スペイン世界遺産「セゴビア旧市街」絶対に外せない三大名所

スペイン世界遺産「セゴビア旧市街」絶対に外せない三大名所

更新日:2017/10/03 11:54

Lady Masalaのプロフィール写真 Lady Masala 知られざる名所案内人、蚤の市マニア
古代ローマ人の手によってつくられたとされる「水道橋」、12世紀から700年もの歳月をかけて増改築が繰り返されたという「アルカサル」、18世紀に完成されたスペインでは最も新しいゴシック様式の「カテドラル」。建てられた年代は異なれど、それらの建造物が見事に調和し、美しい街並みが形成されている「セゴビア旧市街」。世界遺産にも登録されている城塞都市「セゴビア」で、2000年の歴史を感じてみませんか。

ローマ人の富と技術の結晶「ローマ水道橋」

ローマ人の富と技術の結晶「ローマ水道橋」

写真:Lady Masala

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首都マドリッドから高速列車でわずか30分、バスでも1時間余りという便利な立地条件にある「Segovia(セゴビア)」。見るべき場所はいくつもありますが、絶対に外せない名所のひとつがアソゲホ広場にある「Acueducto Romano(ローマ水道橋)」。その堂々たる姿は見る者を圧倒します。

全長813メートル、最も高いところで28.5メートルもあるという巨大な水道橋は、2000年以上も前に古代ローマ人によって建てられました。19世紀の終わりまでは実際に使用されていたという水道橋は、市街地に水を供給するために18キロも離れたフリオ川から水を引く役割を担っていたのです。

ローマ人の富と技術の結晶「ローマ水道橋」

写真:Lady Masala

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石造りの橋にはずっしりとしたイメージがありますが、セゴビアにある水道橋は長身でスリム。実際、813メートルもの高さがあるにも関わらず、横幅はわずか2.4メートル。外観が美しくスタイリッシュに見えるのはそのためです。

花崗岩を積み上げてつくられたという水道橋。驚くべきことに、釘やセメントなどの石と石とを接合する道具は一切使用されていません。128か所もあるアーチ部分も然り。石を上手に組み合わせることによってのみバランスを保っているのです。

ローマ人の富と技術の結晶「ローマ水道橋」

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まさに神業と言ってよいほどの高度な技術に、人々は悪魔の介在を疑ったといいます。そして、ひとつの伝説が生まれました。

むかし、セゴビアにひとりの若い娘が住んでいました。娘は日に何度も遠くの川まで水を汲みに行かなければなりませんでした。働き者の娘でしたが、ある時、魔が差したのでしょう。「夜が明けるまでに、この町まで水を引いてください。私の魂と引き換えでも構わない。どうか願いを叶えてください」と、つぶやいたといいます。それを聞きつけた悪魔は、夜のうちに水道橋を完成させようとしますが、最後の石を積み上げるところで一番鶏が鳴きはじめました。正気を取り戻した娘は自らの行いを恥じ、教会で深く懺悔しました。娘は赦され、水道橋の中央にはマリア像と十字架が飾られるようになったということです。

神でないなら悪魔がつくったに違いないと思わせるほどに精巧で美しい「ローマ水道橋」。2000年前のローマ人が有した知恵と技術を間近に感じられることでしょう。

<基本情報>
住所:Plaza del Azoguejo, 1, 40001 Segovia

崖の上に築かれた難攻不落の城「アルカサル」

崖の上に築かれた難攻不落の城「アルカサル」

写真:Lady Masala

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世界で最初につくられた長編アニメーション映画、ディズニー「白雪姫」に登場する城のモデルとなった「Alcazar de Segovia(アルカサル)」は、高さ100メートルほどの断崖の上に建てられています。

スペイン語で城や宮殿を意味するというセゴビアのアルカサルは、イスラム教徒が基礎を築いた要塞をもとに、12世紀にカスティリャ王国アルフォンソ6世によって改築されました。

ローマ人によって城壁の内側に築かれた旧市街。そのなかでも、南北西の三方を断崖で囲まれた天然の要塞ともいえる場所に建てられたアルカサル。地下にある秘密通路のほかには、跳ね橋以外に目に見える出入り口もなく、敵の攻撃を避けるべく入念な設計がなされています。

