刀剣王国・岡山長船の「備前長船刀剣博物館」と「備前長船日本刀傳習所」を訪ねよう!

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刀剣王国・岡山長船の「備前長船刀剣博物館」と「備前長船日本刀傳習所」を訪ねよう!

刀剣王国・岡山長船の「備前長船刀剣博物館」と「備前長船日本刀傳習所」を訪ねよう!

更新日:2017/10/19 16:22

Mizuki Yoshiのプロフィール写真 Mizuki Yoshi 歴史街道トレッカー、伝統の「ワザ」案内人、日本クルーズ&フェリー学会員

数多くの名刀を生み出した岡山備前長船地区は「鍛冶屋千軒」と呼ばれるほど刀鍛冶が集積した場所。「備前長船刀剣博物館」では名刀の展示や塗り師、鞘師(さやし)、白銀師(しろがねし)など日本刀に関わる仕事場も併せて見ることが出来ます。又、近くにある「備前長船日本刀傳習所」は、「マツコの知らない世界」や国内外メディアに取材された知る人ぞ知る工房です。この2つ施設での日本刀古式鍛錬の見どころをご紹介します。

「備前長船刀剣博物館」の見どころ

「備前長船刀剣博物館」の見どころ

写真:Mizuki Yoshi

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備前長船刀剣博物館はJR赤穂線長船駅から3km弱、田園風景のウォーキングに適した距離です。備前刀は日本刀の代名詞と言ってもいいほど。日本中に存在する日本刀約270万本の約半分が、又、111口ある国宝指定刀剣の55口が備前刀なのがその証明。まさに、備前長船は刀剣の里、刀剣王国の名にふさわしい場所です。

長船の繁栄は (1)中国山地で採れる良質の砂鉄、(2)日本刀鍛錬に使われる炭の材料となる赤松が大量に生えていたこと、(3)福岡千軒と言われたほどにぎわった市があったこと、(4)吉井川の水運、などによります。こうした環境により長船周辺には鍛冶屋千軒と呼ばれるほど、刀鍛冶が多く集積しました。

「備前長船刀剣博物館」の見どころ

写真:Mizuki Yoshi

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館内展示の名刀見学と共に、是非見ておきたいのが、毎月第2日曜日の11時と14時に行われる日本刀鍛錬の実演。3名の現役刀匠により、たっぷり1時間、日本刀古式鍛錬が行われます。煙突が4本(写真)見えますが、備前長船刀剣博物館が毎年5月頃に文化庁が実施する刀工の実技試験(作刀実地研修会)会場なのです。この建物だけで4名が同時に作刀可能です。受験には刀匠の下で5年以上修行が必要な大変厳しく高度な伝統技術習得が要求されるものです。

「備前長船刀剣博物館」の見どころ

写真:Mizuki Yoshi

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入場券は日本刀の柄になっているユニークなデザイン。名刀が展示された博物館と日本刀鍛錬や日本刀に必要な、鞘師や塗り師などが仕事場を見せる実演エリアの両方を見学できます。

日本刀古式鍛錬の撮影ポイント

日本刀古式鍛錬の撮影ポイント

写真:Mizuki Yoshi

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日本刀鍛錬の実演を定期的に一般公開しているのは、日本広しといえども、ここ備前長船刀剣博物館と関鍛冶伝承館(岐阜県関市)の二か所のみ。それぞれ備前伝、美濃伝の伝統技術を受け継ぐ地域にあります。

日本刀古式鍛錬の撮影ポイント

写真:Mizuki Yoshi

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筆者のおススメは、少し早めに入場し、横座(座って指示を出す刀匠)の背後の場所を確保すること。ここからは、火炉(ほど)と呼ぶ窯の状態や、大ハンマーを打ち下ろす打ち手の動きがよく見えます。

日本刀古式鍛錬の撮影ポイント

写真:Mizuki Yoshi

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日本刀鍛錬の見どころは、オレンジ色の火花が飛び散る「折り返し鍛錬」、「火花で衣服に穴が開いても自己責任です」と説明があり、大ハンマーを打った瞬間に火花が飛びます。無数の火花が美しく光線を放つのは鋼を火炉から出した最初の一振り!

