スペイン「セゴビア」知られざる教会と秘宝を有する修道院

| スペイン

| 旅の専門家がお届けする観光情報

スペイン「セゴビア」知られざる教会と秘宝を有する修道院

スペイン「セゴビア」知られざる教会と秘宝を有する修道院

更新日:2017/11/02 19:50

Lady Masalaのプロフィール写真 Lady Masala 知られざる名所案内人、蚤の市マニア

世界遺産にも登録されている「セゴビア旧市街」には、古い時代に建てられた教会や修道院が数多くあります。ピンクがかったクリーム色の建物は、周囲の風景に溶け込んで美しい街並みを形成しています。その外観の美しさは疑いようがありませんが、内部の壮麗さは見る者を圧倒します。
セゴビアを訪れるなら、小さな教会や修道院をめぐり、中をのぞいてみてください。荘厳で神聖な祈りの空間は、どこまでも静謐で神秘的です。

祈りと神秘の空間「サン・アントニオ・エル・レアル修道院」

祈りと神秘の空間「サン・アントニオ・エル・レアル修道院」

写真:Lady Masala

地図を見る

首都マドリッドから高速列車でわずか30分という便利な立地条件から、日帰りで訪れる観光客に人気の「セゴビア」。ガイドブックに載っている主な名所にしぼって観光するだけでも充分な見ごたえがありますが、ここセゴビアには、短時間ではとても見ることのできない知られざる見どころがたくさんあります。神々しいばかりの美しさに圧倒される教会や修道院もそのひとつ。時間が許すのであれば宿泊して、じっくりと街歩きを楽しみたいものです。

祈りと神秘の空間「サン・アントニオ・エル・レアル修道院」

写真:Lady Masala

地図を見る

15世紀にカスティーリャ王であったエンリケ4世の命令で設立されたという「Monasterio de San Antonio el Real(サン・アントニオ・エル・レアル修道院)」。ここでは、現在も修道女たちが暮らし、日々の祈りを捧げています。

スペインには歴史ある数多くの教会や修道院が存在しますが、収蔵されていた貴重な宝物を博物館に譲渡している場合がほとんどで、現在に至るまでそれらを保管・管理している場所は極めて稀だといいます。

祈りと神秘の空間「サン・アントニオ・エル・レアル修道院」

写真:Lady Masala

地図を見る

ここ「サン・アントニオ・エル・レアル修道院」では、院内に独自の博物館を設け、歴史の重みを感じさせる品々を一般に公開しています。イスラム風の彫刻が見事な天井と、その下にある黄金の祭壇を見るだけでもここを訪れる価値があるというものですが、その奥には、もっと素晴らしい宝物が待ち受けているのです。

祭壇横にある扉の奥が展示室。近くに案内の人がいなければブザーを鳴らしましょう。入場料を払って中に入ると、そこはまるで別世界。浮世とは違った空気が流れているかのようです。回廊のところどころに飾られる古めかしい聖人の像。オランダの貴族からスペイン王室へと寄贈されたという古い楽譜。フランドル芸術の技巧を凝らした美しい天井。500年以上の時を経て、それらがつくられた頃とほぼ同じ形で残された貴重な宝物は、見る者を厳粛な気持ちにさせます。

<基本情報>
住所:San Antonio el Real, 6, 40004 Segovia
電話番号:+34-921-42-02-28

聖ヨハネ騎士団の精神を今に伝える「ラ・ベラ・クルス教会」

聖ヨハネ騎士団の精神を今に伝える「ラ・ベラ・クルス教会」

写真:Lady Masala

地図を見る

スペインの一般的な教会とは姿を異にし、エルサレムにある「聖墳墓教会」を思わせる十二角形の建物が特徴的な「Iglesia de la Vera Cruz(ラ・ベラ・クルス教会)」。テンプル騎士団によって建てられたと言われてきましたが、近年の研究により「聖ヨハネ騎士団」を起源とする可能性が高いことが明らかになっています。

「聖ヨハネ騎士団」とは、病気になった巡礼者を保護する目的でエルサレムに設立された騎士修道会のこと。本拠地を移動するたびに名称をかえ、現在の正式名称は「ロドスおよびマルタにおけるエルサレムの聖ヨハネ病院独立騎士修道会」。本拠地としての国土こそ失ったものの、騎士団は存続しています。

