四国随一の景観の滝と記念写真に最適な滝(高知県香美市)

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四国随一の景観の滝と記念写真に最適な滝(高知県香美市)

四国随一の景観の滝と記念写真に最適な滝(高知県香美市)

更新日:2017/09/30 18:10

春野 公比呂のプロフィール写真 春野 公比呂 学芸員資格

高知県は全国一の森林率を誇る山国で、滝の数も多いのですが、香美市には規模や形状はやや異なるものの「西の黒部」こと、三重県・大杉谷の七ツ釜滝のようなスケール感のある複数の巨大な滝壺を擁する「轟の滝」があります。一方、記念撮影時、最も写真映えするのは同市の百神滝。この滝は違う方向から流れる二つの沢が下流で並行して流れ、同じ滝壺に落下する特異な滝。壮大な景観とフォトジェニックな名瀑をご体感下さい。

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滝の真ん前に立つと迫力満点

滝の真ん前に立つと迫力満点

写真:春野 公比呂

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「日本の滝百選」に選ばれている轟の滝は、香美市香北町の安徳帝や平家の落人伝承の残る地域にあります。高知県有数の大河・物部川支流、日比原川上流の白亜紀の礫質砂岩に懸かる滝で落差82m、三段になって落下し、周囲に轟音を轟かせています。

バスの便がないため、車で向かうしかないのですが、国道195号沿いに案内標識があるので安心。車でのアプローチは主に日比原川左岸(東岸)沿いの道路が利用されています。駐車場は日比原川を渡る手前と渡った先にありますが、滝を巡る回遊コース(歩道と車道)があるため、どちらの駐車場に駐車しても構いません。滝の全景を見渡せる展望所は川を渡った先にある駐車場から南西に道路を数分歩いた箇所の下にあります。

滝の真ん前に立つと迫力満点

写真:春野 公比呂

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回遊遊歩道は散策程度の短いものなので、幼児連れでも歩くことができます。遊歩道は三段目の滝壺下部を対岸に渡っていますが、周辺は紅葉の名所でもあり、12月初旬でも一部が紅く残っています。
三段目の滝壺の下で激流は岩盤に突き当たり、右に一旦急角度に曲がってから下流へと流れています。

滝の真ん前に立つと迫力満点

写真:春野 公比呂

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岩盤を登って三段目の滝の真ん前に立つと、迫力ある光景を目の当たりにすることができます。

近くの滝も見逃さない

近くの滝も見逃さない

写真:春野 公比呂

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左岸(東岸)の岩盤を登って行くと、二段目の滝壺上に出ることができます。

近くの滝も見逃さない

写真:春野 公比呂

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この近くの支流にもう一つの滝「樋の口滝」があります。落差約25m、三段になって落下する滝です。かつては革靴でも探訪できるほど、探勝路の状態は良かったのですが、台風等で滝壺手前がやや崩れたことにより、探訪にはアウトドアシューズが必要。それでも土砂崩れ跡には踏み跡もついており、簡単に探訪できます。

そのコースは轟の滝展望所上の道路を南下して行き、道路がUターンするやや手前から南西に上がる小径に入ります。この道はやがて支流沿いを遡るようになります。整備された道が途絶えるとそのまま土砂崩れ跡の踏み跡を辿り、滝壺まで行きます。

近くの滝も見逃さない

写真:春野 公比呂

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轟の滝が巨大過ぎるため、樋の口滝が小さく感じられますが、落差25mと言えば堂々とした瀑布です。滝壺の水面の落ち葉に風情を感じます。

百神滝は奇跡の景観

百神滝は奇跡の景観

写真:春野 公比呂

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次に訪れる百神滝(ひゃくじんのたき)は、高知県最高峰で徳島県境にある剣山系の三嶺(1893.4m・高知県での読み方は「さんれい」、徳島県では「みうね」)の登山コースの一つにあります。
車でのアクセスは、香美市物部町大栃から県道49号を北上し、後は西熊渓谷や三嶺の道路標識に従います。トイレと駐車場のある三嶺光石登山口を過ぎ、右急カーブ部の三差路から西熊林道に左折します。600m弱ほど行った所にゲートとトイレがあるので、その周辺の広場に駐車します。

ゲートから30分ほど林道を歩けば、通行禁止の素掘り隧道が現れます。この手前から長笹谷に下りる作業歩道を辿って行きますが、この道は探勝路ではないため、手入れはされていません。それでも道沿いには各所の杭を支柱としたロープが張られているため、ルートは明確です。

谷沿いの踏み跡に下り立つ前から対岸の支流に、百神滝とは別の滝が見えています。この支流は急傾斜になっており、長笹谷との出合よりやや上流が小さな滝となっています。無名の滝ですが、上流部は「さおりが原」沿いを流れていることから、「さおりが滝」と仮称します。雨後はこのすぐ南の岩盤にも別の滝が懸かります。