十文字鍛(じゅうもんじきたえ)と呼ばれる、水平方向、垂直方向の二方向の折り返し鍛錬が行われます。

「マツコの知らない世界」も紹介!「備前長船日本刀傳習所」

「マツコの知らない世界」も紹介!「備前長船日本刀傳習所」

写真:Mizuki Yoshi

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備前長船刀剣博物館から徒歩5分にある備前長船日本刀傳習所。刀匠上田祐定氏の個人工房です。土曜日午後に見学予約すれば1時間半程じっくり素材から始まる日本刀作刀技術の説明や、日本刀鍛錬の実演を見学することができます。上田刀匠とフェイス・トゥー・フェイスの話がきけるので、気軽に質問もできますよ。

「マツコの知らない世界」も紹介!「備前長船日本刀傳習所」

写真:Mizuki Yoshi

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上田刀匠が親方として弟子を育てる場所が「備前長船日本刀傳習所(前の写真)」ですが、親方の仕事場は事務所と傳習所の間にこじんまりと「長舩包丁店」の看板を上げた場所。薄暗く小さな工房に驚くことでしょう!実は、薄暗さは火の状態をみるには最適です。40年以上使い込んだ鍛造機と火炉(ほど)があり、ここで名人技が生み出されるのです。一切の無駄を省いたコンパクトで質素な仕事場は必見!

「マツコの知らない世界」も紹介!「備前長船日本刀傳習所」

写真:Mizuki Yoshi

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日本刀と同じ材料で作られるのが上田刀匠の包丁。全体が日本刀の材料(玉鋼:たまはがね)で出来ています。研いでも研いでも使えます。親子3代100年使うことも可能、しかも切れ味抜群!紙がスパっと切れます。それもそのはず、材料や焼入れ温度などを科学的に徹底的に分析し、最適素材を使い最高の性能を引き出します。そして性能が確認できた材料、条件を日本刀に応用するのです。高価な顕微鏡で鉄の状態分析や、日本全国の砂鉄のテストなど、科学的分析と伝統的作刀技術を融合しています。大学や鉄の研究者との交流も頻繁に行われています。

米国、ロシアのテレビ局はじめ国内海外の数多くのメディアの取材を受ける有名人です。100年使える包丁は、最近「マツコの知らない世界」でも紹介されました。

日本刀作刀は、純度の高い鉄を作る仕事!

日本刀作刀は、純度の高い鉄を作る仕事!

写真:Mizuki Yoshi

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弟子の育成は費用が掛かるため、弟子を取る刀匠がほとんどいない現代、上田刀匠(写真左手)はこれまでに14〜5名のお弟子さんを刀工に育て上げたおおらかな親方。ざっくばらんな話ぶりは味わい深いので是非立ち寄ってみてはいかがでしょう!「無料で日本刀鍛錬の実演を見せるのは、弟子の為!文化庁が行う刀工実技試験で上がらないように観客の視線に慣れるため」だそうです。お弟子さんを指導しながらの古式鍛錬を間近で見学できます。

日本刀作刀は、純度の高い鉄を作る仕事!

写真:Mizuki Yoshi

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これが日本刀一振り分の砂鉄(原料)。約50kgの砂鉄から、たたら吹き工程や古式鍛錬で不純物が取り除かれ、純度の高い鉄となります。

日本刀作刀は、純度の高い鉄を作る仕事!

写真:Mizuki Yoshi

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最適の砂鉄を配合した材料から玉鋼を作り出すのが「たたら吹き」と呼ばれる伝統的な製鉄方法です。殆どの刀匠が島根県のたたら製鉄で作られる玉鋼を使っていますが、ここでは独自の分析と配合による玉鋼を作っているのです。

備前長船日本刀傳習所は、素材の砂鉄から完成品の日本刀まで、現代に例えれば、製鉄工場、鉄鋼の研究所、鉄工機械メーカーの3つの役割を持った工房です。最先端の分析と伝統技術がみられる備前長船日本刀傳習所を訪れてみてはいかがでしょう。

おわりに、

美術品やお守り刀として人気が高い日本刀、美しい刃文も見どころです。下記2ヶ所で堪能してみてはいかがでしょう。

「備前長船刀剣博物館の基本情報」
住所:岡山県瀬戸内市長船町長船966
電話番号:0869-66-7767
公開古式鍛錬実施日:毎月第2日曜日午前11時〜・午後2時〜

「備前長船日本刀傳習所の基本情報」
住所:岡山県瀬戸内市長船町長船93
電話番号:0869-66-9828
無料見学日:土曜日の13時〜16時 関連MEMO欄HPから事前予約が必要

備前長船刀剣博物館内にある今泉俊光刀匠記念館は、上田刀匠が師事した今泉刀匠の仕事場が再現展示されています。こちらも必見です。駐車場にある「ふれあい物産館」では日本刀ゆかりの土産物や書籍などが豊富です。

瀬戸内市内美術館・博物館施設共通割引券で備前長船刀剣博物館の入場料500円/人が400円/人に割引になります。この割引券はJR長船駅でも入手可能です。

2017年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。関連情報をMEMO欄に入れておきます。


掲載内容は執筆時点のものです。 2017/10/07−2017/10/08 訪問

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