創建時は30万坪の境内?!イチョウが美しい京都「豊国神社」

創建時は30万坪の境内?!イチョウが美しい京都「豊国神社」

更新日:2017/10/25 18:12

木村 優光のプロフィール写真 木村 優光 和風景写真家、夜景愛好家
「豊国神社」は京都市東山区に位置し、豊臣秀吉が生前中に自身を葬る予定で計画していた神社です。秀吉の死後、創建された「豊国神社」はなんと30坪にも及ぶ広さがあり、当時はスーパー神社! 現在はこじんまりとした広さの境内ですが、所々にイチョウの木が植えられて、晩秋の季節になると黄金色に輝く境内は息を飲む美しさ! 京都駅からそれほど遠くない立地のため、境内にて黄金色に輝くイチョウの木を観賞しに行こう。

大和大路通に面した巨大な鳥居が目印の「豊国神社」

大和大路通に面した巨大な鳥居が目印の「豊国神社」

写真:木村 優光

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「豊国神社」は、観光スポットでもメジャーな三十三間堂や智積院、清水寺などの近くに位置し、京都駅から頑張れば徒歩でもアクセス可能です。北東を見れば清水寺を含めた東山三十六峰が連なり、都市の中にいながら風光明媚な景観。なおかつ、観光客があまり訪問しないため、開放度は抜群です。

渉成園の東側からスタートする正面通りを歩いていると、鴨川を渡って道幅が広がる付近から真正面に大きな鳥居が見えてきます。神社入口に近づいてみると、鳥居の大きさにびっくりするでしょう。これこそ、創建当時30万坪の名残の証!

大和大路通に面した巨大な鳥居が目印の「豊国神社」

写真:木村 優光

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「豊国神社」の大きな鳥居を潜って境内に入ってみると、当時の名残でしょうか、広々とした空間が広がっています。ここから後ろを振り返ってみると、境内が周囲より高台にあるため京都市内が一望! 。

ちなみに「豊国神社」の歴史ですが、豊臣秀頼が大坂夏の陣で徳川家康に敗れると、この豊国神社は家康の命令で放置されることになりました。つまり江戸時代の約260年間は荒れ果てた境内となっていたのです。しかし江戸時代が終わると明治天皇の遺言で再建され、境内の広さも含めて現在に至りました。

本殿へ続く参道を歩いてみる

本殿へ続く参道を歩いてみる

写真:木村 優光

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境内の参道をそのまままっすぐ突き進めば、本殿方面へと向かうことができます。本殿の手前には唐門があり、目の前にすると両側には真っ赤な献燈台、そして唐門の奥には立派な本殿が出迎えてくれます。唐門まではいつでも立ち入ることができますが、この先の本殿などへは、正月の三が日以外入ることができません。そのため、初詣で「豊国神社」を訪問して、本殿で手を合わせるのも良いかもしれませんね。

唐門の両側には立派な松の木が構えていて、神々しさを一層引き立てています。この唐門ですが、伏見城の遺構で桃山時代の逸品!そのため、国宝に指定されています。殆どの箇所がケヤキの木で造られたという唐門の完成当時は、極彩色の彫刻と金箔で飾られていたそうで、かなり目立っていました。

本殿へ続く参道を歩いてみる

写真:木村 優光

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唐門から先の境内へは入ることができませんが、唐門越しに赤々と燃える紅葉の木々を見ることはできます。手前の建物は拝殿で、普段立ち入ることができないエリアということもあってか、境内は神々しさが漂っています。

紅葉の木の手前にある小さな社は、豊臣秀吉の正室(現在で言う妻)である、北政所(きたまんどころ)が祀られています。歴史の教科書には北政所と書かれますが、ねね、おね、高台院といった呼び方もされます。この呼び名を聞けば、東山にある高台寺周辺が、北政所ゆかりの地であることがわかりますよね。その中でも、綺麗に整備されたねねの道は京都らしい風情があるため、常に観光客で混雑しています。

境内に唯一存在する稲荷神社も訪問しよう!

境内に唯一存在する稲荷神社も訪問しよう!