聖ヨハネ騎士団の精神を今に伝える「ラ・ベラ・クルス教会」

写真:Lady Masala

地図を見る

歴史的背景からも伺えるように「ラ・ベラ・クルス教会」は、セゴビアにある一般的な教会とは雰囲気が異なります。随所に見られる八つの角をもつ十字架は、聖ヨハネ騎士団のシンボル。それぞれの角は、忠誠心、敬虔、率直、勇敢、名誉、死を恐れないこと、弱者の庇護、教会への敬意といった騎士道における美徳を象徴しています。

聖ヨハネ騎士団の精神を今に伝える「ラ・ベラ・クルス教会」

写真:Lady Masala

地図を見る

まるでお地蔵様を思わせる石の彫刻は、洗礼者ヨハネと聖マリア像。素朴で飾り気のない姿、そして、その穏やかな表情を見ているうちに、こちらまで安らかな気持ちになれそうです。

教会周辺は「アルカサル」の絶景スポットとして知られています。撮影のついでに外観だけを見て通り過ぎてしまうのではなく、ぜひとも中に入ってみてください。聖ヨハネ騎士団が理想とした精神世界を垣間見ることができるはずです。

<基本情報>
住所:Ctra. de Zamarramala, 40003 Segovia
電話番号:+34-921-43-14-75

ユダヤ人迫害の歴史を垣間見る「コルプス・クリスティ教会」

ユダヤ人迫害の歴史を垣間見る「コルプス・クリスティ教会」

写真:Lady Masala

地図を見る

ユダヤ人街にあり、現在は修道女たちが暮らす「Iglesia del Corpus Christi(コルプス・クリスティ教会)」は、かつてのシナゴーグ(ユダヤ教の教会)。ここセゴビアにも多くのユダヤ人が住んでいましたが、8世紀にはじまったレコンキスタ(キリスト教徒による国土回復運動)により、彼らはキリスト教への改宗を迫られることとなります。14世紀以降は、それを拒んだ者は国外追放を余儀なくされ、シナゴーグはキリスト教会へと姿をかえました。

ユダヤ人迫害の歴史を垣間見る「コルプス・クリスティ教会」

写真:Lady Masala

地図を見る

その建物は1889年の火災で大部分を焼失しましたが、20世紀に入ってから復元され、当時の姿を取り戻しました。等間隔で並ぶ八角形の列柱には植物模様の装飾が施され、そこがかつてシナゴーグであったことを物語っています。シナゴーグの中心にすえられたキリスト教の祭壇。ふたつの宗教が融合するエキゾチックな空間は、スペインのたどった複雑な歴史を象徴しているかのようです。

清潔感のある白で彩られた八角形の列柱、馬蹄形がイスラム風の飾り窓。それらの美しさは言うまでもありませんが、入り口付近にあるキリスト生誕祭をかたどった模型にも注目してみてください。パンやカゴなどのひとつひとつの小物まで詳細につくられており、何時間でも眺めていられそうです。

<基本情報>
住所:Plaza del Corpus, 7, 40001 Segovia
電話番号:+34-921-46-34-29

歴史の重みを感じる「セゴビア」の教会と修道院

セゴビアに限らず、スペインにある教会や修道院は、午前中から14時頃、シエスタをはさんで16時頃から一般に開放される場所が多いようです。

セゴビアの旧市街を歩いていると、今回ご紹介した以外にも歴史ある美しい教会や修道院をいたるところで見ることができます。その扉が開いていたなら、ぜひとも中に入ってみてください。荘厳できらびやかな空間は、何人をも温かく迎えてくれることでしょう。

※関連MEMOには「セゴビア旧市街」で訪れることのできる施設を紹介した記事を掲載しています。よろしければそちらもご覧ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/08/08−2017/08/12 訪問

- PR -

条件を指定して検索

LINEトラベルjpで一緒に働きませんか?

- PR -

旅行ナビゲーター(在宅ライター)募集中!
この記事に関するお問い合わせ

- PR -