写真:いしい ひい
地図を見るイントレピッドは、第二次世界大戦真っ只中の1943年4月に進水した航空母艦。
戦争中は日本軍とも激しい戦いを繰り広げました。レイテ沖海戦や沖縄戦など数々の戦いに参加し、戦艦大和の撃沈に大きな役割を果たし、日本軍の魚雷攻撃や特攻機によって損害を受けながらも持ちこたえ、アメリカの勝利に貢献。
さらに1950年代には朝鮮戦争、1960年代にはベトナム戦争にも投入されるなど、数々の戦争を経てきた空母なのです。
軍事利用のみならず、有人宇宙飛行計画であるジェミニ計画とマーキュリー計画では、大西洋上に着水した宇宙船を回収するなどの働きでも知られています。
1974年に退役し、1982年からイントレピッド海上航空宇宙博物館(Intrepid Sea, Air & Space Museum)として、海・空・陸の歴史を伝える場に生まれ変わりました。
イントレピッドは国定歴史建造物にも指定されています。
写真:いしい ひい
地図を見るまずは甲板に出て、海軍、空軍、陸軍、海兵隊、コーストガードが誇る航空機をじっくり眺めましょう。
鋭い表情の超高速戦略偵察機A-12や、トップガンでおなじみのF14トムキャットなどがずらりと並び、航空機ファンにはたまらない光景!
写真:いしい ひい
地図を見る航空機についてあまり詳しくない人でも、絵本から飛び出してきたようなデザインの飛行機があったりして、ひとつひとつの機の説明を読みながら、空への関心が高まることでしょう。
写真:いしい ひい
地図を見る甲板から見晴らすマンハッタンの美しい高層ビル群も、魅力のひとつ。
イントレピッドは、いくつかの映画にも登場しています。「アイ・アム・レジェンド」で、主演のウィル・スミスが愛犬とこの甲板でゴルフの練習をするシーンは印象的!
写真:いしい ひい
地図を見るイントレピッド艦内には、兵士たちが過ごした船室などが保存され、戦火の歴史が詳しく説明されています。
ベトナム戦争は1955年から20年間も続いた長い戦争でしたが、1964年頃から大規模な軍事介入が始まったとのこと。そして、1967年頃から全米で激しい反戦運動が起こるようになり、米兵の士気も低下。
イントレピッドがアメリカに一時帰国するたび反戦の声はより強くなっていき、この空母に乗り込んでいる人たちの気持ちにも変化が出てきたことなどを伝えています。
1967年10月横須賀に寄港中、4人の米兵が「ベトナムに平和を!市民連合(ベ平連)」の援助により脱走し、スウェーデンに亡命する事件が起きたのも、この空母の歴史のひとつ。
イントレピッドの現役時代に日本といくつかの接点があったことで、日米関係を身近に考えさせられる博物館でもあります。
写真:いしい ひい
地図を見るレゴで作られたイントレピッドも、なかなかの出来!小さな飛行機や乗組員の姿など、かわいらしいです。
写真:いしい ひい
地図を見る戦争の歴史だけでなく、ここには宇宙の歴史もあります。スペースシャトル一号機であるエンタープライズが展示されているのです。空母の上にスペースシャトルを設置するというコラボは、ここだけの工夫!
シャトル計画終了後の2012年、エンタープライズはボーイング747の背に乗ったままニューヨーク上空をデモ飛行し、イントレピッドへ搬入されました。
写真:いしい ひい
地図を見るこの機は1976年アメリカ合衆国憲法発布200年を記念して、コンスティテューションと名付けられる予定でしたが、人気TVドラマシリーズ「スタートレック」の宇宙船と同じ名前がいい!という手紙が殺到したため、エンタープライズと名付けられたそうです。
滑走試験のみで実際の宇宙飛行はしていませんが、アメリカの宇宙計画に大いに貢献したエンタープライズ。格納する特別展示室からはみ出さんばかりの迫力、じっくり観賞してくださいね!
写真:いしい ひい
地図を見るイントレピッドだけでなく、86番桟橋全体が博物館になっているので、艦船以外の場所もお見逃しなく!
桟橋には、2003年に引退した音速旅客機コンコルドの姿も見えます。さらにグレイバック級潜水艦グロウラーも展示され、艦内を見学できます。
隣の桟橋には、出航を待つ豪華客船の姿が見えることもあり、戦時のアメリカから平和な時代に戻ったような気がすることでしょう。
写真:いしい ひい
地図を見るさまざまな特別展も行われています。現在は無人航空機「ドローン」の特別展示を開催中(2017年12月3日まで)。
ドローンはもともと軍事目的で研究開発されたもの。はるか離れた場所にある操縦席から遠隔操作で無人航空機を操る様子を説明する展示では、誤爆や民間人の犠牲など倫理的な問題を考えさせられます。
その一方で、民間用ドローンの用途に関する説明も。農業、警察、写真撮影、災害調査から宅配便まで、無限とも言える可能性を秘めている技術は、これからも私たちの生活をより便利なものに変えていくに違いありません。
イントレピッド海上航空宇宙博物館はハドソン川沿い、マンハッタンの46丁目の西の端にあります。船に乗っている気分を楽しみながら、飛行機や空母やスペースシャトルなどを通してアメリカの海・空・陸の歴史が分かる場所。見学を終えたら、博物館の南北に広がるハドソン川沿いのトレイルを歩いてみるのがおススメ。リバーパークなどニューヨーク市民の憩いの場所が広がり、ステキなニューヨークの1日を過ごすことができますよ!
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(2024/11/9更新)
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