崖の上に築かれた難攻不落の城「アルカサル」

写真:Lady Masala

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その内部は豪華絢爛で、異なる時代のさまざまな展示品を見ることができます。特に「諸王の広間」のきらびやかさには圧倒されます。壁の上部にディスプレーされた歴代の王の彫像と、ガレー船をひっくり返したような形の天井に施された見事な装飾。あまりの美しさに首が痛くなるのも忘れて見とれてしまいそうです。

「カトリック両王」の称号を授けられ、アラゴン王子フェルナンドと結婚して現在のスペインを築いたイザベラ1世ゆかりの場所でもあるアルカサル。彼女の治世にコロンブスが新大陸を発見し、後にアメリカ大陸のほとんどを植民地とする黄金時代を迎えます。そのイザベラ1世は、ここアルカサルから出発し、マヨール広場で行われた戴冠式へと向かいました。「ガレー船の広間」には、その時の模様が描かれています。

崖の上に築かれた難攻不落の城「アルカサル」

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アルカサルは、1561年に国王フェリペ2世が王宮をマドリードに移した後、城砦や牢獄として使用されるようになりました。1762年には王立砲兵学校設立。1862年の火災では大半を焼失してしまいますが、修復され、1898年には軍事博物館が設けられます。そして、1951年からは広く一般に公開されるようになりました。

時代によってさまざまな目的で使用されていたアルカサル。ローマ人の入植からレコンキスタ、大航海時代を経て「太陽が沈まぬ国」と言われたスペイン。ここアルカサルでは、その歴史を垣間見ることができるでしょう。

<基本情報>
住所:Plaza Reina Victoria Eugenia, s/n, 40003 Segovia
電話番号:+34-921-46-07-59

威厳と気品に満ちたたたずまい「セゴビア大聖堂」

威厳と気品に満ちたたたずまい「セゴビア大聖堂」

写真:Lady Masala

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レストランや土産物店が軒を連ね、曜日によっては屋外マーケットも開かれるマヨール広場。そこから見上げる堂々たる建物は「Catedral de Segovia(セゴビア大聖堂:カテドラル)」。その姿はまるで、スカートの裾を広げた貴婦人のよう。優雅で気品あるたたずまいから「大聖堂の貴婦人」ともよばれています。

威厳と気品に満ちたたたずまい「セゴビア大聖堂」

写真:Lady Masala

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16世紀初頭に起こったコムネロスの反乱により、かつての大聖堂はその大部分を破壊されます。その後、戦乱で勝利を収めたカルロス1世が新たにつくらせたのが現在ある大聖堂。1525年に工事がはじまり、完成したのは1768年。およそ250年もの歳月を要して建てられました。

大聖堂が完成した18世紀にはあまり用いられることのなくなったゴシック様式の建物は、スペイン最後のゴシック建築となりました。内部には戦乱の破壊を免れた聖歌隊席やステンドグラスなどが旧大聖堂から移築されています。

威厳と気品に満ちたたたずまい「セゴビア大聖堂」

写真:Lady Masala

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一般的な大聖堂では、中心にある主祭壇を取り囲むように、聖人やゆかりの人物の礼拝堂が配置されています。セゴビア大聖堂も例外ではありませんが、主祭壇よりも個々の礼拝堂の美しさが際立っているのが特徴的。

気味が悪いほどに写実的なキリスト像、愛くるしい聖母マリアの肖像画。礼拝堂によってその印象は大きく異なります。緑と白がやわらかい風合いの壁紙や、赤を基調としたフランドル風の天井など、祭壇周辺の装飾にも注目してみてください。それぞれの表現方法は異なれど、神に捧げられた芸術の神髄を感じることができるでしょう。

<基本情報>
住所:Plaza Mayor, s/n, 40001 Segovia
電話番号:+34-921-46-22-05

歴史を語る「セゴビア」の街並み

首都マドリッドから高速列車でわずか30分という立地のよさに加え、建てられた時代も背景も異なる「ローマ水道橋」、「アルカサル」、「カテドラル」を有する「セゴビア」。見ごたえのある三大名所をめぐることで、歴史あるその美しい街並みを満喫できることでしょう。

2017年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/08/08−2017/08/12 訪問

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