写真:四宮 うらら
地図を見る「雛のつるし飾り」とは、東伊豆町・伊豆稲取温泉に江戸時代から伝わる風習で、桃の節句に、ハギレで作った手作りの飾りを、赤い紐に吊るして、娘の健やかな成長を願うもの。
福岡柳川市の「さげもん」、山形県酒田市の「傘福」と合わせて、「日本三大つるし飾り」と称されています。
昔はお雛様を購入できる裕福な家庭はまれ。
せめて、お雛様の代わりに、愛する子供や孫のために手作りで、初節句を祝おうという、切ない親心から生まれたのが稲取の「雛のつるし飾り」です。
稲取温泉では、戦後、すたれつつあったこの風習を、町独自の和細工として継承し、春のイベントして復活。「雛のつるし飾りまつり」は年を重ねるごとに、人気の行事となっています。
2019年は1月20日(日)〜3月31日(日)まで開催。
写真:四宮 うらら
地図を見る会期中は稲取温泉の各所で「雛のつるし飾り」が展示されるとともに、さまざまなイベントが開催されます。
写真はメイン会場の「文化公園雛の館」の展示の一部。日本三大つるい飾りの坂田の傘福や柳川のさげもんが一緒に並んでいます。
雛のつるし飾り展示会場
メイン会場
●文化公園雛の舘
約90対(99,000個)展示
入館料 300円
●雛の舘「むかい庵」
約70対(7,700個)展示
入館料 300円
協賛会場
●「なぶらとと」
入場料金 100円
など
写真:四宮 うらら
地図を見る「文化公園 雛の舘」に、ユニークなつるし飾りがあったのでご紹介する。
稲取の名産品、金目鯛の“鯛の鯛”で作られたつるし飾りだ。
“鯛の鯛”は胸ビレの付け根の骨で、魚の形をしていることで知られている。地元では古くから「幸運に恵まれる」「お金が入ってくる」などの縁起物として珍重されているとか。
文化公園雛の館に行ったら、ぜひチェックしてみよう。
写真:四宮 うらら
地図を見る「雛のつるし飾り」は、一つの竹ひごの輪から赤い紐が5本下げられ、1本の紐に11個の飾りを付けるのが基本形。2つを1対として飾るので、計110個の飾りが付けられています。
「母から娘へ、娘から孫へ、一針、一針作られるいくつもの飾りには、すべて意味があり、小さな布に大きな願いが込められた愛情の結集です」と語るのは「雛のつるし飾り製作体験工房 絹の会」の代表、森幸枝さん。
そのいわれ≠フ一部をご紹介します。
(桃)
つるし飾りに必ず入っているのが桃。桃には邪気・悪霊を退治し、延命長寿の意味がある。また、早く花が咲き、植えやすく実が多いので多産を意味する。
(さる)
厄がさる、難がさるのかけ言葉。
(三角)
香袋をあらわす。お香は貴重品で、気を静めるお香は薬の代用品でもあった。
(巾着)
お金に困らないようにという願いをこめて。
(うさぎ)
赤い目のうさぎは呪力があるといわれ、神様のお使いともいわれている。
(俵ねずみ)
大黒さんのおつかいであるねずみは金運をもたらし、霊力があるといわれている。子供をたくさん産んで、こまめな働き者になるように。俵には五穀豊穣の意味がある。
(草履)
足が丈夫になるように。
この他にも、稲取名産の金目鯛に子供がのった「金目小僧」など、新しい飾りも登場。色鮮やかで愛らしいモチーフの数々が楽しめます。
写真:四宮 うらら
地図を見る「雛のつるし飾り」は、稲取温泉の各所で眺めるだけでなく、購入もできます。
考えてみれば、お雛様の代用品として生まれた「雛のつるし飾り」ですが、大きな雛段を飾るスペースのない現代の住宅事情にもマッチしています。
せっかくなら、思い出として飾りの一つを手作りしてみませんか?
「雛のつるし飾り製作体験工房 絹の会」では、通年「雛のつるし飾り」を無料で見学できるとともに、材料・製作キットの販売、製作体験も可能。
体験料は材料代+受講料で1,000円〜。手ぶらで参加でき、普段、製作に携わっているベテランの作り手がアドバイスしてくれます。お裁縫未経験者でも大丈夫だとか。所要時間は初心者で1時間前後。
小さなハギレと向きあい、無心で一針、一針縫いあげ、飾りを完成させていきます。心の中がほっと温まるような、穏やかな時間が流れます。
●雛のつるし飾り製作体験工房 絹の会
0557-95-0722
静岡県賀茂郡東伊豆町稲取429
稲取温泉から伊豆急に乗って2駅南の河津町では、「河津桜まつり」が開催されます。
河津桜とは、2月の上旬から咲き始め、約1カ月かけて満開になる早咲きのサクラ。
通常のサクラ前線の北上より、ひと足もふた足も早く、お花見が楽しめるというわけです。
ソメイヨシノなどに比べると、花が大きくピンク色が濃いのが特徴。
春浅き季節、河津川沿い約3キロに渡って咲き誇る絶景は圧巻。菜の花の黄色とのコントラストも華やかです。
2019年の「河津桜まつり」開催期間は2月10日〜3月10日まで。
●問合せ/河津桜まつり実行委員会 事務局 河津町観光協会
0558-32-0290
静岡県賀茂郡河津町笹原72-12 河津桜観光交流館
写真:四宮 うらら
地図を見る「河津桜まつり」の期間は、河津川の「菜の花ロード」と河津駅の間に、たくさんの露店が並び、おおいににぎわいます。
出店しているのは地元のお店ばかり。
歩きながら食べられる軽食や菓子類、花見酒やつまみ、伊豆ならでは魚の干物、河津桜の樹木の苗などを売る店に加え、河津の山間で育てられているワサビやその加工品を販売する店も。
普段、めったにお目にかかれない、フレッシュなワサビの茎が販売されていることもあります。
ぶらぶらと歩きながら、お気に入りの品を見つけましょう。
稲取と河津。
温泉と金目鯛などの海の幸を目当てに、通年人気の観光地ですが、桃の節句とお花見を一度に、しかも早く楽しめるとあって2月〜3月上旬は、全国からたくさんの観光客が集まります。
河津桜の並木は、夜はライトアップされ、昼間とはひと味違った幻想的な雰囲気のなかで散策が楽しめます。そのためにも、お気に入りの湯宿に予約を入れて、ぜひ宿泊したいもの。
散策で冷えた体は、温泉でじんわり温まりましょう。
全国から大勢の人がやってくるので、宿の予約はお早めに!
この記事の関連MEMO
- PR -
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/4/20更新)
- 広告 -