「寝台列車」と聞いて何を思いますか?“夢がある”“旅情を楽しむ”なんて答えた方は、今年こそ、「走るホテル」と称される豪華寝台列車カシオペアに乗って北の大地を目指す旅を計画してみませんか。
寝台列車が、「夜汽車」なんて呼ばれていたひと昔前。夜通し走って目的地まで連れて行ってくれる列車は、移動することだけが目的でした。乗ることが目的となるような豪華で優雅な旅を提供する「カシオペア」が運行を開始したのは1999年となります。
カシオペアは、すべてがA個室の寝台列車です。乗車後しばらくすると、ウェルカムドリンクが部屋まで運ばれ、翌朝には朝刊やモーニングコーヒーのサービスも全寝台についています。部屋着やタオルも用意されていて、ホテル並のサービスを提供し、「走るホテル」と称されています。
カシオペアの快適さは、その乗り心地です。電車に揺られて気持ちよくウトウトしていても、駅に停車した時や走り出す時の「ゴットン」で目が覚めませんか。カシオペアは、そのゴットンをほとんど感じないのです。少し細かい話をすると、カシオペアの客車は、車両を隙間なく連結する密着連結器を採用しているので、眠りを妨げない快適な走行ができるのです。私が乗車した中で一番ぐっすり眠れる寝台列車です。
カシオペアの客室の種類は、スイート(7室)、デラックス(1室)、カシオペアツイン(78室)、コンパート(1室/車椅子対応タイプ)の4つに分かれています。 全室に洗面台とトイレが標準装備されています。スイートとデラックスにはシャワー設備も完備されています。
カシオペアの中で、部屋数の多いスタンダードなタイプがカシオペアツインとなります。それ故に、チケットも比較的取りやすい客室です。ツインは、1階室、2階室、平屋室(補助ベット付3人利用対応)の3タイプ。いずれもリビング兼寝室となるので、就寝時はソファーを引き出してベットをつくります。ツインの天井高は180cm、シャワーがない以外は、スイートと変わらぬ設備なので、充分快適です。
上野駅から札幌駅まで1214.7km、約17時間。飛行機を利用すれば、羽田から約1時間半ほどで札幌まで飛んで行けるのに、17時間も何をして過ごそうかと悩んでしまいますか。でも、寝台列車の車内で過ごす時間は、飽きないものですよ。飛行機に比べて自由に車内を動き回れるからでしょう。車内の楽しみ方3つをご紹介します。
【車窓を楽しむ】
寝台列車が飽きない理由のひとつは、車窓の景色が変わるから。ぼーっと外を見ているだけでも時間が過ぎていきます。お勧めは12号車に設けられたラウンジカー。個室の窓よりも大きな窓から望む景色は、実は個室で見るより見晴らしが最高なんですよ。静かにBGMもかかっていて憩いのスペースです。下りでは、夜が明けるとこの窓の先に大海原を望むことができます。また、深夜から明け方にかけての時間帯ですが、下りの青森〜函館間は牽引車が1号車側に連結されるので、遮るものがなにもない後方展望を楽しむことができます。
【食事を楽しむ】
食堂車での食事は、寝台列車を利用するお楽しみのひとつ。その為、予約制の夕食は座席の確保と同時にチケットを予約しないと満席になるほど人気があります。もし予約チケットが購入できなくてもがっかりしないで。夕食後(21:45くらい)から23時までのパブタイムは、予約なしで利用することができます。アラカルトメニューも充実しているので、軽めの夕食をとることもできます。朝食も朝6時30分から予約なしで利用できます。実はディナータイムはあまり車窓を楽しむことができません。食事をしながら車窓を楽しむなら断然朝が狙い目なのです。
【どうしても眠れない方へ】
カシオペアの醍醐味は、朝起き時に目の前に広がるきらめく北の大地の風景です。なので、夜は早めに床に就くに限る。でも、旅の初日はなんかワクワクして眠れないものですね。ましてや寝台列車なんて非日常の乗り物にのっているのですからなおさらです。どうしても寝られない方へ、夜中のお楽しみをひとつ。下り列車が全長53キロの青函トンネルに突入する時間は、午前3時30分頃。後方展望が楽しめるラウンジーからぜひご覧ください。最深部には緑のランプが灯り、どこかへワープしそうな幻想的な景色を見ることができます。
カシオペアで旅した話しをすると、「よくチケット取れたね〜」なんて言われることが多くあります。特にGWから夏休みシーズンの下りチケットは、発売と同時に完売する人気ぶりです。でわ、どのように入手するかその方法を紹介します。
【発売日10時にみどりの窓口で購入】
JRの新幹線や特急の指定席は、乗車日の1ケ月前の10時に全国一斉発売します。その10時ジャストにみどりの窓口でチケットを購入する方法です。予約に慣れている係員がいて、かつそんなに混んでない窓口を事前にチェックしておく必要があります。
【キャンセル待ちを狙う】
発売日にチケットを購入できなくても、カシオペアは後からキャンセルが出るのです。理由は、どうしてもチケットが欲しい方が複数のみどりの窓口や旅行会社に予約をお願いしているからです。発売日から2〜3日目、旅行会社が、ツアー用の確保席を手放す2週間前は、要チェック。また、取り消し手数料が上がる出発2日前に手放す方も多く、出発直前も狙い目なのです。
【旅行会社のツアーに申込む】
実は1番、確実に確保できるのが、カシオペア利用のツアーを予約することです。一般の席が1ケ月前なのに対して、ツアー利用の方は、旅行会社が事前確保している席を、長いもので半年も前から予約しておくことができるのです。
旅行会社では、4月からの上半期のツアーを2月ごろ、10月からの下半期のツアーを7月ころに発売します。ツアーの発売日を狙う旅行者は少ないのでかなりの高い確率でベストシーズンにカシオペアで旅することができるんです。フリープランを選べば、割安に個人旅行ができますよ。デメリットとしては、部屋の指定が出来ないので、部屋タイプの確認とリクエストがあれば事前に申し出ておきましょう。
【下りにこだわらない】
札幌から上野へ向かう上りが比較的空いています。上りの最大の魅力として、函館〜青森間以外は、乗客誰もが利用できる12号車のラウンジカーから、遮るものがない最高の展望を楽しめることなんですよ。
カシオペアが洗練された高級ホテルなら、北斗星は昭和生まれのクラシカルホテルと言えます。青函トンネル開業に伴い、1989年にデビューした北斗星は、日本中が憧れた豪華寝台列車でもあります。その魅力は、予算と目的に合わせて選択肢の多い客室の種類です。1人用個室やB寝台もあり、一人旅派も気軽に利用することができます。
乗り心地はカシオペアより劣りますが、より旅情を感じたいなら趣のある北斗星もお勧めの寝台列車です。
一度は乗ってみたいと憧れながら、なかなか乗る機会のないのが寝台列車ではないでしょうか。早くて快適に、目的地までびゅーんと連れて行ってくれる飛行機が旅のメインになってしまいましたね。
カシオペアツイン2人利用で上野から札幌までのお値段、運賃込で大人1人34,220円也。LCCなら1万円台で札幌まで行けることを考えると割高ですね。でも、航空運賃の割引率がほとんど期待できないGWや夏休み、年末年始ならどうでしょう。また、飛行機なら2歳からしっかりかかる運賃も列車なら未就学児は無料となっています。ベストシーズンの家族旅行にカシオペアを利用するならそんなに割高ではないはず。ぜひ、目覚めれば北の大地が目の前に広がる感動を体感してみてください。
※下記MEMO欄の北海道のガイド記事も合わせてご覧ください。
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(2024/12/12更新)
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