1871年、後に「シカゴ大火(Great Chicago Fire)」と呼ばれることとなる大規模火災が、シカゴ市内で発生しました。19世紀のアメリカ史上最大の災害と言われているその大火は、約800ヘクタール、17,400軒以上の一般家屋を含む建造物を焼き尽くしたのです。
しかし当時の悪夢は、後世「摩天楼発祥の地」と呼ばれることとなる、現代のシカゴができるきっかけにもなったのでした。
写真:トラベルjp 編集部
地図を見る大火により全焼した街を復興しようと、後に「シカゴ派」と呼ばれる多くの才気溢れる建築家たちが立ち上がります。彼らの自由な発想から生まれた数多の高層ビルは、街の再開発の一助となり、そしてそのユニークでアーティスティックなデザインの数々は、現代の私たちの目を楽しませてくれることになるのです。
そんな独自の歴史を経て形作られたシカゴの摩天楼と美しいスカイラインは、今ではシカゴ観光のハイライトのひとつとして、人気を博しています。
摩天楼に沿うように市内の中心を流れるシカゴ川は、まさに高層ビル建築を鑑賞するにはもってこいのロケーション。そのロケーションを利用して催行されているアーキテクチャークルーズに参加して、シカゴの美しいスカイラインを見学しに行ってみましょう。
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地図を見る創業75年以上の歴史を持つ「Shoreline Sightseeing」。
ミシガン湖のクルーズツアーや、夏季に打ち上げられるネイビーピアの花火を鑑賞するクルーズツアーなど、様々なツアーを催行している同社のプログラムの中でも一番人気が、シカゴ自慢の建築を巡るアーキテクチャークルーズです。
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地図を見る曜日や特別な祝祭日によって違いはあれど、ほぼ毎日催行されているこのツアー。ミシガン湖畔のネイビーピアからスタートするコースと、ミシガンアベニューからスタートする2つのコースが用意されています。所要時間はどちらも約75分。
専門家のガイドによる解説を聞きながらのクルージングは、摩天楼の中にいながらにして、なかなか優雅で心地よいひととき。船上から眺めるシカゴの街並みは、さながら屋外の建築美術館と言ったところでしょう。
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地図を見る船上から見える景色は、実に様々。
ミシガン橋付近、マグニフィセント・マイルに立つのは、チューインガムで有名なリグレー社の本社ビル「リグレー・ビルディング(Wrigley Building)」(写真中央)。ルネッサン様式を採用したこのリグレー・ビルディングの向いには、対照的なゴシック様式が荘厳で美しい「トリビューンタワー(Tribune Tower)」。そして反対側(写真左)には、川面や青い空を反射するガラスが近代的な「トランプ・タワー(Trump Tower)」が立ち並びます。
年代も様式も不揃いなはずの建築物が見事に調和する様は、流石建築の街シカゴと頷けるはず。
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地図を見る「コーンタワー」の愛称で知られるこのユニークなタワーを有する建築物は、正式名称を「マリーナ・シティ(Marina City)」といいます。
そもそも何故その名に「シティ」がつくのかというと、建築当時、この施設内だけでも生活が出来るようにと、約900世帯のアパートだけでなく、銀行やレストランなど様々な施設を備える計画があったから。
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地図を見るそして何より驚くのが、ビルの下層階を占領するこの駐車場でしょう。コンクリートの壁はおろか、ガラスの壁さえもないこのデザインには、度肝を抜かれます。
写真:トラベルjp 編集部
地図を見る度肝を抜かれるといえばもうひとつ。下層部が逆三角形の形をした驚きの建築物「150ノースリバーサイド(150 North Riverside)」。その形から「ギロチン」などとも呼ばれているそうですが、どうやって安定や強度を保っているのか不思議……。
その他にも、有名無名問わず、シカゴのスカイラインを彩る個性豊かな建築物の数々を眺めることができます。桁違いの規模、そして我々には思いつかないほど奇抜で、けれど美しいデザインなど、今まであまり建築に興味のなかった人でも、思わず惹き込まれてしまいそうな要素が盛り沢山。
船上にはお手洗いの他、飲み物やスナック等を販売している売店も完備されているので、飲み物片手に優雅に建築物見学を楽しむことができます。
写真:トラベルjp 編集部
地図を見るチケットの料金は、チケット売り場での購入で大人$39、子ども$20。オンラインで大人$37、子ども$19(2017年10月現在)となっていますが、詳細は公式サイトからご確認ください。
独自の歴史を経て今を彩るシカゴの摩天楼とスカイライン。アメリカ国内でも唯一無二のその景色を眺めながら、先人たちの努力、そして現代にも通用するその美的センスを、五感を使って贅沢に味わってみてください。
提供元:©City of Chicago
https://www.choosechicago.com/住所:600 E Grand Ave, Chicago, IL 60611
電話番号:+1-312-222-9328
営業時間:10:00〜19:30(要確認)
取材・文・写真/ホリタナツミ
【取材協力:Choose Chicago】
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(2024/10/9更新)
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