中国と四国の間にあるのが瀬戸内海。だからこそ蛇神信仰が他の地域よりも根付いていると言えます。その理由は海です。神社でよく見かけるのは龍。
これは中国伝来の架空の生き物です。日本に入ってきた龍から連想するものは蛇。日本神話では八岐大蛇のように、古くから蛇は怖い存在でした。しかしながら中国では皇帝のシンボルでもあり、神に通じる存在。
龍が日本に伝わり、その姿から連想された生き物である蛇はやがて、神として崇められることになったとも言われています。そして龍が住んでいるのは水辺。瀬戸内海がある中国・四国地方では海運の安全を祈る対象が龍であり、これは同時に蛇と考えられるのです。
蛇信仰は世界中にあるのですが、もしかすると日本は独自のものがあったのかも知れません。その理由ですが、神話に出てくる八岐大蛇の目は真っ赤。蛇は古代においてカガチ、カガ、ハハ等と呼ばれており、赤いホオズキは古代においてカガチと呼ばれていました。
まるで蛇の目の赤のようなホオズキ。丸く赤いものとして言葉の繋がりが見えてきます。また、神社には鏡がありますが、これは(カガ)と見る(ミ)が一緒になったものと言う説もあります。
境内には可愛い蛇がいます。決して怖いものではありませんので安心して参拝をして下さい。そして、道通神社では、交通安全、開運、願い叶う神社として多くの人が参拝に訪れます。
道通神社の起源は、永禄年間(1560年頃)とされています。しかしながら蛇神信仰はさらに古くからこの地域にありました。昔の笠岡村道通谷という地名から道通神社の名は来ていますが、この地名にも意味があります。
道通は古い時代から「とうびょう」と呼ばれていた小さな蛇のこと。人に憑いて悪さをすると言われていました。それを鎮めるため、神として崇めるようにしたというのは、日本の歴史では菅原道真に代表されるように、よくある話です。なお、道通神社は現在、「どうつうじんじゃ」の呼び方で通っています。
アマテラス、オオクニヌシ、イザナギ、イザナミのような神様はよく知られていますが、「猿田彦命(サルタヒコ、サルタヒコノカミ)」は日本神話を読んだ人でもあまり記憶にないかも知れません。しかしながら、猿田彦命はとても重要な神様なのです。なぜなら神様を導く神様!
邁邁芸尊が天から降りるとき、その道案内をした神様なのです。その姿は目が八爬鏡(やたのかがみ)のようで、その色は赤はおずき(あかかがち)。ここで「かがみ」と「あかかがち」と出てきましたが、これが蛇に繋がる大きな理由となっています。
猿田彦命の姿で象徴的なのが鼻。まるで天狗のように長い鼻を持っており、道通神社拝殿前にその様子を見ることが出来ます。
このように神様を導く神様だからこそ、神様の中でも特に願いを聞いてくれ、良き方向に導いてくれるのです。これはぜひとも参拝せねば!
また、神様を誘い出した神様がいます。その名は天宇受章命(あめのうずめ)。天照大神は弟の乱暴に怒り、岩戸に隠れてしまったことがあります。世の中が暗くなって神々は困り、そこで作戦を考えました。それは岩戸の前で楽しい踊りを披露するというもの。そこに集まった神々は大喜び。
岩戸の中の天照大神は何が起きているのか興味を持ち、結果として外に出てきたのです。この踊りを披露した神様こそ天字受頁命であり、芸能の神様として信仰を集めています。
ほのぼのとした姿に、手を合わせてみてはいかがでしょうか。
蛇信仰は古い歴史があり、様々な地域に残されているもの。決して怖い存在ではありません。蛇に繋がるとも言われ、神様を導いた猿田彦命を主祭神とする道通神社で、皆さんの願いが叶うように祈願してみてはいかがでしょうか。
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