岡山県高梁市を通る国道313号線で、有漢(うかん)町から林道を上っていくと祇園寺に到着します。国道沿いには大きな看板があるので入口は分かりやすいでしょう。
また、この付近は遊歩道が整備されており、季節によっては歩いて登ることも可能です。歩く場合は服装、虫除け、水分補給の準備を忘れないようにして下さい。
車だと5分程で到着。山門の手前が無料駐車場となっています。周囲は広々としており、駐車場からすでに良い雰囲気を楽しむことが出来ます。
山号は補陀洛山、院号は感神院、そして本尊は千手観音となっています。山の中の祇園寺は、空海「弘法大師」の建立と伝えられ古い歴史があるのです。
山門を潜ると正面に見える本堂。幾年月を越えてきた風格が感じられる場所。ところで、祇園と言えば京都です。祇園にあるのは八坂神社ですが、祀られている神に牛頭天王がいます。
牛頭天王は神仏混清の日本で象徴的な神とされていますが、祀られている場所はあまり多くはありません。祇園で思い起こされるのは京都の祇園だけではなく祇園精舎でありこちらは仏教です。
祇園精舎を守る神にも位置づけられているのが牛頭天王ですが、インド、チベット、中国、朝鮮等で信仰された形跡は確認できておらず、日本古来の神ではないかとも考えられています。しかしながら、だからこそ神仏混清の祇園社系にはぴったりの神と言えるのでは。
住職によると、高梁「祇園寺」と京都「八坂神社」の関係は、過去に発生した火災で寺伝が焼失してしまい今では確認が出来ないとのこと。しかしながら昔からその名は祇園寺であり牛頭天王を祀っていることからも、八坂神社と関係があると考えるのが自然なことでは、とお話しされていました。
仏教の本堂の後にある神道の祇園宮。今でも京都「八坂神社」、備後「沼名前神社」そしてこの祇園社は祇園三社と言われています。
祇園牛頭天王と額が付いた鳥居があります。神と仏が一帯となった神仏混淆であり、平安時代に山岳仏教の色合いも感じ取ることが出来る場所です。
空海のお手構えとされる「天狗大杉」ですが、なぜ天狗の文字があるのでしょう。これには一つの伝説があり、天狗がこの杉に止まって羽を休めたということから来ているのです。
樹齢は約1200年とされ、空海が手植えをしたと言われるのも納得できる巨大な古木。
西日本では楠木の巨木は多いのですが、杉はあまり見かけません。そのような意味でも貴重な遺産と言えるでしょう。
鎌倉時代の作とされる「石造宝塔」が本堂の手前にあります。長い歴史の間、様々な人たちを見続けてきたことでしょう。
厄除け、病気平癒にご利益のある祇園寺。その他の場所を含め時代を感じる堂々とした姿を、じっくりと眺めてみましょう。もちろん、祈願を忘れずに。
条件が合えば、標高500mの祇園寺から雲海を眺めることが出来るそうです。歴史ある文化財が多く、何よりも空海建立、空海によるお手植えとされる天狗大杉があります。
歴史好きな人はもとより、弘法大師に関するお参りをしている人は足を運んでみてはいかがでしょうか。
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