花と渓谷美”日本三大河川”高知県の吉野川源流「白猪谷」

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花と渓谷美”日本三大河川”高知県の吉野川源流「白猪谷」

花と渓谷美”日本三大河川”高知県の吉野川源流「白猪谷」

更新日:2017/08/06 18:02

春野 公比呂のプロフィール写真 春野 公比呂 歴史研究家、郷土文筆家、郷土登山家

高知から徳島県へと流れる流路延長194kmの吉野川は利根川、筑後川と並ぶ日本三大河川。中流の大歩危・小歩危峡のラフティングは有名ですが、源流点は石鎚山脈の瓶ヶ森中腹の標高1200m地点にあります。その清らかな源流の谷・白猪谷には8月が開花期のオオキツネノカミソリの群生地があります。この谷を登るコースが整備されており、源流点碑の奥には滝も現れます。花と原生林と滝群を巡る避暑地の探勝をお楽しみ下さい。

渓谷に映える橙色の花群落

渓谷に映える橙色の花群落

写真:春野 公比呂

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吾川郡いの町寺川の白猪谷(しらいだに)の登山口は、谷に架かる「源流橋」を渡った所にあります。県道40号・石鎚公園線からここまで道標が導いてくれます。登山口周辺に駐車し辛い場合は、少し引き返すとスペースがあります。登山口の標高は880mあり、登山道を登って山林に入るとひんやりします。

源流点モニュメント奥の滝までは山慣れた方なら1時間半ほど、あまり山歩きをしない方は2時間ほど見ておくといいでしょう。最初は植林内を登って行きます。
登山口から5〜7分ほど歩いた所の左手斜面に橙(だいだい)色の花を咲かせるオオキツネノカミソリの群生地が現れます。

渓谷に映える橙色の花群落

写真:春野 公比呂

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オオキツネノカミソリは登山道沿いから上部の岩沿いにかけて広範囲に咲いています。標高が比較的高い山地で盛夏に咲く花はあまりないため、思わず見入ってしまいます。

渓谷に映える橙色の花群落

写真:春野 公比呂

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ヒガンバナ科のオオキツネノカミソリは関東以西の本州、四国、九州の山地に分布しています。一般的な花期は7〜8月ですが、白猪谷は標高が高いため、7月はまだ咲いてない可能性があります。四国では比較的よく見かける植物ですが、シャクナゲやツツジのように岩場付近に咲くケースが多く見られます。

日本一の暴れ川の本領

日本一の暴れ川の本領

写真:春野 公比呂

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「モニュメントまで75分」という手製道標から谷へと下って行くと、「沢登り」を実感できるようになります。吉野川は日本三大河川ですが、具体的には「日本三大暴れ川」で、洪水流量を表す「基本高水ピーク流量」に於いては全国一です。暴れ川の上流らしく、谷には随所に激流が飛沫を上げています。

日本一の暴れ川の本領

写真:春野 公比呂

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探勝路が川面とほぼ同じ高さになり、右岸(西岸)を遡るようになると対岸に垂直の巨大岩盤が現れますが、その起点の川床は急流によって削られ、落差のある滑床になっています。因みに登山用語で「右岸」とは、上流から下流を見た時の右側の岸、という意味です。つまり遡行時は右と左が言葉上では逆になります。

日本一の暴れ川の本領

写真:春野 公比呂

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巨大岩盤の端の箇所は流れがおだやかになっており、四万十川や仁淀川上流部にも勝るとも劣らない透明度です。
探勝路は一旦川面から離れた後、再び激流部が近づくと谷に向けて下って行きます。

次々と表情を変える渓谷

次々と表情を変える渓谷

写真:春野 公比呂

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激流部を過ぎると再び優しい流れになりますが、まるで川床の岩盤に薄い水の膜が張られたような様相です。ここを渡渉して対岸の岩盤路面を上がって行きます。

次々と表情を変える渓谷

写真:春野 公比呂

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探勝路は再び川面から離れ、高度を少し上げますが、断崖沿いに渡された木橋からはエメラルドグリーンの淵が見えています。

次々と表情を変える渓谷

写真:春野 公比呂

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木橋から1分も下ると水量の少ない箇所の川床に下り立ちます。道沿いには大木もありますが、道に木が倒れ掛かっている箇所もあります。ここは一般観光地ではなく、飽くまで山岳地なので、自治体や森林管理署も最低限の整備しか行いません。ただ、木々を潜り抜けるのもある種楽しいものです。

「モニュメントまで45分」という道標から10分少々で再び鮮やかな色合いの淵が現れますが、そこには滝が落ちています。上流に進むに連れ、また水量が少なくなってきます。

源流点の上流にある「流れ」とは

源流点の上流にある「流れ」とは

写真:春野 公比呂

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「モニュメントまで15分」の道標を過ぎて数分でカツラの大木が現れ、岩石だらけの川床を登って行くと遂に銀色に光り輝く源流モニュメントに辿り着きます。モニュメントの右奥が源流点とされていますが、そこから水が湧き出ているのではなく、ここから上流の一定区間が伏流になっているのです。金属製モニュメントは四国の形に刳り貫かれており、探勝者は皆ここで記念写真を撮ります。

源流点の上流にある「流れ」とは

写真:春野 公比呂

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モニュメントから引き返す探勝者が多いのですが、そこから更に上流に向けて踏み跡が続いており、5分ほど登ると伏流だった流れが再び川床に現れ、その先には「源流の滝」が懸かっています。

源流点の上流にある「流れ」とは

写真:春野 公比呂

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夏場、降雨のない日が続くと写真のように、源流の滝は黒光りのする岩壁を滑るように流れ落ちます。が、雨後には二条になって落下し、特に右側の飛瀑は迫力があります。

サンショウウオも生息するスーパー清流の渓谷

四国の大河の源流点や上流部と言えば、四万十川源流点や仁淀川(面河川)上流の面河渓が有名ですが、白猪谷はサンショウウオも生息するほどの清流。カツラ以外にモミ、ツガ、ケヤキ等の原生林も豊富です。
白猪谷は四万十川源流より歩き甲斐があり、面河渓ほど俗化しておらず、最低限の整備に留められているため、自然のままの渓谷を探勝するには最適です。
避暑と緑、澄み切ったエメラルドグリーンの渓流をご体感下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/08/18 訪問

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