写真:鮎川 キオラ
地図を見る2000年の九州・沖縄サミットや2008年の北海道洞爺湖サミットで使用されたワインを生産するワイナリーが栃木県足利市の市街地から少し離れた山里にあります。
栃木県にワイナリー?と思われる方も多いと思います。100%国産ぶどうで造る、こだわりの日本ワインを生産するワイナリーのひとつとして注目を集めているワイナリーです。
ワイナリーに到着すると、気持ちいい風と共に甘いぶどうの香りと森の香りが出迎えてくれます。小さいながらセンスの良いエントランスに胸が躍ります。店内にもセンスの良いワインやジャム、お菓子などお土産に喜ばれそうな商品が目をひきます。店内の奥のカウンターでは、ワイナリー見学の申し込みと自慢のワインのテイスティングをすることができます。
【ワイナリー見学(予約制)】参加費:500円
10:30,13:00,15:00の1日3回
【ワインテイスティング】参加費:500円
写真:鮎川 キオラ
地図を見るこのワイナリーでまず驚くことが、この急勾配のぶどう畑です。ゆるやかな丘陵地に整然と並ぶぶどう畑のイメージが強いので、何でまたこんな土地に?との疑問がでてきます。
答えは意外にも、お金がなかったからこの土地しか買えなかったそうです。
このワイナリーは、ぶどうに適しているからはじめた事業ではなく、特殊学校の教師が、知的ハンディキャップのある生徒達の卒業後の働く場所を提供したいとの思いから私財を投じてこの山を購入し、開墾したことがはじまりです。
生徒達の身体と精神を健全に保つための一番の労働として農作業を思いついたそうです。小さな杉しか育たない痩せた土地に、さて何を植えようと考え、ぶどうを植えてみたら、意外にもこの急斜面の日当たりと水はけの良さからおいしいぶどうが収穫できたそうです。最初は休憩の時のおやつとして自分達で作ったぶどうを食べていましたが、生徒の1人がおいしいワインを作ってみようと発案したことからワイナリーとしての歩みがはじまったそうです。
下草刈りから剪定、収穫に至るまですべて人の手で行い、開墾以来、除草剤を使ったことは一度もないそうです。生徒達は、一度自分の仕事と認識すると、辛抱強く一生懸命取り組むそうです。彼らのひたむきさに頭が下がります。
また、このワイナリーでは、その背景を全面に出すことで人々の善意を当てにするのではなく、「その背景をいい訳としない!!」との信念で最高のワイン造りをしているところが好感が持てます。この信念は、ワイン造りの指導者として招いたカリファルニアのブルース・ガットラブ氏との約束だそうです。
写真:鮎川 キオラ
地図を見る見学ツアーでは、ワインが眠るカーヴをご案内してくれます。30℃を越える暑いこの日も半袖では涼しいカーヴには、出荷される日を待つワインが静かに眠っています。
「ワインのいびき」と言えそうな、ワインがフツフツと発酵している様子を見せてくれました。
写真:鮎川 キオラ
地図を見るココ・ファームでは、ぶどう畑を眺めながらワインと食事を楽しめるレストランを併設しています。食事のメニューは、本格的なコース料理からアラカルトメニューまで、訪問した時の気分とお腹のすき具合に応じて選べます。子供向きのぶどうジュースもあります。
しかしながら、このワイナリーにも唯一の難点があります。公共交通機関でたどり着くにはとても不便な場所にあるので車で行くしかありません。車で出掛けた場合は、ワインを購入して自宅で飲むしかありません。味は同じはずですが、素敵なワイナリーの雰囲気とお日様の下で味わう料理とワインは数倍美味しいはず。
自宅飲みではなく、青空の下で飲みたい方はぜひ11月に予定している収穫祭に合わせてお出掛けください。いつもより込み合いますが、JR足利駅、JR新宿駅から臨時シャトルバスが運行されれる予定です。
【第29回収穫祭】
2012年11月17日(土)、18日(日)予定
※シャトルバスや参加費などの詳細は公式サイトをご確認下さい。
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(2025/1/18更新)
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