写真:SHIZUKO
地図を見る「蟻の塔渡り」って何? 蟻が一列になってやっと通れる場所、というのが正しい説明でしょうか。実は戸隠山だけではなく、各地の山に蟻の塔渡りと名付けられた難所は存在しています。足を置く場所はわずか50センチくらい。両側はスパっと切れ墜ちていて、もし、滑ってしまったら滑落ではなく墜落と言われ、危険度はかなりあります。
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地図を見るなのでむやみに近づくことはできませんが、岩陵帯歩行講習などで練習登山をして、信頼できるガイド同行で、ロープを使って安全確保してもらえれば、わくわくする一大アドベンチャー体験ができます。
一番細い部分は、わざわざ立って歩く必要もなく、怖い人は四つん這いになったり、馬にまたがる要領で手も使って通りぬけることが出来ます。登っている時には、意外に怖さを感じないけど、登り切って振り向けば、よくもまあ、あんなところを歩けたものだと、自分を褒めたくなるでしょう。
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地図を見る戸隠山は、天照大御神を天岩戸から誘い出した日本神話を色濃く残す山。修験道の山として開かれた、まさに修行のための難所が点在する山です。岩陵帯なので、展望抜群。樹木にさえぎられることのない眺望は絶品。秋の紅葉シーズンの美しい風景。一度は行ってみたいと、人気があるのもうなずけます。
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地図を見る戸隠山の登山口は、戸隠神社奥社。戸隠神社は創建2000年余り。霊山・戸隠山の麓に、奥社・中社・宝光社・九頭龍社・火之御子社の五社を持つ歴史ある神社です。特に登山口のある奥社は、天岩戸をこじ開けたという力持ちの天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)がご祭神。天照大御神が天岩戸にお隠れになり、世界中から光が奪われてしまったとき、その無双の力で再び世界に光を取り戻したという力のある神様です。それゆえ、日本でも有数のパワースポットとして多くの人々が訪れています。
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地図を見るおよそ2キロある参道は、野鳥の宝庫でもあり、バードウォッチングの方々も多く見かけます。秋の空気に包まれた美しい参道。中間点は、赤い隋神門。
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地図を見る隋神門を越えるとその先は、天然記念物にも指定されている樹齢約400年を超える杉並木が続きます。
スポーツ必勝の神様でもある奥社で登山の無事を祈願してスタートいたしましょう。
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地図を見る登山口の手前からはギザギサの九頭竜山が見えます。あんなところまで登れるのか…と、不安もよぎることでしょう。岩山特有の急角度で進む登山道ですから、焦らずゆっくり、確実に手足を使って丁寧に登って行きましょう。
1時間ほど登ると百間長屋と呼ばれる場所に到着。岩壁が削り取られたように覆いかぶさる道。ここまで登れば、最高の眺め。振り向けば、お向かいに聳える飯縄山。そのまま右側に目を転じれば、最難所の西岳のとんがり。
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地図を見るそして、いよいよ蟻の塔渡りの手前。胸付き岩と呼ばれる大岩が行く手を阻む。ゆっくり、丁寧に進みましょう。手で持つ場所、足を置く場所は確実にあるので、リラックスすることが大切。一歩一歩確実に登ります。この大岩を登り切れば、今回のハイライト・蟻の塔渡りが現れます。
胸突き岩を登り切って目の前に現れるその姿に、おおーと声が出ることでしょう。本当にこの先に進めるのか…。ちょっとドキドキ。ガイド登山なんて大げさ!と、考えていた人も、ここに立てば、ガイド同行の重要性がはっきりとわかることでしょう。ガイドさんが安全確保のためにロープを張ってくださいます。万が一、足が滑っても、命は守られています。さあ、ゆっくりと、大アドベンチャーに踏み出しましょう。
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地図を見る蟻の塔渡りを無事に渡り切って、振り向けば、自分が歩いた(這った)場所の全貌が見えます。すごい場所を制覇したな!と達成感に満たされる瞬間。
ここで、気を抜いては怪我のもと。気を引き締めて、戸隠山山頂、八方睨みと好展望の稜線を歩き、紅葉を楽しみ、麓から見上げたギザギザの九頭竜山山頂を通り、やや急な下りに取り掛かります。
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地図を見る一不動と呼ばれる避難小屋のあるところまで下ったら、分岐を右に取り、戸隠牧場へと下って行きます。難所は終わったと気を抜いていてはいけません。沢沿いを下って行く下山道もスリル満点。しばらくは木の根が浮いた歩きにくい道。その先に大洞沢が現れ、不動滝を鎖を使って下るのですが、濡れた岩はツルツルで、滑りやすく、下り最大の難所です。こういう時にも、ガイドさんにロープを出してもらい、しっかりと確保してもらえるので、慌てずに怖がり過ぎずにゆっくりと下りましょう。
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地図を見る難所を過ぎれば、しばらく歩くと、広々と気持ちのいい戸隠牧場へ到着です。秋なら黄葉したカツラが周囲に甘い香りを漂わせていることでしょう。
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地図を見る早朝から登り始めると、奥社に戻ってくるころにはお腹がぺこぺこ。山中で行動食を食べたとしても、下山後のお楽しみはなんと言っても戸隠そば。駐車場のあたりに数軒の蕎麦屋さんがありますから、お好みで。
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地図を見る戸隠のそばが美味しいのは、なんといっても水の良さ。夏でも冷たい、ミネラル分の少ない軟水は日本人好み。水を切らずに盛り付けられる戸隠そばのうまさの一角です。戸隠そば独特の盛り付け方は、ぼっち盛りと呼ばれます。一人前が5ぼっち。ゆで上がり、冷水で〆たおおよそひと口のそばを半分に折るように盛り付けるそうです。
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地図を見るもちもちの蕎麦がきで下山祝いの乾杯!
緊張の連続だった岩峰を無事に登り切った乾杯は、至福の時。この瞬間のために登るという人もいるほど。
登山を始めると、まずは穂高岳などのメジャーな山を目指すことが多いのですが、もう少しアドベンチャーに挑戦したいと思ったときに出会うのが「戸隠山の蟻の塔渡り」でしょう。超難所の情報に、行ってみたい気持ちと、無理無理という気持ちがせめぎ合う。そんな人も多いはず。
命にかかわる危険を冒してはアドベンチャーとしては失敗ですが、ガイド同行でなら、戸隠山は登れない山ではありません。もちろん、日常的に登山トレーニングをしていないと、自分が苦しくって楽しめないことは言うまでもありません。登山は、レジャーでありながらスポーツなので、トレーニングが必要なアクティビティです。
自分が出来るちょっと上のアクテビティにチャレンジする冒険。ガイドさんに安全を確保してもらって、楽しんでみませんか。
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(2024/10/7更新)
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