「石見神楽」は伝統芸能界のロック!!

「石見神楽」は伝統芸能界のロック!!

更新日:2018/11/25 18:36

菊原 朝香のプロフィール写真 菊原 朝香 モデル、美肌温泉家、食べ歩きトラベラー、歴女
日本の伝統芸能というと、思い浮かべるものは「能」「狂言」「歌舞伎」でしょうか。しかし、実は日本最古の伝統芸能は「神楽」だって、知っていましたか?中でもこれからご紹介する「石見神楽」は、現在でも広く地元に根付き、おそらく地元の方々に日本一愛されている伝統芸能といって間違いないでしょう。後継者不足に悩む伝統芸能が多い中、「石見神楽」からはそんな声は皆無。そのヒミツ、みなさんに全てお伝えしましょう!

で、石見神楽って何?

で、石見神楽って何?

写真:菊原 朝香

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伝統芸能というと「かしこまった雰囲気の中、襟を正して観るもの」というイメージが強いですよね。そのイメージを爽快にぶち壊してくれるのが「石見神楽」です。島根県西部と広島県北西部にて伝わる「石見神楽」は、古来からの伝統芸能でありながら、豪華絢爛な衣装と、時に見る者の度肝を抜くような大胆なパフォーマンス、そしてわかりやすいストーリーで、石見地方の子供たちの憧れでもあります。

子供たちにとって、石見神楽は戦隊ヒーローと同じなのです。いや、もしかするとそれ以上かもしれません。石見では、幼い子供たちが「石見神楽」のポーズを決めたりセリフを言う様は、ごくごく日常のこと。他地方に住む者にとってはかなりの衝撃ですよね。

石見神楽を上演する、演劇で言うところの「劇団」のような集まりを「社中」といいます。彼らは老若男女問わず様々な人間で構成され、現在は130以上もあります。彼らは、普段は他に仕事を持った社会人や、学校に通う学生・児童。石見神楽を愛する彼ら一般の人々によって、今なお受け継がれ上演し続けられています。

石見神楽っていつどこで観られるの?

石見神楽っていつどこで観られるの?

写真:菊原 朝香

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観光で石見を訪れた時に、一番手軽に観られるのが「定期公演」。大田(おおだ)市・江津(ごうつ)市・浜田市・益田市・津和野町の5市町で土日を中心に開催されています。大体1〜2時間ほどなので、石見神楽がどんなものなのか、ちょっとのぞいてみたい人向け。

・大田市  大森町街並み交流センター、温泉津温泉「龍御前神社」
・江津市  有福温泉「湯の町神楽殿」、パレットごうつ、神楽の里「舞乃市」
・浜田市  アクアスはっしー広場、道の駅「ゆうひパーク浜田」、旭温泉「あさひ荘」、三宮(さんくう)神社
・益田市  益田駅前ビルEAGA
・津和野町 津和野町民センター、太鼓谷稲成(たいこだにいなり)神社、道の駅「津和野温泉なごみの里」

上記の12ヶ所で定期公演を上演しています。観覧料は無料のところもありますが、大体が500〜1,000円ほど(中学生以下無料)。少ないところでは月1回上演、多いと月4回上演など、場所によって開催回数が違ったり、冬は開催しないなど開催時期を限定しているところもあるので要注意。関連メモにある「島根県西部公式観光サイト」の「石見神楽」から、「石見神楽上演予定」をクリックして必ず確認してくださいね。

石見神楽っていつどこで観られるの?

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ちょっとディープな楽しみ方をしてみたい人は「奉納神楽」。地元神社の例祭の前夜祭に、神様に奉納される石見神楽を地元の方々とともに鑑賞します。石見神楽の本来のあり方がまさにこれなので、この「奉納神楽」を観た人こそが「本物の石見神楽を観た」と言えるのかもしれません。

特に9〜11月の秋祭りに開催される奉納神楽は、夜通し上演するものも多く、大人は酒を酌み交わしながら、この特別な秋の夜を過ごします。ちょっと旅慣れた人にオススメな楽しみ方です。

ただ地元の方たちの大切なお祭りにお邪魔することになるので、何点か気を付けたい点があります。鑑賞前にちゃんと神様にご挨拶すること。きちんと本殿を参拝しましょう。また客席でいい場所を独り占めしたり、許可なくカメラをセットするなど自分本位な行動は控えましょう。そしてかなり冷え込む時期なので、カイロや毛布などの防寒対策は怠らないように。

あとはとにかく気楽な体勢で楽しむだけ!気取る必要などありません。夜通し素晴らしい舞を見せてくれた社中に、感謝の気持ちを込めて贈る「御花(おんはな)」(大体3,000〜5,000円が相場)を打ってみるのも、通っぽくて粋ですよ!

