通常、喜多方には東北新幹線、郡山駅で乗り換えて、磐越西線で行くルートがアクセスも容易でお勧めなのですが、今回は雪を意識し、それを楽しむ旅なので、新潟から普通列車で約20分の所にある、磐越西線の起点、新津駅からディーゼルカーに乗車しましょう。
この磐越西線は新津〜喜多方間が今でも非電化なので、架線とそれを支える鉄柱がなく、雪の時期には線路の周りには雪原だけの空間が広がります。まさに白一色の情景を堪能してみて下さい。さらに写真の様に駅によっては、殆ど埋まってしまうほどの雪が積もっています。
冬の喜多方探訪には、街へのアクセス段階から雪を目の当たりにして、是非冬の旅情をたっぷり感じて頂きたいと思います。
さて、最初のお勧めポイントは、「大和川酒蔵北方風土館」。駅を降りて、20分ほど歩いた所にある江戸中期創業の老舗酒蔵(さかぐら)です。
この喜多方市は湧き水と稲作に恵まれ、お酒造りには絶好の環境です。そしてこの酒蔵にはお酒の博物館ともいうべき、酒造りに関わる様々な年代物の道具等を展示、公開している風土館があります。酒造側が私財を投じて、文化財を後世に引き継いでいる訳で、しかもここは無料公開。更に時間があれば、説明しながら館内を案内してくれます。もちろんこれも無料。この至れり尽くせりぶりで、喜多方の酒造りの歴史や文化が効率よく理解出来ます。
そして酒蔵見学の最後に、売店に案内されますので、日本酒の好きな方はここで購入するのもいいかと思います。ちゃんと試飲させてくれます(笑)
さて、次のご案内は非常に珍しい本堂を持つ安勝寺(あんしょうじ)。正式名を「小荒山安勝寺」といい、1422年草創。本尊は釈迦牟尼仏の曹洞宗のお寺です。アクセスは大和川酒蔵から西に100m程行った所にあります。本堂は1880年に火事で焼失。その後1894年に再建され、今に至っています。その再建時に、土蔵造りの本堂となったわけで、全国的にも珍しい造りであると共に、蔵の街喜多方に大変相応しいお寺となっています。
この本堂の屋根に大雪が積もった様子が、豪雪に耐え、凜とした姿を一層たくましく、また美しく映し出しています。参道が狭いので、雪に埋もれて歩きにくいですが、雪と蔵のコラボレーションを是非見てみてください。
喜多方の目抜き通りである、「ふれあい通り」。ここは昭和30-40年代には何処にでも見られたノスタルジックな街並みが並びます。更にこれに雪景色が加わると、一層強い郷愁を感じて頂けると思います。
そしてこの中でもお勧めのポイントが「昭和レトロミュージアム」です。ここは前述の大和川酒蔵に入る路地の向かい、ふれあい通り沿いにあります。このミュージアムには喜多方市商工会議所が近隣から集めた、昭和初期〜中期の日用品やパッケージなどが所狭しと並べられています。展示物自体は、その当時のありふれたもので有るにもかかわらず、こうして一カ所に集められると、もはや芸術の領域に達します(笑)
なんと入場料は無料。展示物を実際に触ることも可能です。ここで昭和風情に存分に浸ってみて下さい。
さて、喜多方名物といえば、B級グルメの代表格、ラーメンですね。平打ちの太麺、ちぢれ麺で醤油のスープによく合います。さあ、雪道散策で冷えた体を温めてみませんか。
市内には120件ほどのラーメン店があり、その規模は札幌、博多と並んで日本の三大ラーメン都市に数えられています。いまや喜多方ラーメンと言えば、都内にも何件も店を出している、坂内食堂が有名ですが、今回はその元祖といわれる源来軒をご紹介しましょう。
この店は昭和初期、中国から日本に来た、藩欽星氏が開いた屋台がそのルーツで、喜多方ラーメンの発祥の地です。アクセスはふれあい通りから駅に向かう途中にあり、駅に大変近く、便利です。味はすっきりとした醤油味で、年配者には懐かしい、昭和の「志那そば」の風貌をしています。昭和の雰囲気を「目」、「心」で味わった後、「舌」でも味わって頂ける、お勧めポイントです。
今回は、喜多方市の文化、風物をダイジェスト的に短時間で楽しめるポイントを紹介しました。
是非お時間のあるときは、風情のある「笹屋旅館」に泊まって、ゆっくりと街探訪されるもよし、足を延ばして熱塩温泉、日中温泉に行くもよし。この記事が皆様の雪国探訪のきっかけになれば、有り難く存じます。
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(2023/12/5更新)
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