クバールスピアンの彫刻が作られたのは、1000年ほど前。シェムリアップ川の源流のひとつ、ストゥンクバールスピアン川の川岸や川底に、インド神話をモチーフとした彫刻や碑文などが見られます。
1000年も風雨や水の流れにさらされていたとは思えないほど、はっきりと姿をとどめている彫刻もあれば、修復によって欠落した部分を再現されているものもあります。インド神話を予習していくと、より深い見方ができそうです。
アンコールワットにはたくさんの魅力的な遺跡がありますが、それらのほとんどは「乾いた」印象の彫刻によるもの。「みずみずしい」という表現がぴったりのクバールスピアンは新鮮な気分で遺跡鑑賞ができるのではないでしょうか。
数ある彫刻の中で特徴的なのは、何と言ってもこの「1000本リンガ」。リンガとはヒンズー教の神シヴァをあらわす男性器の象徴。ほかに女性の本源「ヨニ」をあらわす彫刻もあります。
これら神聖な彫刻の上を流れた水は清められ、その水が川を伝ってシェムリアップ全土を潤し、トンレサップ湖まで流れ込むという仕組み。気が遠くなるような壮大な構想です。
クバールスピアンを満喫するためには、季節選びがとても大切です。川の水量の多い雨季に来ると、せっかくの彫刻が見えなくなってしまいますし、乾季に来ると、普通の彫刻になってしまうから。
おすすめは11月〜2月くらい。この滝も季節によっては全くなくなってしまったり、大迫力になったりと、タイミングによって大きく姿を変えるそうです。
いかにもアンコールワットらしい彫刻以外にも、思わぬ所に「ここは京都?」と思わせるような仏像の彫刻があったり、ワニやカエルなど、わかりやすいモチーフの彫刻があったり。
宝探しのような感覚で遺跡散策を楽しめますが、彫刻が見られる範囲は200mとなっているので、見つけるのもさほど難しくありません。自分の目線よりも下にばかり彫刻がある、というのはなかなか珍しいシチュエーションですよ。
遺跡は川の源流部分にあるため、そこまでは2km近く、45分ほどの行程を歩かなければなりません。
岩や木の根が張り出した道を行くちょっとしたトレッキング、かつ正規ルート以外には地雷の危険もあるそうなので、ガイドさんとの同行を強くお勧めします。
ガイドさんは遺跡だけでなく自然にも詳しいので、トカゲをつかまえてくれたり、植物の説明をしてくれたりして、遺跡への行き帰りも充実した時間を過ごせますよ。
山道となるため、クバールスピアンへの入場は14時までに制限されていますが、こちらの所要時間は2〜3時間を見ておけばよいので、近隣のバンテアイスレイやプノンクーレンをあわせて訪れると効率的です。
また、入場には遺跡の共通入場券となるアンコールパスが必要となるので、シェムリアップなどで購入しておくとよいでしょう。
2017年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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