”天空の地獄”真っ赤な血ノ池に火山ガス!富山・室堂

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”天空の地獄”真っ赤な血ノ池に火山ガス!富山・室堂

”天空の地獄”真っ赤な血ノ池に火山ガス!富山・室堂

更新日:2017/10/07 20:29

春野 公比呂のプロフィール写真 春野 公比呂 歴史研究家、郷土文筆家、郷土登山家

山岳交通ルート「立山黒部アルペンルート」の最高所で日本最高所の温泉を擁す富山県立山町の室堂(標高2450m)。ここは火口跡を擁す大平原で立山の登山基地なのですが、池面が真っ赤な「血ノ池」や至る所から火山ガスが噴出する「地獄谷」があり、立山山岳宗教の「立山地獄」でもあります。特に10月後半は周辺が赤茶けて荒涼とした景観になり、雲が頭上に低く垂れ込める日も出てきます。その「天空の地獄」をご覧あれ。

女性専用の地獄とは

女性専用の地獄とは

写真:春野 公比呂

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室堂(室堂平)にある「日本最高所」は温泉(地獄谷を源泉とする温泉)だけでなく、車道トンネル(立山トンネル)とホテル(ホテル立山)も日本一高い場所にあり、室堂は名実共に「日本最高所の観光地」と言えるでしょう。
見渡す限りの大平原で満天の星空を仰ぐこともできますが、10月、寒気が入ると様相は一変し、降雪もあります。10月後半になると、紅葉の赤い山肌は茶褐色や灰色へと変わり、雲が周囲の山の中腹まで下りてくる日もあります。

室堂には池がいくつか点在していますが、その殆どは火山の爆裂火口跡。最大のものはみくりが池温泉側のみくりが池で、面積は12,000平方メートルにも及びますが、広角レンズでないと全景は捉えられません。
みどりが池であれば広角レンズでなくとも全景を捉えることができます。鏡面のように周辺の山を映し出す様はフォトジェニック。

女性専用の地獄とは

写真:春野 公比呂

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西のホテル立山と東の室堂山荘を起点にして、各火口跡の池を巡って北の雷鳥平まで回遊するコースが整備されています。軽いウォーキング程度で回れますが、10月中旬以降は冬の寒さ(当日の気温にもよる)で、耳当てをしていないと耳に激痛が走ります。ハイキングや登山では、収納式耳当て付帽子が便利。

みどりが池の南やエンマ台等には展望所があり、平原を見渡すことができますが、みくりが池とリンドウ池に挟まれた窪地には、池面が真っ赤な群集池「血ノ池」が不気味な表情を見せています。池が赤く見えるのは酸化鉄を多く含有しているからですが、紅葉時期を過ぎた晩秋には周辺の景観から、更に赤く染まったように見え、あの世の地獄を彷彿させます。この池は「立山地獄」の一つ「血ノ池地獄」なのです。

女性専用の地獄とは

写真:春野 公比呂

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平安時代末期の「本朝法華験記」や「今昔物語集」には、日本のあらゆる罪ある者は立山地獄に堕ちる旨、記されています。立山地獄は八大地獄に各16の別所地獄等を合わせて136の地獄があるとされ、「血ノ池地獄」はその一つ。

この地獄は「女性専用」。それは、女性は生前、月経や出産で不浄を行い、その血で穢れた衣類を川で洗濯し、その川の水やそれを使用した野菜、飲んだ魚等を神仏に供えるからです。死後、血の池地獄に落ち、毎日鬼に池の血を飲まされると言います。

「この世の地獄」とはこのこと

「この世の地獄」とはこのこと

写真:春野 公比呂

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室堂は周囲を三千メートル級峰・立山三山(立山、別山、浄土山)から伸びる馬蹄型尾根に囲まれており、雲の下の山肌も圧倒的な迫力で迫ってきます。室堂を基点に三山を回遊するコースも整備されています。

「この世の地獄」とはこのこと

写真:春野 公比呂

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エンマ台展望台の北西には、まるで石灰鉱山のような異様な光景が広がっています。ここが室堂の各温泉の源泉となる地獄谷です。

「この世の地獄」とはこのこと

写真:春野 公比呂

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地獄谷の各所には硫気孔が開口しており、ガスを噴出させています。ここが立山地獄のクライマックスで「鍛冶屋地獄」や「紺屋地獄」、「団子屋地獄」等の職業別地獄を擁していますが、その光景はまさにこの世の地獄。
尚、2017年現在は噴出ガスの有毒濃度が高まっていることから、立入制限エリアがあります。

地獄に堕ちても景色は楽しむ

地獄に堕ちても景色は楽しむ

写真:春野 公比呂

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地獄谷には奇岩怪石の岩塔もあり、その側からもガスが噴き出しており、賽の河原を彷彿させます。

地獄に堕ちても景色は楽しむ

写真:春野 公比呂

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立山黒部アルペンルートの内、専用交通機関である立山ロープウェイの西の基点・大観峰(2316m)と東の基点・黒部平(1828m)は展望所となっており、双方共、後立山連峰から穂高岳、槍ヶ岳まで一望できますが、室堂に雲が低く垂れ込めている日は、遠景が雲に覆われます。

地獄に堕ちても景色は楽しむ

写真:春野 公比呂

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黒部平からはロープウェイ越しの立山山系が絵になりますが、黒部湖も望見することができます。

四季それぞれの「顔」がある室堂

室堂は季節によって表情をがらりと変える景勝地。立山黒部アルペンルートの公共交通機関が運行を開始するのは当年の4月からですが、5月までは一面、白銀の世界で山スキー、テレマーク、クロスカントリー、ボード等を楽しむことができます。6〜8月は夏山シーズンで室堂は緑に覆われ、血ノ池さえも地獄ではなく、天国の雰囲気を醸します。高山植物や運が良ければ雷鳥の親子に遭遇することも。

9月下旬から10月上旬は短い紅葉の季節で紅く染まります。そして10月後半が「天空の地獄」の季節。天候によっては頭上一面を雲が覆い、手が届くのではないかと思うほどの低空に漂い、周囲の山肌は灰色がかり、地獄谷のガスは不気味さを増します。是非、この世の地獄を体験してハッピーな旅を。

<室堂の基本情報>
住所:富山県中新川郡立山町室堂平
問合せ先:076-462-1001(立山町観光協会)
アクセス:富山県側からの場合=JR富山駅(徒歩9分)富山地方鉄道「電鉄富山」駅(1時間)「立山」駅(立山ケーブルカーで7分)美女平(立山高原バスで50分)室堂

長野県側からの場合=JR信濃大町駅(路線バスで40分)扇沢(関電トンネル・トロリーバスで16分)黒部ダム(徒歩15分)黒部湖(黒部ケーブルカーで5分)黒部平(立山ロープウェイで7分)大観峰(立山トンネル・トロリーバスで10分)室堂

※マイカーの乗り入れは禁止されているため、富山・長野県側双方の麓で車の回送を業者に依頼することになります。詳しくは「関連MEMO」リンクの「立山黒部アルペンルート」をご参照ください。
※2017年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 1993/10/19 訪問

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