春はバラの季節。旧古河庭園では約90種180株のバラの祭典が開催されます。期間中は洋館のライトアップや「春のバラ音楽祭」などイベントも充実。2016年春のバラフェスティバルは5月7日(土)から5月31日(火)まで。
開園時間やライトアップ期間、「春のバラ音楽祭」の詳細については関連MEMOの「バラフェスティバル」でご確認ください。
洋館と洋風庭園は明治・大正に多くの洋風建築を手掛けたジョサイア・コンドルの設計で、大正6年に完成しました。
ルネッサンス調の外壁に新小松石を使用した重厚な印象の洋館は、庭園とうまく調和しており、小高い丘に建っているので、どのアングルからでも絵になります。カメラに詳しくない人でも、庭園を前景にしたり、バラの花のアップを入れたり、木々の間から覗くように撮影したり、いろいろなアイデアを思いつくことでしょう。
洋風庭園は左右対称のフランス式と、石の欄干や水盤など立体的なイタリア式の合わせ技。日本庭園との境界の斜面にはツツジが植えられ、調和を保っています。バラ園では春はもちろん秋でも多様なバラを見ることができます。
洋館の二階、実は畳の部屋が多く隠されています。しかし、二階ホールから見る景色は全く洋館そのもの。扉の向こう側が日本間だとは想像できません。これは設計者であるジョサイア・コンドルの和洋融合の工夫の賜物で、ちょっとミステリアスな感じがしますね。
一般公開される前、洋館は中も外壁も荒れ放題になっていたそうです。そのため、創建当時の姿を復元するためには「どうしてこうなっているのか?」と一つ一つ推測して回る作業が必要でした。例えば床の絨毯(じゅうたん)。荒れた館の中では創建当時の絨毯の様子はわかりません。しかし、絨毯を留めていた釘跡などから推測して、床の隅までは敷かれていなかったことがわかりました。何故そのような不思議な敷き方をしていたのでしょうか? それは、電気掃除機などない時代に箒で埃を掃き出すために、わざと空けていたのでした。そのような理由から、当時を忠実に再現するため、現在でも絨毯は隅や端を空けて敷かれています。
洋館の内部を見るにはガイドツアーに参加しなくてはなりません。さまざまな「何故?」が隠されていて、興味深くまわることができるので是非申し込んでみてはいかがでしょうか。ガイドツアーは往復ハガキで申し込むのが原則ですが、空きがあれば当日でも参加できます。イベントで混みあう時期もありますので、電話で確認してから行きましょう。ガイドツアーは入園料とは別に料金が必要となります。
*洋館内は土足厳禁。撮影も不可となっています。
日本庭園は京都の庭師「植治」こと小川治兵衛による作庭です。「心」という字をかたどった心字池や、石で水を表現した枯山水など和風庭園の技法が駆使されており、四季折々の景色を楽しむことができます。
日本庭園の外周には馬車が通るための道が設けられており、当時の正門(現 裏門)を入ったお客は馬車でぐるりと廻って、ふいに洋館玄関があらわれるロマンチックな光景を楽しんだことでしょう。土日・祝日にはボランティアによる無料庭園ガイドツアーがあり、庭園の植物や作庭技法のことなどいろいろ教えてもらえますよ。
提供元:公益財団法人大谷美術館
地図を見る洋館一階の応接室、ブレックファーストルーム、ダイニングルームを利用して、カフェがあります。室内各所にバラのモチーフがあしらわれていますが、見つけられるでしょうか。暖かいシーズンにはテラス席も解放されているので、庭を眺めながらセレブ気分を味わってみてはいかがでしょう。
土日・祝日およびイベント期間のみ洋風庭園の一角に売店が開設されます。おすすめはバラアイスとバラ羊羹。ほんのり甘いバラの薫りを楽しみましょう。
春にはバラフェスティバルが開催され、洋館がライトアップされます。秋はもちろん見事な紅葉を!そして、冬の庭園では樹木の雪吊(雪の重みで枝が折れないように縄で吊ること)や、こも巻き(害虫駆除のため樹にワラを巻きつけること)など木々の冬支度を見ることができます。
旧古河庭園は季節ごとに様々な表情を見せてくれるので、いつ訪ねても楽しむことができますよ。
旧古河庭園は、JR京浜東北線上中里駅から徒歩7分ほど。お弁当を持ち込んで園内で食べることもできますので、一度足をのばしてみてはいかがでしょう。入園料は驚きの150円!
2006年に国の名勝に指定されました。
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(2023/12/6更新)
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