石見神楽っていつどこで観られるの?

写真:菊原 朝香

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そして、色んな神楽団体の公演を見ることができる「神楽大会」という鑑賞方法も。様々な神楽団体が上演する「共演大会」と順位を競う「競演大会」との2種類があります。照明やドライアイスを駆使するなど、各団体の演出の違いや個性がよくわかり、普通に鑑賞するのとはまた違った面白さがあります。

有料であることが多いですが、ホールなど天候に左右されない大きな会場で行われ、一日中楽しむことができます。代表的なのは年に一度浜田市で開催される「日本石見神楽大会」。それ以外にも各地で色んな「神楽大会」があるので、問い合わせてみてくださいね。

石見神楽を楽しむために知っておくとちょっといいこと

石見神楽を楽しむために知っておくとちょっといいこと

写真:菊原 朝香

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神楽は日本最古の芸能と言われていて、その源流は日本神話の「天岩戸(あまのいわと)伝説」と言われてきました。そのため「石見神楽」の演目にも「古事記」「日本書紀」を元とするものが多く、現在ではざっと30演目以上もあるのです。

伝統芸能によくある鬼退治や勧善懲悪ものからコメディチックなものなどバラエティ豊か。豊作や豊漁などを願い神様に奉納するだけではなく、結婚式やイベントなどハレのお祝いとして上演されることも多いです。

スピード感あふれる小気味いいテンポの石見神楽のヒミツは「八調子」。ほとんどの石見神楽社中は「八調子」なのです。もともと「神楽」と言えば「六調子」で、こちらは農作業での動作が「型」となっているので、ゆったりとした所作で重厚な舞になります。この違いが「石見神楽」のエンターテインメント的要素を高めていると言えましょう。

石見神楽を楽しむために知っておくとちょっといいこと

写真:菊原 朝香

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また神楽面や衣装などは、伝統工芸技術として石見神楽を支えてきました。石州和紙などの伝統技術が使われたり、衣装は一着数百万円するものもあり、同じものは一つとしてありません。これらを各社中、大切に修繕しながら使い続けています。

石見神楽を楽しむために知っておくとちょっといいこと

写真:菊原 朝香

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定期公演会場の一つでもある浜田市「三宮神社」では、「外国人向け タクシー送迎プラン」を用意しています。JR浜田駅もしくは駅前のホテルから三宮神社までのタクシーの送迎付きで、夜神楽を楽しむことができるというもの。

しかもただ鑑賞するだけでなく、衣装の試着や記念撮影もできちゃう!料金は1人3,500円で、2人以上から。ツアーの1日前までに要予約です。ぜひ外国人のお友達がいる人にオススメしてあげてくださいね。申し込みは、(株)石見観光 浜田営業所 0855−23−3131までお電話を。

ぜひド迫力の石見神楽をその目で確かめて!

さて、伝統芸能界のロック「石見神楽」、いかがでしたか?火花や煙幕など、各社中工夫を凝らした演出や迫真の演技や舞には、子供だけじゃなく大人も圧倒され、「石見神楽」ワールドにひきこまれてしまいますよ!これから島根県・石見地方を旅する時は、必ず「石見神楽」鑑賞をプランに入れましょう!!絶対に観てよかったと思いますよ。

石見神楽を見るための問い合わせ先は、岩見観光振興協議会(電話番号:0855-29-5647)です。なお、記事内容は、2017年9月現在の情報となります。変更となる場合がありますので、関連メモに記載の島根県西部公式観光サイトなどで最新情報を必ずご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/07/25 訪問

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