写真:伊都 をかし
地図を見る「幸田の棚田」は、鹿児島県内に三カ所ある「日本棚田百選」に選ばれている棚田のひとつです。鹿児島空港から車で約30分、杉林に囲まれた山の中にあります。あちこちに案内標識が立っていますので迷う心配はありませんが、棚田にたどり着く手前あたりでは、車のすれ違いがちょっと難しいような細い山道を走りますので、運転にはくれぐれも気をつけてくださいね。
最近は、耕されずに放置されたままの棚田も増えているようですが、「幸田の棚田」はすべて現役。今でも毎年おいしいお米を実らせています。豊かな湧き水で有名な湧水町のきれいな水で育つお米ですから、さぞおいしいのでしょうね。
写真:伊都 をかし
地図を見る写真:伊都 をかし
地図を見る「幸田の棚田」の石積は、ちょっとお城の石垣みたいです。それもそのはず、この石積、江戸時代中期にお城を造った石工によって造られたんだそうです。お城を造る石工さんといえば当時の超エリート技術者集団といってもいいでしょう。彼らはその最高技術を駆使して、「武者返し」と呼ばれる反り返った造りの石積を造ったのです。忍者も忍び込めないという熊本城の石垣で有名な、あの「武者返し」です。
お城の石垣に比べたら低いですが、棚田の石積にしたらけっこうな高さがあります。江戸時代に造られたなんて信じられないような、しっかりとした造りですが、お城を造った石工が造ったと聞いたら納得ですね。長い間に数え切れないほどあっただろう台風にも地震にもビクともしていません。電気も機械も、もちろん石を運ぶトラックやクレーン車なんかも何もない時代に、一体どうやって、こんなにも見事な石積を造ったんでしょう?昔の人の技術や能力ってすごいですねえ。
写真:伊都 をかし
地図を見る「幸田の棚田」は棚田ですから、もちろん段々になっているのですが、その段差のところが、直線になっているところと曲線になっているところがあるんです。真っ正面から見ると、すべて直線に見えますが、ちょっと横から見ると、直線とゆったりとした曲線が混ざっていて、とてもきれいですよ。こんなところにも石工さんたちのこだわりがあるのでしょうか?
写真:伊都 をかし
地図を見る「幸田の棚田」の入り口には石碑があって、地元の方が詠まれた短歌が刻まれています。「蓑(みの)脱ぎて 乳含ませし 日もありき 早苗植えたる 棚田の畦に」。昔は、おじいちゃん、おばあちゃんから赤ちゃんまで一家総出で、この棚田に田植えに出かけてきたんでしょうね。棚田の畦道で赤ちゃんをあやす、ほのぼのとした光景が思い浮かびますね。
「幸田の棚田」には、今でもそんな昔ながらの雰囲気が残っていて、まったりとした時間が流れています。棚田のすぐ横にはきれいな小川が流れていて、小さな東屋もあります。素朴な田園風景の見事な武者返しの「水田のお城」を眺めながら、自然と歴史に思いを馳せてみませんか?
住所:鹿児島県姶良郡湧水町幸田地区
電話番号:0995-74-5690(湧水町観光協会)
アクセス:鹿児島空港から車で約30分
2017年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/4/19更新)
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