写真:浦賀 太一郎
地図を見る地図で見てみると、そんなに突出しているわけでもない、トドヶ崎。どうひいき目に見ても、本州最北端・大間崎(青森)の方が遠いですし、「最果て感」があります。しかし、実際に行ってみるとなると、トドヶ崎の方が圧倒的に大変!まず車でのアクセスですが、北側の宮古市からのルートと、南側の山田町からのルートがあります。
写真は山田町方面からのルートですが、走りやすいのは、真っ直ぐな道が比較的多い、宮古市からのルートです。山田町からのルートは曲折が多く、走りにくいですが、ある意味で最果て感の味わえるルートとなっています。どちらも1時間以上の時間を見込んでおいた方が良いでしょう。
写真:浦賀 太一郎
地図を見るちなみに、バスでのアクセスは更に過酷を極めるので、ここで触れるのは避けますが、宮古駅前から、姉吉バス停(写真付近・トドヶ崎まで徒歩約6km)へは1日数本しかないうえ、姉吉から宮古駅前へのバスは午前の早いうちに終発となるので、周到な下調べと、相当な覚悟が必要になります。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る駐車場は姉吉キャンプ場の大きな駐車場と、灯台への遊歩道入口(写真)の数台分のスペースがあります。どちらにもトイレがありますが、キャンプ場のトイレの方が綺麗で使いやすいです。その先はトイレは灯台まで無いので(それも簡易)、先に済ませておくべきでしょう。
遊歩道入口には灯台までの距離や、2011年の震災以前の写真、熊注意の看板などが掲示されています。念のために熊よけ鈴やラジオがあった方が安心かもしれません。ここからようやく秘境・トドヶ崎へ、本当の道のりが始まります。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る遊歩道は、いきなり心が折れそうな登り坂です。美しい入江を眺めながら歩いていると、震災での津波の到達地点の表示が見つけられ、想像以上の津波の高さに驚かされます。一向に近づかない「トドヶ崎へあと〇km」の表示を見て途方に暮れながら、それでもへこたれず、先っちょへ向けて歩みを進めて下さい。必ず着きますから!
写真:浦賀 太一郎
地図を見る最初の登り坂以降は、幸い大きな難所はありませんが、いくつもの沢(水が流れていたり枯れていたり)を渡り、中には腐食で通行注意の木橋もあるので、油断のできない道中です。舗装された道は最初の数百メートルで早々と無くなってしまうので、歩きやすい靴を履いてチャレンジすることをお勧めします。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る遊歩道入口から約1時間。目の前には絶壁と見渡す限りの海が広がります。水平線がゆったりと弧を描き、地球が丸いことを実感できます。「岬」という程先端にいる感じはしませんが、荒涼とした岩礁群の殺風景さが、かえって「この世ならざる場所へ至ったのでは」という緊迫感を演出しています。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る岸壁上には、「本州最東端の碑」が訪問者を静かに待っています。昭和32(1957)年に封切られた「喜びも悲しみも幾年月」の舞台となったのが、このトドヶ崎でした。この映画は灯台守の妻として生きた女性の手記を題材にした名作です。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る青空に映える灯台も美しいですが、このトドヶ埼灯台ほど曇天が似合う灯台はそうそうないかもしれません。初点灯は明治35(1902)年ですが、太平洋戦争により焼失してしまいます。現在の灯台は、昭和25(1950)年に再建されました。
灯台には昭和41(1966)年まで職員が家族ともにこの地で過ごしており、その生活の手記が、前述の映画の題材となったのです。それこそ、幾年月もの間、喜びも悲しみも、諸共に過ごしてきた日々は、こんな曇天の日もあったでしょうし、晴れわたった日もあったことでしょう。
灯台は年に2回程度内部一般公開が行われています。興味のある方はMEMO欄の宮古市HPで調べて行ってみて下さいね。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る灯台から遊歩道に戻り、少し先に行くと、「長磯」という、コバルトブルーの美しい入江があります。透明度が非常に高く、水底まで透けて見えています。天候の微妙な変化でも少しずつ色が変わり、見ていて飽きることのない美しい景観です。トドヶ崎屈指の穴場と言えるでしょう。
運が良いと、岸壁に滝が流れていることがあるそうですが、相当強運でないと見ることはできないようです。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る無事、トドヶ崎へ行くことができたら、忘れずに「本州最東端訪問証明書」を発行してもらいましょう。発行場所は「宮古駅前観光案内所」や、トドヶ崎から一番近い「宮古市役所重茂出張所」などがあります。
詳しくはMEMO欄の宮古市HPを参照してください。尚、訪問前でも発行してくれるので、宮古方面へ戻る予定がない場合は、予め発行してもらっておけば、旅程を組みやすいですよ。
地図で見ると首都圏からも一番近そうな本州四端の一角であるトドヶ崎。その到達困難度の高さは、全国津々浦々の岬の中でも有数です。ですが、トドヶ崎に到達することが、一流岬めぐりフリーク(先っちょハンター)への登龍門と言っても過言ではありません。
お立ち寄り下さいね。という生易しいものではありません。ぜひ、旅程の中に半日以上の時間を割いて、目指してみて下さい。本州最東端・トドヶ崎!
<基本情報>
住所:岩手県宮古市重茂第9地割大平
アクセス:トドヶ崎駐車場から徒歩1時間程度
営業時間:無し(トドヶ埼灯台の一般公開日あり)
その他:動きやすい服装推奨
※文中の「トド」は、魚ヘンに毛
※平成29年9月現在の情報となります。変更となる場合がありますので、公式サイトなどで最新情報を必ずご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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