百神滝は奇跡の景観

写真:春野 公比呂

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長笹谷沿いの踏み跡は堰堤を越えると河原に下ります。一帯が開けた地で、涼やかな谷風が吹いています。前方には奇跡の景観とも言える百神滝が。落差こそ20m弱ほどですが、二本の沢が並行して崖から滝として落下しているだけに、その崖の幅が広く、また河原も広々としているため、この前で記念写真を撮ると人物との比較で、まるで落差が数十mほどの巨大な滝のように写り、迫力あるものになるのです。
滝壺は浅いため、すぐ側まで近寄ることができ、水遊びも可能。

百神滝は奇跡の景観

写真:春野 公比呂

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この滝の俯瞰写真を撮るには、西岸の急斜面に移らないといけないのですが、道がないザレ場(砂礫地)のため、山慣れた方以外にはお勧めできません。とは言え、別ルートで行くと一般行楽客であっても二本の滝、それぞれの天辺に立つことができます。山慣れた方はザレ場斜面を這い上がって、上部の三嶺登山道に出ることもきます。

涼やかな沢風の別天地

涼やかな沢風の別天地

写真:春野 公比呂

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簡単に滝の天辺に立つには、一旦来た道を隧道手前まで引き返します。そして道標の建つ道を登って隧道上部を越え、三嶺登山道を進みます。最初に現れる木橋下を流れる沢の下流に百神滝の右側の滝が懸かり、二つ目の木橋下の沢が左側の滝に通じています。増水していなければ、二本の滝の間の天辺に立つこともできます。

涼やかな沢風の別天地

写真:春野 公比呂

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三嶺登山道をさおりが原まで上がった後、南西に下るコースを辿り、清らかなフスベ谷と西熊渓谷を巡れば充実した回遊コースになります。
登山道はやがてさおりが滝上流の沢沿いを登るようになり、すぐ標高1162m(地形図の独立標高点だが、現地の看板に記載の標高は1179m)のさおりが原に到着します。この地をさおりが滝の沢が半周しているため、心地よい沢風が吹き、休憩舎やトイレもあるので弁当を広げるにはもってこい。

昭和期はヤマザクラの名所で、バイケイソウやミヤマヒキオコシ等、多種の植物もあり、緑に覆われていましたが、平成に入って鹿の食害により、保護柵の外は緑がなくなりました。それでも自然林は豊富で、リスに出会えることもあります。
尚、「さおりが原」の名称は昭和40年代、高知大学ワンゲル部部員が歌手の南沙織のファンだったため、名付けたもので、元々の名称を「ヌル谷のナロ」と言います。

涼やかな沢風の別天地

写真:春野 公比呂

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モミ林の中を下って行くと、長笹谷とフスベ谷との出合手前の分岐に下り立ちますが、少し寄り道してフスベ谷の清流を愛でてみましょう。真っ二つに割れた巨岩の隙間から沢に下りることもできます。
探勝を終えると分岐まで戻り、長笹谷に架かる橋を渡って川面が美しい西熊渓谷を経て、林道へと戻ります。

この二つの滝を見ずして四国の滝は語れない

高知県には落差が100m前後以上の滝がいくつかありますが、滝の良し悪しは総合的な景観によって決まります。それが大自然を感じられるスケール感であり、見栄えの良さです。四国に無数にある滝の中でも、轟の滝ほどの秘境感漂うスケールのある滝は他にありません。

<轟の滝の基本情報>
住所:高知県香美市香北町猪野々柚ノ木
問合せ先:0887-52-9286(香美市役所香北支所地域振興課地域振興班)
アクセス:高知自動車道南国ICから車で約1時間10分 または高知龍馬空港から車で約1時間10分
無料駐車場:二ヶ所で計15台分・各場内にトイレあり
2017年9月現在の情報となります。変更となる場合がありますので、公式サイトなどで道路工事情報も含め、最新情報をご確認ください。

記念撮影時の見栄えの良さなら、百神滝が群を抜いています。勿論、記念写真ではなく、滝だけを撮る場合でも極上のフォトジェニックな景観であることは言うまでもありません。
四国内でこの滝に形状が酷似したものでは、愛媛県四国中央市の機滝(はたたき)がありますが、それは一つの沢の流れが一部、二つに分かれているだけであり、「奇跡の滝」とは呼べません。

<百神滝の基本情報>
住所:高知県香美市物部町久保和久保
問合せ先:0887-52-9289(香美市役所物部支所地域振興課地域振興班)
アクセス:高知自動車道南国ICから車で約2時間、または高知龍馬空港から車で約2時間(西熊林道ゲートまで)
無料駐車場:西熊林道ゲート手前に数台駐車可・側にトイレあり
2017年9月現在の情報となります。変更となる場合がありますので、公式サイトなどで道路工事情報も含め、最新情報をご確認ください。

西熊林道のゲートを基点としたさおりが原の回遊は、百神滝の探勝時間を除けばコースタイムは2時間ほど。三嶺は高知県側から登ると3時間以上かかりますが、徳島県側には2時間少々で登れるコースがあります。光石登山口にあるトイレの小屋に、コースタイム入りの頒布用コースマップ(自治体のホームページで公開されているもの)が置かれています。
是非、「四国の滝の真髄」をご体感下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/12/10−2017/05/05 訪問

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