身近なものもアートになる…フランクフルト「応用美術館」での気付き

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身近なものもアートになる…フランクフルト「応用美術館」での気付き

身近なものもアートになる…フランクフルト「応用美術館」での気付き

更新日:2017/08/24 16:39

浅井 みらののプロフィール写真 浅井 みらの 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者、通訳案内士(英語)、世界遺産検定2級

キッコーマンの醤油差しはお好きですか。フランクフルトのマイン川沿いに建ち並ぶ15もの博物館と美術館。その1つである、応用美術館(Museum Angewandte Kunst)は私たちが普段から使用する日常品を、デザインやアートなど独自の視点で注目し、その素晴らしさと面白さを再発見できる場所。枠にとらわれない展示会の数々は好評で、まさに時代と共に進化する美術館という印象を受けます。

そもそも“応用美術”って?

そもそも“応用美術”って?

写真:浅井 みらの

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応用美術館があるのは、フランクフルトの東西を流れるマイン川の近く。川沿いの道には多くの博物館と美術館が建ち並び、この道は博物館通り(ムゼウムズーファー/Museumsufer)とも呼ばれています。応用美術館は白い壁にたくさんの窓というシンプルな外観が特徴。中世の趣きが感じられるヨーロッパの建物とは違い、スタイリッシュで近未来的な雰囲気が感じられます。

応用美術館がテーマにしている“応用美術(アンゲバンテ クンスト/Angewandte Kunst)”。これは日用品として機能しつつ、そのデザインに美術的要素(形がキレイなど)が応用されたものをいいます。インテリアやファッションだけでなく、食器やおもちゃなど身近なものにも該当し、キッコーマンの醤油差しもその1つ。すっきりとした形が美しく、当時問題となっていた液だれを防ぐということで、デザインと機能の両方から評価され、今でも変わらず愛用されている日用品であり芸術品です。

そもそも“応用美術”って?

写真:浅井 みらの

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館内に一歩入ると、天井からは太陽光が注ぎ、どこからでも外の景色が見られます。こちらの開放感たっぷりの建物は、アメリカ人建築家リチャード・マイヤー氏がヨーロッパで初めて手掛けたもの。マイヤー氏はモダニズム建築家として世界的にも有名で、ロサンゼルスの美術館ゲッティ・センターも彼の作品のひとつです。

そもそも“応用美術”って?

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館内に展示されている“A Style Room”には、マイヤー氏が手掛けた食器類や家具が飾られ、その空間はモダンデザインのショールームのようです。ソファには実際に座ることもでき、見た目のスタイリッシュさだけでなく、座り心地の良さも実感できる、家具以上の魅力に気付かされます。

常設展で応用美術の流れを把握

常設展で応用美術の流れを把握

写真:浅井 みらの

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美術館は通年鑑賞できる常設展と、開催期間が決まっている企画展に分かれます。常設展は“Elementary Parts: From the Collections”と名付けられ、6万点の中から厳選された75点の作品が展示されています。

常設展で応用美術の流れを把握

写真:浅井 みらの

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見覚えのあるものに思わず懐かしさが甦ったり、斬新な外見に使い方をあれこれ想像してみたり…1つ1つの作品から作り手の情熱や想いが伝わり、デザインの奥深さが感じられます。家具や電化製品、それに古い置物など、ジャンルを超えて展示されているという珍しさも魅力です。

様々な表情を見せる“鏡”

様々な表情を見せる“鏡”

写真:浅井 みらの

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2017年6月24日から10月1日まで開催されている企画展“SUR/FACE. Mirrors”。本来、鏡とは反射する性質を利用し、自分自身の確認を行う道具ですよね。今では家具として当り前に使われている“鏡”を、デザイン次第でどのように表現できるか、芸術的視点で取り上げています。

様々な表情を見せる“鏡”

写真:浅井 みらの

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展示場所ごとに寝室、リビングルーム、キッチンなど家にある部屋が振り分けられ、その部屋ならではの鏡を使った家具や調度品を見ることができます。どの部屋にも鏡の機能を活用しつつ、見た目も斬新なものが置かれ、鏡の幅広い使い道に驚きです。

様々な表情を見せる“鏡”

写真:浅井 みらの

展示品が家具やオブジェだけかと思えば、こちらの洋服も展示品の1つ。服に鏡が縫い付いてたり、反射する材質の布を使っていたりと、光があたるとキラキラしてまるで万華鏡のようですね。(C)VG Bild-Kunst, Bonn 2017

見て比べて楽しめる企画展も

見て比べて楽しめる企画展も

写真:浅井 みらの

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もうひとつ、初の試みの企画展が2017年5月6日から9月17日まで開催されています。今ではアウトドアとして馴染みのある“ピクニック”。このピクニックの歴史や、世界中のピクニックはどのような様子なのかを展示しているのが企画展“Picnic Time”です。

王室も出掛けるほどピクニック好きなイギリスも紹介されています。19世紀には社交界でピクニックが流行り、専用のお皿や食器などのセット(ピクニック・ハンパー)が登場します。企画展では年代別でピクニック・ハンパーが展示され、その豪華さにうっとりです。

見て比べて楽しめる企画展も

写真:浅井 みらの

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ころっとした楕円形のかわいらしい容器。こちらはドイツのピクニックで使われたゆで卵をいれるケースなんですよ。転がらないようケース同士でくっつけられ、材質も軽いプラスチック製。ピクニック道具1つ見ても、その国の特徴が感じられますね。

見て比べて楽しめる企画展も

写真:浅井 みらの

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ピクニックの定義を“屋外で食事や景色を楽しむ”とするなら、日本も忘れてはいけません。花見や紅葉狩りなど、美術館では日本のピクニックの歴史や風俗画が展示されています。1800年代に作られた漆塗りの茶道具は細部まで装飾が施され、今でも輝きを放ち、惚れ惚れです。

同じ敷地内に建つ趣きある邸宅

同じ敷地内に建つ趣きある邸宅

写真:浅井 みらの

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白くて近代的な応用美術館の隣に、実は歴史が感じられる邸宅がひっそりと建っています。こちらは“メッツァー家の邸宅(Villa Metzler)”と呼ばれ、1804年ごろに建てれたもの。夏の離宮として時代の富裕層が所有し、1987年にマイヤー氏が改装を担いました。現在は応用美術館が所有し、応用美術館の入場券で見学もできます。

同じ敷地内に建つ趣きある邸宅

写真:浅井 みらの

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見学できるのは全9部屋。19世紀、20世紀に使われていた家具や装飾品が展示され、バロックからアールヌーヴォーのデザインが見られます。

同じ敷地内に建つ趣きある邸宅

写真:浅井 みらの

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鮮やかな色彩がまぶしい扇子も18世紀のもの。柔らかなタッチで描かれた宴の様子は、まさに絵画のようですね。

新たなものの価値に気付ける場所

普段使っている何気ないものが、立派なアート作品に。応用美術館では新たな視点や切り口によって、眠っていたものの価値や可能性に気付ける、まさに発見の美術館です。身近なものが取り上げられるからこそ、親しみが持てるのも魅力のひとつ。

存分に五感が刺激された後は、1階のカフェがおすすめです。オープンテラスからは、近所の人も訪れる公園メッツァーパーク(Metzerpark)が眺められます。お店のオリジナルレシピで作るドリンクでリフレッシュなひとときを。ぜひ訪れた際は、頼んでみてくださいね。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/07/11 訪問

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