台で、知林ヶ島も砂の道もはっきり見えます。ここから、まさに海が割れて砂の道が現れてくる過程を見るのは、感動的ですよ。天気のいい時は、桜島や開聞岳も見える絶景スポットですし。
3月から10月の期間限定の上、1日に数時間しかチャンスのない知林ヶ島の砂の道。ハードルの高さが、よけいに人々の訪れたい気持ちをそそるのかもしれませんね。
島に歩いて渡ると、「渡島証明書」をいただけます。100円ですけど。いい記念になりますよ。
海が割れて道ができるなんて、モーゼの十戒みたいだし、天童よしみの歌みたいですよね。壮大な自然の神秘が味わえて、しかもロマンチックな知林ヶ島が、あなたを待っていますよ。
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(2024/4/19更新)
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