数ある音楽ゆかりの地の内、もっとも有名なのがトーマス教会でしょう。作曲家のヨハン・セバスチャン・バッハのゆかりの場所です。教会前のバッハ像の前では、連日たくさんの観光客が記念撮影をしています。
トーマス教会は1212年に創建されました。この教会を活躍の舞台とするトーマス教会少年合唱団も同時期に創設され、世界的に知られています。
バッハは当時少年たちの音楽指導にあたりながら、多数の傑作を書き上げ、代表作の『マタイ受難曲』はこのトーマス教会で1727年に初演奏されたと言われています。
教会内は自由に見ることができて、巨大なパイプオルガンの演奏も聴くことができます。
またバッハのお墓もこの教会内にあります。第二次世界大戦による空爆で元の埋葬地であるヨハニス教会が壊された後、このトーマス教会の床部分に埋設されました。
ケヴァントハウスは、1743年に創設されたコンサートホールです。現在の建物は旧コンサートホールが第二次世界大戦の爆撃の後、東ドイツ政府によって爆破解体されたため、1981年に3代目として建設されました。
各時代を代表する音楽家が歴代の楽長(常任指揮者)を務めてきた他、ベートーヴェン『ピアノ協奏曲第5番「皇帝」』、シューベルト『交響曲第8(9)番「ザ・グレート」』、シューマン『交響曲第1番「春」』など、数多くの現代でも有名な名曲たちがここで初演されてきました。
現在は伝統ある楽団だけでなく、レイブやロック、日本以外で初となったゲーム音楽のコンサートなどの会場にもなりました。シンポジウムや展覧会など多方面での舞台として利用されています。
カフェ・バウムの歴史は古く、いつから創業されているかは謎といわれ、1711年には既にコーヒーの提供があったとされており、1720年に正式にカフェへとなりました。店の1階にはシューマンのお気に入りだったとされる「シューマンの角席」が今でも残っていて、現在も客席として使われおり、その席でコーヒーを飲むこともできます。
ヨハン・セバスチャン・バッハや、ナポレオン・ボナパルトも足を運んだと言われています。カフェの3〜4階はカフェバウム博物館があり、ナポレオンが諸国民戦争の時にライプツィヒで最後のコーヒーを飲んだとされるカップなどの展示を見ることができます。
瀧廉太郎が音楽留学したのは、ここライプツィヒの地です。音楽地区と言われる、街の中心地から外側に南西に広がる地区の一角に、瀧廉太郎の記念碑が建てられています。没後100周年を記念し、2003年6月27日に建碑されました。
瀧廉太郎はヨーロッパで音楽を学んだ初の日本人男性として、ドイツ初の音楽大学だったライプツィヒ音楽院へと通っていました。成績優秀だった瀧廉太郎ですが、ヨーロッパで初めての冬に病気を発症し、無念の帰国後、23歳の若さで亡くなりました。
ライプツィヒには街のあちらこちらに音楽の名所があります。その数々の名所を順番に周遊できるように、一つにつながれた音楽軌道がライプツィヒ音楽軌道です。
街中の地面には銀色の目印が埋め込まれています。そしてそれぞれの名所をただまわるだけでなく、チェックポイントには水色の解説版と電話番号があり、携帯電話でその番号に発信すると音声解説やその場所ゆかりの楽曲を聞けるという仕組みになっています。
コースは3つあり、1つめは徒歩コース「音色の足跡コース」、2つ目は市街西部を巡る徒歩の「音色の弧線コース」、3つめは広範囲を自転車で巡る「音楽の銀輪コース」があります。おすすめは音色の足跡コースで、主要な23のスポットを5.3kmの散歩道がつなぎます。
ライプツィヒはベルリンからも電車で1時間ほどで訪れることができます。今回のスポットは街の中心部に集まっているので、日帰りでも十分見て回れます。また現在でも街の至る所で音楽が奏でられており、音楽に耳を傾けながらの町歩きも楽しいです。目で見るのと、実際に訪れて音楽を聴くのとでは、やはり感動が違います。是非足を運んでみてくださいね。
この記事の関連MEMO
- PR -
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索