写真:木村 優光

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唐門を後にしたら、今度は境内のあちこちを眺めてみましょう。境内の北側には大きなイチョウとケヤキの木は、晩秋の時期になると黄金色に輝き格好の被写体に!「豊国神社」ではイチョウの木がシンボルになっているため、境内のあちこちで姿を見ることができます。

メイン参道には献燈台や石塔などが置かれているため、和の雰囲気を一掃を引き立たせてくれています。上の写真のようにやや広角気味に撮るのも、境内の雰囲気が出て良いでしょう。

境内に唯一存在する稲荷神社も訪問しよう!

写真:木村 優光

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境内の北側にアクセスしてみると、「正一位稲荷大明神」へ向かう参道に、小さな鳥居がたくさん連なっている様子を見ることができます。周囲にはイチョウとケヤキの木がたくさん植えられているため、落葉したそれぞれの葉っぱによって地面が覆われる光景はまさに黄金色の絨毯そのもの!

また、黄金色のイチョウと真っ赤な鳥居とのコラボレーションは、カラーコントラストのインパクトが大きく、狭い境内ながらも様々な角度から写真撮影を楽しむことができます。

上の写真からアングルを若干変えて撮ったものが下の写真になります。このアングルですと、地面にイチョウとケヤキの葉っぱが敷き詰められた様子がよくわかりますね。そして後方に植えられたイチョウの木が黄金色一色になっている様子も含めると、晩秋の素晴らしい絶景に!

境内に唯一存在する稲荷神社も訪問しよう!

写真:木村 優光

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イチョウの木や黄金色の落葉を上手く利用して素晴らしい1枚を切り取ってみよう!

イチョウの木や黄金色の落葉を上手く利用して素晴らしい1枚を切り取ってみよう!

写真:木村 優光

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上の写真のように、銀杏の木の根っこ周辺にピントを合わせて写真を撮ってみると、芸術の秋にふさわしい1枚の出来上がり!黄金色のイチョウの葉っぱで敷き詰められた地面と、所々に浮かびあがる木の根がのコラボレーションが「生命」の循環を表しているように見えませんか? イチョウの葉っぱも、元はこの根本から吸い上げた栄養で出来たようなものですから。

イチョウの木や黄金色の落葉を上手く利用して素晴らしい1枚を切り取ってみよう!

写真:木村 優光

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神社ならではの真っ赤な献燈台も見逃してはいけません。背後で黄金色に輝くイチョウの木を暈して入れて、手間に献燈台を入れれば、色彩豊かな1枚の出来上がり!日没以降は常夜灯に明かりが灯りますので、空が真っ暗にならない日没30分後あたりに訪問してみるのも面白いですよ。

イチョウの木や黄金色の落葉を上手く利用して素晴らしい1枚を切り取ってみよう!

写真:木村 優光

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手水鉢の水面を撮った1枚にはたくさんの情報が隠れています。水面に映る黄金色のイチョウの木を、現実の世界以上に美しく表現してくれます。その中に時折落ちる水滴によって真黄色のイチョウが波打ち、芸術的な美を表現してくれます。

これは見る人の感情で変わってくるものですが、水はさまざまなものを映し出してくれます。現実あるものを逆向きに映し出してくれることで、普段は発見できない美しさが隠れていたりします。「豊国神社」だけに言えることではありませんが、手水鉢があったら、水面を数分間覗き続けてみてください。貴方の視界には手水鉢の水面を介して何が映りましたでしょうか?

秀吉の魂は「豊国神社」にはなかった!

豊臣秀吉はこの「豊国神社」に祀られていると言われていますが、実は秀吉の遺体はこの豊国神社にはなく、東へ約1Km離れた「豊国廟」にあるとされています。したがって「豊国廟」を訪問した後に「豊国神社」を訪問すれば、秀吉の魂が「豊国神社」へ導かれることになるでしょう。

なお、「豊国神社」の周辺を観光スポットが多く、メジャーどころですと三十三間堂そして清水寺、智積院などがあります。どれも徒歩圏内ですので、併せて訪問することをオススメします。

<基本情報>
住所:京都府京都市東山区大和大路正面茶屋町530
電話番号:075-561-3802
アクセス:京阪七条駅より徒歩約8分

2017年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2014/11/24 訪問

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