写真:乾口 達司
地図を見る「奈良女子大学(ならじょしだいがく)」は、1908年(明治41)女性教員を養成するための教育機関として設立された奈良女子高等師範学校に由来します。東京にあるお茶の水女子大学と並び、国立の女子大学は全国でわずか2校のみ。それだけでも奈良女子大学がいかに貴重な教育機関であるか、おわかりになるでしょう。
写真:乾口 達司
地図を見るそんな100年以上の歴史を持つ奈良女子大学には、当然のことながら、当時の教育状況をいまに伝える貴重な建築遺産も残されています。その中心となるのが、写真の建造物。「奈良女子大学記念館」の名で呼ばれているこちらの建造物は、創設から間もない1909年(明治42)に竣工したもので、現在、国の重要文化財に指定されています。奈良女子大学の歴史を見守って来た由緒ある建造物といえるでしょう。
しかし、女子大生ばかりの大学構内に部外者が立ち入るのは気が引ける。そんな思いを抱く方も多いでしょう。そういった方は毎年春と秋におこなわれる記念館の特別公開時に訪問することをおすすめします。特別公開の日時は奈良女子大学のホームページに紹介されているのでこまめにチェックしましょう。
写真:乾口 達司
地図を見る記念館は木造で総2階建て。創建当初より1階は事務室として利用され、2階は後で紹介するように講堂となっています。
外観でまず目を引くのは屋根の中央にそびえる頂塔(ランタン)。なかなかオシャレな造形だと思いませんか?板壁と漆喰壁とから成る外壁にはめ込まれた木材のデザインもオシャレですよ。
細部の意匠もじっくり眺めてみましょう。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらは東向きの正面玄関を撮影した一枚ですが、車寄せの上に取り付けられた明かりと、そのまわりにほどこされた意匠も独特的ですね。
写真:乾口 達司
地図を見る天井板のデザインも独特です。
写真:乾口 達司
地図を見る特別公開の期間中は、一般人が館内へ立ち入ることも認められています。せっかくの機会ゆえ、内部に足を踏み入れてみましょう。
とりわけ、ご覧いただきたいのが、2階の大半を占める講堂。ご覧のように広々とした空間であり、並べられている長椅子は当初からのもの。
画面の奥、講堂の正面に取り付けられている扉は「奉安殿」といい、戦前の学校教育に絶大な影響を与えた教育勅語や天皇の御真影などが安置されていました。
写真:乾口 達司
地図を見る講堂に置かれたこちらのグランドピアノ、いったい何だと思いますか?このピアノは「百年ピアノ」と呼ばれており、奈良女子大学の前身に当たる奈良女子高等師範学校の創立当時に購入されたもの。戦後はその存在も忘れられ、倉庫に仕舞われていましたが、2005年より修復され、講堂に安置されることとなりました。
写真:乾口 達司
地図を見る購入から百年以上の歳月を経ていますが、百年ピアノはまだまだ現役。特別公開の期間中は「百年ピアノ」を使ったコンサートがもよおされることもあるほどで、一般の来場者も鍵盤にタッチすることができます。
実際に弾くことの出来るピアノとしては日本最古級の「百年ピアノ」の音色をご自身でお確かめください。
ほかにも、1階の別室には、奈良女子大学の歴史を紹介したパネルコーナーもあります。パネルコーナーに掲示された当時の写真をご覧になって、あらためて奈良女子大学の歴史を実感しましょう。
写真:乾口 達司
地図を見るこのように魅力にあふれた記念館ですが、文化財は何も記念館だけではありません。写真は奈良女子大学の正門。こちらも記念館ともども国の重要文化財に指定されています。
写真:乾口 達司
地図を見るそして、それは正門の内側にある守衛室も同様です。十字の形をした建造物で、記念館とよく似た意匠が見られます。
奈良女子大学の歴史をしのぶのに格好の建造物である記念館、いかがでしたか?普段は一般には公開されていないこともあり、この機会にぜひ館内を見学し、奈良女子大学の歴史の豊かさをご堪能ください。
2024年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/12/5更新)
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