近鉄線・大和西大寺駅から徒歩15分ほどのところに、世界遺産・平城宮跡はあります。直接平城宮跡に向かうのも良いですが、ここはまず、平城宮跡を空から俯瞰して全体を眺めてみましょう。大和西大寺駅・北口すぐのところにある「奈良ファミリー」は、百貨店や専門店、飲食店が入った複合施設。実はこの施設の屋上に、平城宮跡を一望できる展望スペース「スカイガーデン屋上庭園 」があるのです。
展望スペースから平城宮跡全体を一望すると、当時の都の規模の大きさを実感できます。また遠くには、東大寺大仏殿、二月堂、若草山も見る事ができ、絶好のビューポイントとなっています。
こちらの「奈良ファミリー」では、飲食店も充実していますので、ウォーキングの前の腹ごしらえをこちらで済ませるのも良いでしょう。平城宮跡の眺めを堪能したら、次は「秋篠寺」に向かいましょう。
【名前】スカイガーデン屋上庭園
【電話】0742-33-4891
【営業時間】10:00〜18:30 ※10月〜3月は18:00まで
秋篠寺は、大和西大寺駅から徒歩約20分ほどのところにあります。それほど有名ではありませんが、心洗われる静謐なたたずまいと、「伎芸天」という大変美しい仏像のおかげで、熱心なファンが多い寺院でもあります。
まず最初に目に飛び込んでくるのは、本堂までの参道のうっそうとした森です。道の両脇には大変美しい苔がむしており、目にも鮮やかな緑の世界を私達に見せてくれます。森林浴を楽しみながら進んでいくと、いよいよ本堂。本堂は鎌倉時代創建の国宝ですが、天平文化の雰囲気を色濃く残した建築様式となっています。奈良には、このように京都とはまた違う趣きの建築物が多く現存しています。その場に立ってみると、京都の寺院との明確な違いを実感するでしょう。
本堂の中には、その大変有名な伎芸天像があります。頭部は奈良時代の作で、「天平美人」とでもいうべき穏やかで優美な表情が私達を優しく出迎えてくれます。本堂の中は大変静かです。何者にも邪魔される事なく、じっくりと観賞してくださいね。
なお、当寺院のある「秋篠」の地名は、文仁親王の宮号「秋篠宮」の由来ともなっています。
【名前】秋篠寺
【住所】奈良県奈良市秋篠町757
【電話】0742-45-4600
【アクセス】大和西大寺駅→奈良交通バス秋篠寺下車徒歩約3分。
もしくは駅から徒歩約20分。
西大寺駅から南にまっすぐ歩いて20分ほどのところに、菅原天満宮があります。この一帯の土地には、菅原道真を輩出した、菅原氏の祖先が住んでいたと言われています。「菅原」は、平城遷都以前から存在していた古代地名との事ですから、いかに歴史の深い一帯であるかがわかります。道真もこの地で生まれた、という伝承もありますが、残念ながらそれを裏付ける史料はありません。
ただ、いかにも菅原道真を祀っている神社らしい風習も残っています。「筆塚」と呼ばれる、まるでアスパラガスかのような形状の塔が建っており、毎年3月25日の午後には「筆祭り」が催されます。参拝者が自身の筆を持ち寄り、筆供養がここで行われるのです。
こちらの菅原天満宮、さほど大きな神社ではないのですが、季節になると梅が大変美しく咲き誇ります。菅原氏発祥の地で梅を見れば、きっとこの有名な一句が頭に浮かぶはずです。
「東風(こち)吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」
【名前】菅原天満宮
【住所】奈良県奈良市菅原町518
【電話】0742-45-3576
【アクセス】近鉄大和西大寺駅下車 南へ約800m、徒歩約20分。
菅原天満宮から南に歩いて数分のところに、「喜光寺」という古刹があります。奈良時代創建の当寺院、実は東大寺大仏殿の建築に尽力した行基が建立したと伝えられています。また、その行基が亡くなったのもこの寺院だという事は、奈良の人間でも意外に知らないトリビアです。
またこちらの寺院には「試みの大仏殿」と呼ばれている大変面白い建築物があります。室町時代に再建された重要文化財の本堂は、奈良時代、行基が東大寺大仏殿を建立する際の参考にしたと伝承されており、ちょうど大仏殿の10分の1のサイズになっていると言われています。再建されているので、当時の様子は窺い知る事ができませんが、言われてみれば、なんとなく東大寺大仏殿に似ているでしょうか…!?
こちらの寺院では、夏になると美しい蓮が訪れる人を楽しませてくれます。蓮は昼過ぎになるとその美しい花びらを閉じてしまうので、よく開く午前中に訪れる事をおススメします。
【場所】喜光寺
【住所】奈良県奈良市菅原町508
【電話】0742-45-4630
【アクセス】近鉄尼ヶ辻駅より徒歩10分。近鉄西大寺駅より徒歩20分。
平城宮跡の最大の魅力は、実は夕暮れ時にあります。たいていの観光客は日中に訪れてそのまま帰ってしまうのですが、「大人の修学旅行」としては、ぜひ夕刻の平城宮跡をゆっくり時間をかけて堪能しましょう。
大極殿をバックに沈んでゆく夕陽は、本当に美しいものです。建築物の高さ規制があるため、周辺は何も遮るものがありません。また、あちこちに高さのある礎石(建物跡)が復元されているため、そこに登れば、より素晴らしい風景が堪能できます。ぜひ、あなただけの特別な夕暮れスポットを見つけてみてください。
奈良時代の役人たちも間違いなくこの場所で同じような風景を眺めたはずです。「奈良時代」ははるか遠い昔ですが、驚くべきことに、奈良には「奈良時代」の雰囲気がまだまだ健在なのです。
一日で回れる平城宮跡・周辺エリアの旅はいかがでしたでしょうか。学生の時にはあまりピンと来なかった奈良の風景…大人になったいまだからこそ心に響くものがきっとあるはずです。
ぜひ「大人の修学旅行」を、ブラブラときままに楽しんでみてくださいね。
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